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燃料電池電車はメリットだらけ。
2014.12.19|shiozawa
燃料電池車。
それは自動車だけでなくみんなが使っている電車にも使われ始めているようです。
■「電車」を電池で走らせる、架線があるのになぜ?
九州旅客鉄道(JR九州)は、2012年3月21日、大容量高電圧のリチウムイオン二次電池を搭載した「蓄電池電車」を試作すると発表した。
蓄電池電車
1充電当たり約30km走行できるという。交流電化方式の蓄電池電車として、国内初の試みだという。
電車は架線からパンタグラフで電力を得て走るのが通常の姿だ。なぜわざわざ電池を搭載して走るのだろうか。
非電化区間のディーゼルカーと入れ替えて使うためだ。交流電化区間では図1のように走行する。
パンタグラフから電力を得、停車中に電池に充電する。
図1
交流電化区間と非電化区間がつながっている場合は、そのまま非電化区間に進むことができる。
走行時は電池から電力を得、減速時には運動エネルギーを回生して電力を電池に戻す。
電化しなくても電車が走るメリットとは
東京都や神奈川県、大阪府など完全に電化されている地域とは異なり、九州では利用者が少ない区間を中心に、非電化区間や、電化区間と非電化区間が混在する路線が多数残っている。
特に問題となるのが、非電化区間と電化区間が混在している路線だ。
蓄電池電車を活用すれば、区間が混在している路線であっても、直通運転が可能になる。
この他、JR九州では加速力の向上(時間の短縮)やメンテナンス効率化、給油設備の削減、沿線イメージの向上などさまざまなメリットを挙げている。排出ガスも出ない。
金銭的なメリットも大きい。エネルギーコストがまず下がる。軽油から電力に置き換えることで、エネルギー消費量は原油換算で2割削減できる見込みだ。
さらにメンテナンスに手間が掛かる機械部品がディーゼルカーよりも減るため、燃料コストと検査コストを合わせた運行コストは半減するという。
引用:monoist
なるほど。
知らなかったのですが、田舎では非通電区間があってディーゼルで動かしている区間があるのですね。
確かにディーゼルは重そうです。
蓄電池電車は車体も軽くなるし、燃費も良くなるし、排ガスもなし、メリットだらけ。
■自己充電型バッテリー電車「スマートベスト」遂に徳島県に電車がやって来た!?
しかも、新しく工事する場合は、わざわざ全路線にパンタグラフの工事をする必要がありません。
線路さえあれば走れます。
特に田舎の電車はメリットが大きいですね。
日本中の足を守るためにも、田舎の赤字路線がこういった技術革新でコストダウンし、安定して黒字化してほしいですね。
早く本格的に実用化されることを期待しています。
ありがとうございます。
2014年は水素エネルギー社会元年☆
2014.11.21|shiozawa
いよいよ世界初の水素自動車が来月の12月15日に発売することになりました☆
■トヨタの燃料電池車「MIRAI」は実質500万円弱に、「来るべき水素社会に向けた第一歩」
トヨタ自動車が世界に先がけて燃料電池車の「MIRAI」を12月15日から販売開始する。
価格は税込み723万6000円で、政府の補助金などを適用すると500万円弱になる。
最初の1年間は東京・名古屋・大阪・福岡の4大都市圏を中心に400台を販売する予定である。
「MIRAIは単なる新型車ではない。来るべき水素社会に向けた第一歩になる」。
トヨタ自動車は11月18日に東京都内で開催した発表会で力強く宣言した。
世界で初めて水素を燃料に走る市販の乗用車「MIRAI」が12月15日に発売される。
豊田章男社長は「クルマの歴史が大きく変わろうとしている」とMIRAIの重要性を強調した。
引用:スマートジャパン
つい数年前にみたテレビ番組で水素自動車は1台あたり約1億円程度かかると言っていた記憶がありますが、時代の進歩は想像以上に早いものです。
あっという間に1/10以下の約700万円。
補助金を含めれば500万円弱ということでSUVと値段がさほど変わらないところまで来ています。
本格的に生産が進めば、電気自動車の値段をあっという間に抜きそうです。
今回発売される、トヨタの水素自動車”MIRAI”の特徴は、
4人乗りのセダンタイプのボディに、新しく開発した小型・軽量の燃料電池を搭載する。
