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セアカゴケグモを食べるハチ
2009.05.08|umiushi
昨年ですが、外来種問題を取り上げたことがありました。
(こう書くと社会派ブログみたいでかっこいいですな)
そのときもご紹介しましたが、1990年代に材木にまぎれて日本にやってきた毒グモがセアカゴケグモ。
漢字で書くと「背赤後家蜘蛛」・・・にっかつロマンかよ。
その後生息範囲も拡大し、もはや完全に日本に定着した感がありましたが、栄枯盛衰は世の理、こんなニュースが。
セアカゴケグモの“天敵”ハチ発見 針で一刺し、麻痺させて捕食
強い毒性を持つセアカゴケグモに、国内では存在しないとされてきた捕食者がいることが7日、大阪市立自然史博物館の調査で分かった。一方で、大阪府内で 昨年度、セアカゴケグモによる被害例が過去最多を記録したことが判明。繁殖を繰り返す毒グモの“天敵”が発見されたことで、関係者は被害拡大が防げるので はと期待している。
同館学芸員の松本吏樹郎さんと同館友の会会員の北口繁和さんの調査によると、クモバチ(ベッコウバチ)の一種の「マエアカクモバチ」が、セアカゴケグモを 捕食していることが確認された。平成19年9月に長居公園(大阪市東住吉区)で初めて確認されてからは、この数年間に、堺市堺区内や大阪府豊中市内の石垣 のすき間や公園の地面などでも、このハチが針で刺して麻痺させたセアカゴケクモをアゴでくわえ引きずっている姿が観察されたという。
(産経新聞)
いわゆる「狩りバチ」の仲間のようですが、
■首都大学東京の清水晃助教(生物多様性)の話
「マエアカクモバチは国内でも比較的まれなハチで、生態があまりよく知られていない。毒グモの駆除に使えるほど増殖させることができるか疑問の余地があるが、いい意味での影響が期待できるだろう」
というのはちょっと心もとないですかね。
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しかし、もしこのハチを増やせるようになっても、野に放つのは考え物かもしれません。
というのもたとえば、アメリカに「キラービー(殺し屋ミツバチ)」という危険なハチがいまして、けっこう刺される被害が多いわけですよ。
そこでアメリカ人、
「アジアにはミツバチを皆殺しにする、オオスズメバチってのがいるらしい」と聞きつけ、
「そいつを移入してキラービーを駆除できないか?」ってノリで日本に視察に来たらしいんですが、
「・・・」
「・・・キラービーより危ない・・・」
めでたくこの企画はお蔵入りになりました。