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昨今の日本映画につきまして
2012.06.12|iwamura
夏前のこの時期には「打ち上げ花火、下から見るか横から見るか」をよくTSUTAYAさんでレンタルしてきます。
先だって知り合いの社長さんに女の子のいるお店に連れて行ってもらいまして、平成生まれ女子と「好きな映画はなんですかー(語尾上げ系)。」という話題になり、上記を挙げたら「知らねーし。」との由。
ウカツな回答でございました。
ということで、昨今1年ぐらいで確認した「日本映画」を厳選し、下記にまとめてみました。DVD新作、準新作系であるので、女の子のいるお店でネタにしても「知らねーし。」とは言われない作品ばかりです。
「本当の悪人は誰だったのか。」という作品であり、本当に悪人じゃなかったのは誰だったのか、という作品でもあります。
深津さんが地方のスーツ屋で働くイケてない女子という設定に萌えました。
伊藤秀隆監督による桐谷美玲さん主演「音楽人」に勝るとも劣らない「男子の妄想爆発系」映画。
スピード感とキャスティング、ノースリーブの長澤まさみ氏がヤバい。と申しますか、水を口移しで頂戴したらもうそれは逝っていいと思うんですが。
予想外に良かったのがこちら。R15指定(?)は必要なのかな。これもっと沢山のひとに観てもらっていいお金かけたつくり方されてる映画でした。
そして中井貴一さんは本当に全体を締める方であるなあと。
「つまらない」と言わさせないつくりの映画。もちろん面白いんだけれども、深津さんに全部持ってかれたというか、深津さんカワユス。
ただ、ラストの追い込み方は「ザ・マジックアワー」が最強だと思います。
これ良かったです。大泉さんの役者としての幅を感じました。彼カッコいいですし、ポジショニングが絶妙な役者さんだと思います。
できるなら、彼主演で「男はつらいよ」リメイクして欲しいんだよなあ。長澤まさみ氏、安室奈美恵氏等に毎回フラれる役、みたいな。
「たけしさんやっぱり結局こっちやりたいんだよなあ」な映画(笑)。うだつの上がらない暴力やくざとその部下(いい奴)。
講談社殴り込み事件記者会見中に「フォーカスが」と言いまつがえるたけし△。「その男、凶暴につき」「ソナチネ」いいですね。
そして続編「アウトレイジビヨンド」、超気にになりますね。
※上記数字、順位ではございません~。
かつて。
日本映画界重鎮の伊藤俊也監督に
「昔の映画の方が限りなく美しく面白く感じるのは、今の映画がそうなのか、あるいはゾウの皮膚のように、今私の心が干からびているのか。」
という悩み相談をぶちまけたことがあります。
小生にとっても、どうしてもそれはしょうがないんだけれども、織田裕二さんのよりも、ミフネさんの「椿三十郎」であり、「一命」よりも「切腹」なワケです。
伊藤監督がおっしゃるには
「確かに現代の映画は、映画オリジナル作品が少なく、制作委員会方式での制作方法含め、リスク分散が重要視されるつくり方が、昔に比べて情熱的か否かで判断されるべきものではないが、確かに、過去の映画とのつくり方の相違、としては存在すると思います。
ただ、昔は機材も高かったし、技術やVFXも今のように進んでいなかったから、例えば、黒澤さんが空の雲がどくまで、絶対にカメラを回さなかったとか、そういう映画制作時の伝説みたいなものはたくさん残っていますね。
天気や運命みたいなものと体を張って闘いながら撮った過去の映画や、そのシーンひとつひとつが、「本物」「美しきもの」として称賛される理由はやっぱり在る、と、私も思います。
でも、今もいい映画、いっぱいありますよね。」
古くて「いいよ」と言われる映画を見ることははずれが少なくて、効率的なんです、たぶん。
でも、星の数ほど制作される新しい映画も貪欲にチェックしながら、これからの映画界や映画祭について考えていきたいよな、と昨今強く思うわけです。