特定ユーザー向けに2008年から販売しているハイブリッド方式の「トヨタFCHV-adv」(図2)の燃料電池と比べて、出力密度を2倍以上に向上させた。
小型のセダンタイプでも100kW以上の出力を発揮して、航続距離は500キロメートルを超える。
燃料になる水素の充填時間は3分程度と短く、ガソリンの充填時間とさほど変わらない。
走行用ではなく家庭用の電源として利用した場合には、1週間以上の電力供給が可能になる(1日の電力使用量を10kWhと想定)。
燃料電池(FCスタック)のほかに高圧水素タンク2本を車体の床下に備える。
なんといっても、航続距離は500キロメートル以上。
重たいものを色々搭載してこの距離だから如何にエネルギー量が大きいかがよくわかります。
最初の一代目でこれですから、さらに小型化と軽量化が進めば1000キロメートルも夢ではないように感じます。
さて、走らせるには“水素”を充填しなければいけませんので、
そこで必要になってくるのが水素ステーション。
■ENEOSの水素ステーションが11カ所に、トヨタの燃料電池自動車に合わせて
トヨタ自動車が世界初の燃料電池自動車を市販するのに合わせて、「ENEOS」の水素ステーションが首都圏を中心に11カ所でオープンする。
すでに実証実験を開始している神奈川県の海老名市を皮切りに、東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知の1都4県に2015年3月までに開設する予定だ。
国内のガソリン市場で30%以上のシェアを握る最大手のJX日鉱日石エネルギーが商用の水素ステーションの拡大に乗り出す。
12月下旬に神奈川県の海老名市に第1号を開設した後、1月下旬に東京都の八王子市に第2号をオープンする。
さらに千葉・埼玉・愛知の3県を加えて、3月中旬までに合計11カ所に展開する計画だ
<第1号の「Dr.Drive海老名中央店」>
2014年度内に開設する11カ所の商用水素ステーションのうち、8カ所はSS一体型で、3カ所は水素ステーションだけの単独型になる。
単独型は東京都の八王子市と杉並区、神奈川県の横浜市旭区に開設する。
水素の供給能力は標準的な場合で1時間あたり5~6台の燃料電池自動車に対応できる。
1台に充填する時間は約3分で済み、従来の電気自動車と比べて格段に早い。
引用:スマートジャパン
まずは都心から。
インフラあっての自動車ですから、こういった動きがより積極的になることが普及への最も大切なポイントかと思います。
こういったインフラの部分では官民一体となって推し進めるのがどうしても必要です。
ということで、資源エネルギー庁も水素エネルギー社会実現のための明確なロードマップをすでにだしてました。
■水素エネルギーで世界をリードする国家戦略、化石燃料に依存しない社会へ
資源エネルギー庁が水素・燃料電池の市場拡大に向けたロードマップを策定した。
水素はCO2も放射能も排出しないクリーンなエネルギーとして世界の注目を集めている。
しかも水素を利用して発電する燃料電池の分野では、日本の特許出願数は世界でも2位の国を5倍以上も引き離して圧倒的に優位な状況にある。
6月24日に公表した「水素・燃料電池戦略ロードマップ」では、2050年までに国全体へ水素供給システムを普及させるための目標と重点施策を3つのフェーズに分けてまとめた
第3フェーズで水素の製造・輸送・貯蔵までの一貫体制を国全体に展開していく。
今後の火力発電設備などに導入される予定のCCS(Carbon dioxide Capture and Storage:CO2回収・貯留)や再生可能エネルギーと組み合わせて、「CO2フリー」の水素供給システムを2040年までに完成させる構想だ。
引用:スマートジャパン
2020年代中にはハイブリッド車と同等の価格を実現トなっています。
さらに自家発電用水素発電ということで、家で水素発電させてそのエネルギーを家庭用電力として使う時代が本格化するとなっています。
今は想像もつきませんが、そういった時代が来るのでしょうか。
最近はエネルギーも多角化してきており、将来主流となるエネルギーが何になるか想像もつかなくなってきています。
しかし、水素エネルギーも主流になりうる有力候補である事がよくわかる今回のニュースでした。
ありがとうございました。
極限環境微生物は放射性物質を食べるか?!
