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クモの世界も草食系?
2009.10.15|shiozawa
クモという動物がいます。
古来「アラクノフォビア(蜘蛛恐怖症)」という用語が発明されるくらい忌み嫌われる一方、蚊だの蛾だのGKBRだのを捕食するため、益虫でもありますね。
と、基本的に「他の動物をとっ捕まえて食べる」肉食のイキモノなわけです。
極北的な例。いくらなんでも哺乳類食うなよ・・・
という背景があるゆえに、衝撃的なニュースがこちら。
草食のクモを初めて確認
クモは肉食であるという定説をくつがえす発見が報告された。熱帯性のハエトリグモの一種が主として植物の芽を食べることが、最新の研究で確認された。現在およそ40000種のクモが確認されているが、草食のクモが確認されたのは今回が初めてである。
2001年から2008年にかけて、ミーハン氏の研究チームはメキシコ東南部とコスタリカ北西部の熱帯地域にあるハエトリグモの生息地で調査を続けていた。そして、アカシアの栄養豊富な芽をハエトリグモが食べているところを発見したのだ。
クモ、というくくりは、専門的には、節足動物門鋏角亜門クモ綱、となります。
ちなみにヒトを含む分類群は、脊索動物門脊椎動物亜門哺乳綱、です。
(本当は間にもっとあるけど省略)
だから「クモ」は、我々で言うと「哺乳類」と同格なわけですよ。
つまりこのニュース、哺乳類全体で共通の特徴があるのに、そこから外れたヤツ、
たとえば「子供を母乳で育てない哺乳類が見つかった」とか、それくらいぶっ飛んだレベルの話ですよ。
時にはアリの幼虫をつまみ食いすることもあるが、食べ物の大半は植物だとミーハン氏は語る。
まあ、基本的には草食のチンパンジーも、群れの文化や状況によっては肉食べますから(※)、これくらいはご愛嬌ですかね。
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アカシアはアリの住処でもあり、このアリは空洞になっているアカシアのトゲの中に住んでいる。これは古くから知られている共生の一例で、アカシアがアリに住処とエサを提供する代わりにアリがアカシアを守っているとミーハン氏は言う。
しかし、忍び足で素早く動き回れるバギーラは、きわめて攻撃的なこのアリを避けつつトゲからトゲへと飛び移ってエサを集める術を身に付けた。時にはアリの幼虫をつまみ食いすることもあるが、食べ物の大半は植物だとミーハン氏は語る。「このように効果的な戦略で植物を獲るクモがいたとは、まったく超現実的な思いだ」。
というわけで、草食って言っても、その生活はかなりアクティブなわけです。
だから突然ですが「肉食系女子」「草食系男子」という二分法にはすごく違和感を覚えてしまうのです。バッファローとかシマウマとか、草食だけど凶暴だぞ、とか。
そもそも動物の食性は「肉食」「草食」だけではないです。ためしにWikipediaなどから、動物界にどんな食性があるのか引いてみましょう。
・肉食
・植物食
・雑食
・土食(土中の有機物を食べる)
・デトリタス食(地表や海底にたまった有機物を食べる)
・菌食(キノコやカビを食べる)
・細菌食
・腐肉食(ゾンビ状態の腐った死体を食べる)
・ろ過食(水中の有機物を濾して食べる)
上二つはさらに細分化されてまして、たとえば肉食ではいわゆる肉食のほかに、魚食、虫食、軟体動物食、血食、海綿食、蛇食、鱗食、ヒト食・・・
・・・最後のは何だオイ。
と思ったら、どうやら
サメさんのことのようです。うーむ。
サーファー初心者のことを、スラングで ”Shark biscuit”(サメのビスケット)って言うらしいですが、つまりはそういうことなんでしょうか。
実は、「菌食系男子」「腐肉食系女子」とか発明しようと思ったのですが、いざ字に起こしてみるといまいちピンとこないですな。
これだけ話引っ張ってそのオチかよ、とか言ってはいけない。
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(※)チンパンの肉食
彼らの場合は、
縄張りを荒らす別のサル発見
>撃退する、というかぶっ殺す
>死体が残る
>以下略
というパターンも多いそうで、なかなか恐ろしい奴らですな。