HOME >
被災地が“日本の農業・漁業復活の場所”になるか
2012.01.20|shiozawa
“進まぬ震災復興”といったフレーズがここ一年近くずっとメディアで放送され続けていますが、
国主導で企業に誘致する動きが少なからずあるようです。
■宮城沿岸部に先端農場 官民連携、ロボット活用
農林水産省は東日本大震災で被害を受けた宮城県沿岸部に、最先端技術を実用化するための大規模農場をつくる。
敷地は東京ドーム50個分にあたる200〜250ヘクタールで、津波による塩害で早期復旧が難しい農地を国が借り上げる。
富士通や日立製作所、シャープなど民間企業と連携、IT(情報技術)やロボットなどの技術を融合させ、農業の生産性を高める。
被災地だけでなく、日本の農業再生につなげる狙いがある。引用:日経新聞
従来ではなかなか解決できない問題(今回は塩害)を“試験的に新技術を使って解決しようとする”ことは実に効率的で大きな価値があるように思えます。
うまくいけば、地域の雇用排出・活性化や、農業の技術革新の可能性もあります。
ここで生み出された技術・研究が日本農業再生のきっかけになる可能性もゼロではありません。
国内自給率を上げるには“技術による農業の高生産化”か“日本の物価が下がる”のどちらか。
当然ですが、後者はないですね。
■先端農業、宮城で研究 県南4市町が法人と連携
農林水産省は2012年度、東日本大震災の大津波で被災した宮城県南部2市2町の農地で、最先端の農業技術の実証研究を大規模展開する。
企業や研究機関が開発した無人トラクターや発光ダイオード(LED)による害虫防除などの技術を駆使し、農作業の効率化や収益性アップを図る。
国は、岩沼、名取両市と亘理、山元両町の農業生産法人と連携し、先端技術や新品種の使用を委託。農業法人に委託料や研究に使う農地の賃料を支払う。規模は、農業法人が耕作する農地を中心に200~250ヘクタールに上る見通し。津波で浸水した農地も含まれる。
官民が連携し、農業の先端技術を被災地再生に生かすのが狙い。研究を通じ、生産コストの5割減と収益率の倍増を目指す。
農水省は本年度中に大学などの研究機関や企業から事業の提案を募る方針。
引用:河北新報社
“無人トラクター”は“発光ダイオードの害虫駆除”。
初めて耳にするもので、実に面白そうです。
農業は“人がする事”ではなくて、“機械が自動でする事”といった時代がくるのでしょうか。
仮にここで述べられているようにコスト50%削減し、生産性が2倍になれば1/4のコストで生産できます。
もし実現できれば、輸入品と対抗できる可能性もあるはずです。
ただ、少しさびしいのはオートメーション化だと雇用が増えるわけではないので、地域の雇用に貢献しなさそうな点が少し心配です。
他には
■釜石港で先端漁業研究 農水省が12年度から
【東京支社】農林水産省は2012年度から、釜石市の釜石港をモデル地域として、漁業再生に向けた最先端技術の大規模な実用化研究に産学官で取り組む。
全国の大学、研究機関の化学的知見に加え、企業の高い技術力を結集。
6年計画で衛星データや情報通信技術を活用した漁獲システム開発、漁港施設への小水力、太陽光発電の導入、アワビやサケの高度増殖技術など広範囲な実証を行い、水産物供給基地の確立を目指す。
実用化研究は東北を食料供給基地として再生する政府の復興基本方針に基づき、宮城県内の事業と合わせて12年度予算案に7億6千万円を計上。
大学、研究機関、企業などでつくる複数の研究グループに委託し、国が研究資金を全額提供する。
自動観測ブイによる遠隔探査や3次元地理情報、イルカ形ソナーなど最先端技術を用い、漁業者の勘に頼っていた魚群探知などで効率化を追求。
生態系管理システムや、発光ダイオード(LED)利用による省エネ技術も確立する。
引用:岩手日報
海の中も技術でコントロール。
陸以上にハードルが高そうですが、日本には広大な“海”という資源がありますので、水産業に与える影響は農業以上に大きいかもしれません。
とにかく、“被災地”とするのではなく“日本産業復活地”とでもいえるような場所になる事を強く期待します。
ありがとうございました。
カテゴリ:未分類