2014.10.03|shiozawa
現在の日本は原発は停止しているのですが、原発を稼働すると発生する
“放射性廃棄物”
を処分する場所も見つからなければ、再処理技術も中途半端な様子の現在。
原発を稼働するしない関係なしに、“放射性廃棄物”処理する方法をどんな手段にせよ考えなければいけません。
今回は “放射性廃棄物の処理”に関しての将来技術についてご紹介☆
■放射性物質を食べるバクテリアが発見される! 核廃棄物の処理研究が大きく前進か? 2014.09.22
イギリス・マンチェスター大学の科学者達は、放射性物質の処理場地下にある古い石灰窯に入った土に、極限条件下のみで増殖するバクテリア「極限環境微生物」が存在することを初めて確認した。
微生物生態学の総合専門誌「ISMEジャーナル」は、この極めて小さな単一細胞のバクテリアが廃棄物を食べることで、イギリスが頭を抱える「増える一方の核廃棄物の問題解決に一役かってくれるかもしれない」としている。
これが本当ならば現在の日本にとっても朗報であることは間違いない。今回発見されたバクテリアは、イソサッカリン酸(ISA)を食料源として利用するというのだ。
ISAの分解を手助けする酸素がない場合、このバクテリアは硝酸カリウム、又は鉄などの化学物質を水の中で利用して呼吸する事さえできる。
マンチェスター大学、地球大気環境科学研究科のジョナサン・ロイド教授は「私達はこれらの地域に生息している微生物達に非常に注目しています」と語る。
さらに「核廃棄物は、地中深くに何千年もの間埋められるが、その間バクテリアもその環境に順応できるようになっているのではないか」と予測している。
またロイド教授は「私達の次のステップは、このバクテリアが放射能を含む物質に対し、どのような影響を及ぼすのかを確認することです。
そして将来的には、バクテリアの特殊な摂食習慣、及び自然にISAを分解する能力を用いて、地中に保管された放射性物質を安定して保つ手助けとなってくれる事を期待しています」と述べている。
つまり次のステップは、極限の状況の中、バクテリアが生命を維持する過程と、この生物が核廃棄物にどのような影響を及ぼすのかを研究する事であるというのだ。
引用:TOCANA
今回は「極限環境微生物」を初めて確認したというところまでで
実際に放射性物質を食べて非放射性物質に分解する所まで確認できていません。
可能性を信じるのみです。
もし実現できれば、地下に放射性物質とその「極限環境微生物」の二つを一緒に埋めておくだけで問題解決。
分解のための時間のみが必要で電気も必要なさそうです。
はたして、
高速増殖炉“もんじゅ”が本当に問題を起こさず常時フル稼働できるようになるのが先か、
極限環境微生物が放射性物質を分解するのが先か、
とにかく、この問題は早く解決することを願うばかりです。
ありがとうございます。
海と空の無人機☆
2014.09.26|shiozawa
最近よく聞く“ドローン”といえば、こんな感じの
荷物を自動で運んでくれるプロペラ機を想像しますが、
これとは大きくかけ離れた多種多様なドローンが近い将来見られるかもしれません☆
■ジャンボ機サイズの「無人Wi-Fiドローン機」をFacebookが2015年にも飛行実験を実施予定
Facebookは「空飛ぶWi-Fiステーション」としてドローンの導入を計画していることをすでに明らかにしているのですが、その機体はジャンボジェットとも呼ばれるボーイング747型機と同等のサイズを想定しており、2015年の初飛行を目指して計画を進めていることが明らかになりました。
Facebook Further Reveals Plans for Internet-Connected Drones
http://mashable.com/2014/09/23/facebook-drones-internet-org/
Facebook Wi-Fi Drone the Size of 747 Could Fly in 2015 – NBC News.com
http://www.nbcnews.com/tech/innovation/facebook-wi-fi-drone-size-747-could-fly-2015-n210546これは、世界中にネット環境を提供することを目的にした「Internet.org」と共同で計画を進める「Facebook Connectivity Lab」でエンジニア・ディレクターを務めるヤエル・マグワイア氏が明らかにしたもので、マグワイア氏はその機体について「ドローン」とは呼ばずに「プレーン(飛行機)」と呼んでほしいと語っています。
マグワイア氏は機体のデザインについて「ボーイング747型機など、一般的な航空機と同じぐらいのサイズになる」と語る一方で、効率的な飛行のためには機体の軽量化が不可欠とも発言。
