HOME >
いよいよ台湾“ホンハイ”が動きだした ~シャープとの業務提携について~
2012.03.30|shiozawa
今週、国内の電機業界で大きな動きがありました。
大手家電メーカーのシャープが台湾のEMS企業“ホンハイ(鴻海)”と業務提携をしたことです。
主観的な感想ですが
ここ最近あったいくつかの外資系企業とのかなり微妙な業務提携と比べて、
かなりいい業務提携ではないかと私は思っています。
※たしか1年くらい前にも似たような事を書きましたが。
■シャープが台湾の「鴻海グループ」と提携、10%の出資受け入れ
シャープが鴻海グループの4社に対し第三者割当増資を実施する予定で、増資後の同グループの出資比率は9.88%となり、事実上の筆頭株主となる見通しです。
このほか、液晶パネルを製造する堺工場の運営会社「シャープディスプレープロダクト」について、シャープが保有する株式93%の半分を鴻海グループの会長などに譲渡し、同工場で生産されるパネルの半分を鴻海グループが引き取るなどの共同運営に移行する方針です。
引用:不景気.com
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=wXzDIqlwe_g
引用:YouTube
ホンハイはEMS企業ということで
主に家電メーカーの設計したものを製造するメーカーです。
有名どころではアップル社のiPhoneやiPadをホンハイは製造しているようです。
こちらがロゴ。
日本ではあまりなじみのない企業ですが、超巨大企業。
しかも成長率はサムスンを抜くほどの勢いです。
とにかく、以下のグラフがその規模と勢いを物語っています。
<2010年度までの売上高>
ソニーより大きいモンスター企業。
今回業務提携したシャープの3倍近い売上高をあげています。
確かに企業規模が違いすぎて、シャープは舵取りが大変になるかと思います。
筆頭株主になるわけですし。
しかし、外資系企業の社長にはめずらしく“すごく将来性を感じる発言”を
数年前からずっと日本企業に対して繰り返してきていたのが
ホンハイの董事長である郭台銘氏です。
その一部を抜粋したコメントが以下の通り。
2011年6月8日の株主総会と記者懇談会にて
日本は、慎重さを重視する文化を持っている。
注意深く一歩一歩、恋愛結婚をする男女のように、時間をかけるつもりだ。私たちはシャープの一部商品を出荷し始めている。
白物家電や将来のIntelligent白物家電に関しても話をした。
協議中なので詳しくは話せないが、液晶パネルや技術、購買、将来の萬馬奔騰(主に華南地方の社員が帰郷し、修理サービスを特徴とする販売店を設ける計画)、技術の共同開発といった多方面での協力を検討している。
政府の手厚い補助を受けていない私たちが開発リスクを分散できれば、さらなる協力につながるだろう。
日本企業と台湾企業の提携は、日本企業と韓国企業のそれよりも上手くいく確率が高い。
私はこれを100%保証する。
あなたたち(日経)も調査してみてください。私は成功確率が高い理由が4つあると考えている。
(1)それぞれの長所を活かせること。日本企業の長所は培った技術と真面目さ、台湾企業のそれは高いフレキシビリティである。
(2)知的財産権を尊重すること。我々は決してコピーしないし、ロイヤリティも必ず払う。鴻海もたくさんの知財を保有している。
(3)正直で信用を重んじるなど、双方の文化が近いこと。
(4)日本企業はブランドを持ち、我々は持たないこと。
多くの日本企業が自社ブランド事業を持つSamsung社と提携した結果はどうだったのか、あなたもご存知でしょう。
引用:Tech-ON
などなど。
この方、実はかなりのワンマン社長。
しかし、他の外資系企業がこういったコメントをするとはめったにない気がします。
“精神”の部分を強く主張している点に共感します。
まだ、今が船出。
この業務提携はうまくいくかどうかは数年後の結果を見ないとわかりません。
しかし、うまくいくことを楽しみにしています。
ありがとうございます。
カテゴリ:未分類