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車、欲しい?
2009.11.02|iwamura
痛いニュースでも取り上げられた、この記事。
若者の車離れは「家庭用ゲーム機がいけない」とトヨタ自動車幹部
若者が自動車に興味を持たなくなったという。新車販売は90年をピークに下落基調が続く。オジサン記者の私が若者だった約20年前は「デートカー」というカテゴリーが人気だった。日産シルビア、ホンダプレリュード。トヨタカローラレビンは車両型式から「ハチロク」と呼ばれた。カッコよい愛車に大切な彼女を乗せるため、仕事だって頑張った。私は若者が草食化し、車に関心を持たなくなったことも、少子化の一因だと思っている。
20代半ばの自分としては、異性にアピールするために車が必要だったというのが、正直驚きでした。しかし、今の30~40代の方が20代の頃は、会社に入るとまず車を買うことを目標にする。それから、結婚の相手を探す。というのが、通常の流れだったそうです。
いろいろ意見はあると思いますが、自分の見解としてはこうです。「アイデンティティを主張する際に、価値を感じる対象が変わったこと」が要因ではないのか。
以前の若者も、今の若者も、スタイル(どのように生きるのか?)に対するアイデンティティはあると思います。自分は石原裕次郎のように生きたい、自分はイチローのようになりたい…etc。
そして、以前の若者に関しては、加えてモノに対するアイデンティティが強かったのでは?思います。フェラーリに乗る自分、ロレックスを着ける自分etc…。その昔、「いつかはクラウン」というキャッチコピーがありましたが、背景には、「クラウンに乗る」という社会人のひとつの目標のようなものがあったことを匂わせます。
しかし、今の若者に関しては、モノに対する執着心が希薄になってしまった。特に車がなくても異性にアプローチはできますし、自分のアイデンティティを表現するのに、必ずしもお金は必要ではなくなりました。
(個人的には、大好きなCMです。「モノより思い出」というキャッチコピーが刺さりました。ただ、「別に車がなくても良い思い出は作れるよ!」というあまのじゃくな自分もいたりします(笑))
私は20代半ばなので、どちらかというと後者の価値観に近いです。ただ、上司(40代男性)の話を聞いていると、上司が20代の頃はモノに対する価値観が強かったんだなぁと思う時もあります。
年代差によって生まれる価値観の差異。それを埋めるために、たまには上司と部下と飲みに行くのも悪くないのではないのでしょうか。やはり、経験豊富な人の話は参考になりますし、学べるところもたくさんあります。
トヨタの社内がどうなっているのかわかりませんが、この記事を観たトヨタの若手社員が、「仕方がない!この幹部に今の若者というものを教えてやるか!」と言って飲みに誘う、というシナリオは出来過ぎでしょうか(笑)。社内の環境によって差異はあるかとは思いますが、ちょっと勇気を出せば不可能ではないはずです。
今回の問題の本質は、「若者の価値観が変わったこと」ではなく、「世代間のコミュニケーションが希薄になったことで、価値観の変化に気付かなくなったこと」ではないかと、実は考えていたりします。
以上