現在進められているデザイン案の1つでは「トヨタ・プリウス6~7台分の機体長を持つ一方で、重量はプリウスのタイヤ4本分程度の重さのものもあります」と語っており、仮にこれが実現されると機体の重量は50kgを切るという超軽量プレーンになるものとみられます。
機体には太陽光発電パネルが並べられ、機体の飛行とWi-Fi電波の送受信に必要な電力を発電するシステムを搭載することになっており、その機体イメージは以下のInternet.orgによるムービーでみることができます。
引用:Gigazine
WiFiの基地局を無人飛行機で作っちゃおうというつもりのようです。
しかも羽についた太陽電池から得られる電気だけで飛行と電波送受信機の動力を作り出そうとしているよう。
太陽電池の寿命の問題がなければ半永久的に飛べるかもしれません。
ただ、台風や積乱雲にこの無人基地局が巻き込まれて墜落しなければいいのですが。。。
次は空ではなく、海の上を航海する無人機です。
■無人で航行する自律航行船:ロボット貨物船「MUNIN」
自動航行するロボット貨物船を開発する「MUNIN」プロジェクトが、EUの支援を受けて進められている。
オペレーターひとりで10隻まで操舵できる可能性があるものだ。
<「プロジェクトMUNIN」に基づいて、ロールスロイスが設計したロボット船のイメージ図。なお、MUNIN(ムニン)という名前は、北欧神話の神オディーンに付き添うワタリガラスの1羽、ムニン(記憶)にちなんでいる。>
ドイツのハンブルクで開催された海運カンファレンス「SMM」で9月10日(現地時間)、「プロジェクトMUNIN」のワークショップが行われた。
これはEUが支援する研究プロジェクトで、港から港まで無人で航海できる「ロボット船」を開発しようというものだ。
MUNINを主導するのは、Fraunhofer Center for Maritime Logistics and Services(海洋ロジスティクスとサーヴィスのためのフラウンホーファー・センター)の研究者らだ。
自律航行船には、いくつかの利点があると期待されている。
https://www.youtube.com/watch?v=gtzUjqJHcms
まずは効率性だ。研究者らによると、陸上のコントロールセンターから毎秒3~4メガビットで各船と通信することで、オペレーターひとりで10隻まで操舵できる可能性があるという。
さらに研究者らは、ロボット船を自動反応にしてスピードを抑えることで、衝突などの海上の事故が減少すると主張している。ノルウェー海洋技術研究所のエルヌルフ・レドセスによると、海の事故の75%はヒューマンエラーが原因なのだという。
さらに、エネルギー消費量が減少することも期待されている。船上で必要な照明が減り、乗員のために必要な淡水製造もなくなるからだ。
引用:Wired.jp
なるほど。
空に比べれば海の方がまだ安定しておりますし、より多くのものを長時間かけて運ぶ事ができそうです。
人を載せるがために発生する非効率な点が改善できるのは大いなるメリットです。
しかし、無人船が万が一海賊に襲われたり、トラブルを起こした時にはどうしようもなさそうです。
空も海もともにどんどん無人化していく可能性を感じる記事。
感想としてはまだまだ問題は山積みでスタートラインに立ったところ。
もしかしたら技術以上に法律や国際ルールが障壁になるかもしれません。
無人機であるが故のデメリットをすべて克服できるかが無人機普及の大きなカギとなりそうです。
もうちょっと先の将来には人工知能の技術も同時に発展し、めんどくさがり屋の人間たちはもはや何もせず、全ての仕事はドローン任せっぱなしになってしまうかもしれません。
はたしてそんな時代が訪れるでしょうか。。。
ありがとうございます。
人工的に作られた葉っぱ。
2014.08.15|shiozawa
“温暖化“が進む地球。
その温暖化を食い止めるには温室効果ガスを減らす事が必要となります。
その温室効果ガスの一つである二酸化炭素を減らす一番シンプルな方法は植物の“光合成”。
二酸化炭素と水を取り込んで、でんぷんと酸素を作るというもの。
しかし、これを人工的に作りだしたいという事で世界中で“人工光合成”関連の研究がおこなわれているようなのでその最新情報をご紹介☆
■人工の葉っぱが光合成する日がきた 2014.8.1
ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの学生であるJulian Melchiorriさんが考案したのが人工的なバイオリーフ。
この人口の葉っぱ、地球上の普通の植物と同じように、光と水を与えると酸素を放出するんです。
素人的には本物の植物をスペースシップに積み込むのではだめなの?と思ってしまいますが、実は植物は無重力だと十分に育たない可能性があるのだそう。
そうはいっても無数の酸素タンクを積み込むよりは、植物のように酸素を生み出してくれるものを持っていくほうが効率が良いわけで…。
