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女王陛下のキス
2009.02.05|umiushi
またしても戦争ネタかつ模型ネタですが、
先日の記事で「マンガ肉」をご紹介した際に、ふと心に浮かんだものがありました。
どんな過酷な状況であっても、腹は減ります。
で、過酷な状況といえばやっぱり戦争です。
ナチス党の極悪非道ぶりはちょっと脇においといて、当時の軍隊としてのドイツ軍というのが結構兵隊思いというか、身内には優しいというのか、
「どれだけ激しい戦場であっても、三食あたたかいシチューを(※)」
という精神のもと、パン焼トラックとかソーセージ作成専用車まで備えて、かなり充実した戦闘食を供給してたらしいんです。
そこでこちら、世界のタミヤがお送りする
第二次大戦中のドイツ軍によって広く使われた野戦炊事車と兵士を再現したプラスチックモデル組み立てキットです。調理材料や各種容器、非常食などが積み込まれたリンバーと後部に接続される大型シチュー鍋やコーヒー沸かしを備えたトレーラーによって構成される野戦炊事車のクラシカルなスタイルをリアルに再現。 リンバーとトレーラーは着脱できます。食事の配給を受ける兵士2名と調理兵2名の合計4体の人形も表情豊かな仕上がり。牛乳缶や炊飯容器、パン、チーズ、 りんごなど豊富なアクセサリーもセットしました。
うーむ、誰が買うんだこんなの・・・
と思うんですが、僕も買ってしまって積んであるので人のことは言えません。
やっぱりこういう、戦闘中のひと時、みたいなのも魅力的なんですよね。
(※)翻って旧日本軍は・・・というと、あまりにシャレにならないので省略
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ところで、世に言うフィギュアのカテゴリに入るんでしょうか、食うもん食ったら出るもん出る、というわけで、同じくドイツのSSを立体化した海外メーカーのこちら
Things to Do
直訳するなら「するべきこと」、超絶意訳では「もう我慢できない!」
・・・特に一次大戦あたりだと、まだかなり平和というか牧歌的なエピソードも多いですね。現代の感覚だとあんまり本気で「戦争」してない感じで。こちらのサイトによくまとまっています。
信じられないが、本当だ
(読みふけり注意!)
いやあ、昭和天皇の記憶力といったら・・・
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上のサイト以外では、個人的に(戦争ではないけど)このエピソードが最高ですね。
女王陛下のキス
これは文藝春秋2000年11月号に掲載された阿川弘之氏の文を要約したものです。
2000年7月4日、20世紀最後のアメリカ独立記念日を祝う洋上式典に参加するため、世界各国の帆船170隻、海軍の艦艇70隻がニューヨーク港に集結した。
翌日の5日に英国の豪華客船「クイーンエリザベス号」が入港してきたのだが、折悪しくも2ノット半の急流となっていたハドソン河の流れに押された巨大な客船は、あれよあれよと言う間もなく、係留中の我が海上自衛隊の自衛艦「かしま」の船首部分に接触してしまったのである。
着岸した「QE」からすぐさま、船長のメッセージを携えた機関長と一等航海士が謝罪にやってきた。
相手の詫び言に対応した「かしま」艦長はこう答えた。「幸い損傷も軽かったし、別段気にしておりません。
それよりも女王陛下にキスされて光栄に思っております」これが何千人もの船乗りたちの間で大評判になり、ニューヨークだけでなく、ロンドンにも伝わって「タイムズ」や「イブニング・スタンダード」も記事にし日本のネイバル・オフィサーのユーモアのセンスを評価する声が高かったそうである。
「かしま」艦長、上田勝恵一等海佐の対応の見事さは勲章ものではないでしょうか。
「係留中の他国艦に接触」というのは、じつはそれだけで攻撃されたり、もっと言えば宣戦布告されてもおかしくないような無礼な行為らしいです。野暮なので補足はこの辺にしますけど。
カテゴリ:ご飯