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太陽光発電の買取価格は42円/kWh。
2012.06.29|shiozawa
脱原発デモなどが行われている昨今、
“電気”に関して随分と敏感になっているのを感じます。
ということで、今日は電気に関する話です。
7月1日から開始される「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」、その電気の買い取り価格が決まったようです。
■経産省、太陽光発電の固定買取価格を42円/kWhに決定
引用:インプレス
ということで太陽光発電の電気買取価格は42.2円ということです。
では現在利用している電気料金との価格差を比較してみると
たとえば現在の東京電力の電気料金の場合
引用:東京電力
大体、電気料金は約20円前後。
つまり買い取り価格は通常電気料金の約2倍くらいで買い取ってくれるということになります。
その買い取り価格による差が具体的にどう世の中に影響するのかわかりませんが、
電力会社にとっては
“売りたい電気が売れない” +“電気を高く買わなくてはいけない”
ということで、2重の痛手の制度です。
逆に一般市民にとっては少々ありがたい話です。
また、少量の電気でも買い取ってくれるようになりそうです。
■エネ庁、18日に売電市場を開設-小口余剰電力にも対応
経済産業省・資源エネルギー庁は5日、分散型・グリーン売電市場を18日に開設すると発表した。
新市場は日本卸電力取引所(東京都港区)に置く。
自家発電やコジェネレーション(熱電併給)システムなどによる1000キロワット未満の小口の余剰電力まで含めて売買する。
売電量が不安定な「出なり発電」などの電力も対象にする。電力取引市場の活性化につなげる。
現在は1000キロワットが最低単位で、1日を30分ごとに48商品に区切って取引している。取引参加者は30分ごとに約定した電力量と実際の電力量に3%以上の差が生じた場合、インバランス料金として電力会社に支払う義務がある。
この30分同時同量ルールが特定規模電気事業者(PPS)に不利だとして、改善を求める声が上がっていた。
新市場ではこのインバランス条件も取引条件に含める。引用:日刊工業新聞
ですから、家に電気を作る設備があればおこずかい稼ぎができるかもしれません。
ということで、ちょっと簡単な計算をしてみます。
では、“太陽光発電”の場合、
パナソニック製の一軒家の屋根に設置する製品「HIT240シリーズ (18枚)」を例にとりますと、
※製品はこちら http://sumai.panasonic.jp/solar/capacity.html
年間これだけ発電できるそうです。
東京の場合約4500kW/年。
よって、今回の買い取り制度の価格の「42.2円」で売れたとしますと、年に約19万円稼げるということになります。
この商品約330万円(割引や工事費やエコ助成金を考慮しません)。
つまり購入費用を回収するのに15年以上。
それ以降は毎年約19万円の収入。
2例目として“マイクロ水力発電”の場合、
神鋼電機製の超小型水力発電機「リッター水力発電装置(0.5kWタイプ)」を例に使います。
水力発電は「水量」と「高低差」で発電量が大きく異なるので計算が難しいのですが、
たとえばこの製品の場合、流量6.5リットル/秒、落差6mで230W程度発電します。
そうすると一日に5.52kW/日。年間で2014.8kW/年。
水力発電の買い取り価格が35.7円。
よって年に72,000円。
この商品は98万円程度(設置費用別)なので、購入費を回収するのには14年程度。
しかも、水が家の敷地内に十分流れている家庭じゃないのでかなり限られてしまいます。
以上の二つの計算で感じたのは、
まだまだ一般家庭への発電システムの普及はハードルが高いなと感じた結果です。
実際のところ、こういった環境型の発電システムは有用なのかわかりません。
もしかしたら将来、より安全で高効率の発電方法が誕生するかもしれません。
ただ、ある程度は世界の流れに沿っていったほうがいいかなと私は感じます。
そして日本政府には
感情論だけを先行させず、ヨーロッパなどの環境エネルギー発電先進国の成功と失敗を分析して、より効率的で安定的な発電が普及するように頑張っていただきたいと思います。
ありがとうございます。