何か良い代替案はないものかとMelchiorriさんは考えたわけです。
<開発したのはロイヤル・カレッジ・オブ・アート大学の卒業生であるジュリアン・メルキオッリ氏>
最終的に彼が創り出したのは人工的なバイオリーフでした。
シルクリーフと名付けられたこの人工葉は絹タンパク質から作られた素材で作られており、その中に実際の植物細胞から抽出した葉緑体が閉じ込められています。
絹タンパク質からできている素材は植物と同様に呼吸するので、光と水を与えると中の葉緑体が酸素を作ってくれるのです。
もちろんこのシルクリーフは宇宙探索だけでなく、地球上でも活躍が期待されます。
例えば大きなビルの換気装置にナチュラルエアフィルターとして採用すれば、外から取り込んだ空気を酸素添加した空気に変えてビル内に送り出すことができます。
引用:ギズモードジャパン
まるで本物の木の葉の様なデザイン。
今回の開発は植物細胞から抽出した葉緑体とシルクからくつっているとの事なので“結局、動植物が必要なのでは?”といった疑問もありますが、
まずは人の手が加わったものでの実現という事で実用化されれば大きな一歩になるかと思います。
他は完全に植物なしの素材から生み出す新しい光合成の研究成果を二つ。
■可視光でアンモニア人工光合成に成功 2014.8.1
空気中の窒素を固定して、アンモニアを可視光で合成する新しい人工光合成に、北海道大学電子科学研究所の三澤弘明教授と上野貢生(こうせい)准教授、押切友也助教らの研究グループが成功した。
可視光を含む幅広い波長域の光エネルギーを電気エネルギーに変換できる酸化物半導体基板に金ナノ微粒子を配置した光電極で、この新しい人工光合成を実現した。
アンモニアは水素よりエネルギー密度が高く、将来のエネルギーキャリアとして注目されており、アンモニアの人工光合成には大きな可能性がある。
7月 17 日付のドイツ化学会誌Angewandte Chemie International Edition のオンライン版に発表した。
同じ研究グループは金微粒子などで水の光分解、水素と酸素の発生にも成功し、7月2日付の同誌に発表した。
いずれも、可視光による人工光合成に道を開く重要な成果として注目されている。
半導体の光触媒として現在広く使われている酸化チタンは、太陽光の中に5%程度含まれる紫外線しか利用できない弱点がある。
北大の三澤弘明教授らは、光と金属表面の自由電子の集団運動が共鳴するプラズモン共鳴現象が起きる金微粒子に着目して、化学反応の触媒としての活用を研究してきた。
< 光照射に基づいて金ナノ微粒子構造から基板のチタン酸ストロンチウム、ルテニウムへの電子移動と窒素の還元に基づいてアンモニアが発生する様子を記した模式図>
引用:ハフィントンポスト
■北大、650~850nmの可視・近赤外光も利用可能な人工光合成システムを開発
北海道大学(北大)は7月9日、これまで利用することができなかった650~850nmの可視・近赤外光も利用可能な人工光合成システムを開発したと発表した。
同成果は、同大 電子科学研究所の三澤弘明教授、上野貢生准教授らによるもの。首都大学東京の井上晴夫特任教授、同大大学院 理学研究院の村越敬教授と共同で行われた。
詳細は、ドイツ化学会誌「Angewandte Chemie International Edition」に掲載された。
今回、光アンテナ機能を有する金属を担持したチタン酸ストロンチウム基板を用い、従来の人工光合成では利用することができなかった650~850nmの可視・近赤外光も利用可能な人工光合成システム開発した。
さらに、基板の表面と裏面に異なる金属を配置する極めて単純な反応チャンバにより水を光分解し、それぞれの面から水素と酸素を分離して取り出すことに成功し、従来とは異なる方法論で水素の分離が可能であることを示した。
今回のシステムでは、水分解に230mV程度のバイアスが必要だったが、今後はこれを0バイアスでも実現できるシステム構築を進めるとともに、水素だけではなく、アンモニアなどの水素エネルギー密度の高い化学物質への変換も推進し、車などの移動体への搭載も可能にする技術へと発展させたいとコメントしている。
引用:マイナビニュース
上の二つはどちらも、光合成が行える光の周波数帯域がより広くなる、つまりエネルギー効率が良くなるような研究成果のようです。
そのようなことからも、まだまだ人工光合成自体には効率という課題があるようです。
今後一層深刻化するであろう温暖化問題。
諸説ありますが、事実として空気中の二酸化炭素濃度は産業革命後から急速に伸びていることは事実です。
このままいけば、どんどん二酸化炭素の濃度が増えていくのは間違いありません。
そのことからも早く安価で効率のいい人工光合成の技術が確立されることを期待しています。
ありがとうございます。