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「ケインズVSハイエク」~ケインズの乗数理論がどうしようもなくしょぼいことの説明。
2010.02.09|iwamura
と、いうことで一枚の写真を見てほしい。
このおっさんは、下記動画にケインズとともに登場するおっさん。エラいひと。
謎のおっさんは、フリードリヒ・ハイエクそのひとでした。
「市場は自由なるもの」とする論理を展開した人。ケインズの有効需要の原理(公共投資大事~政府の市場介入の必要性大~の論理を展開した人)の対極にいる方ですね。
しかし、これ久々に良くできたラップだな(笑)。youtubeのブックマーク数すごかったです。
さて、でもこの動画だけや、上記二人のwikiだけではどっちがよくてどっちが悪くてってわからないですよね。ムツカシイ経済って。
それを簡単に噛んで含んで説明してくれてるサイトがあったので、一部抜粋しますね。超はしょりますけども。
国会で菅副総理兼財務大臣が「乗数」についての質問にぜんぜん応えられなくてしどろもどろになってしまい、方々からものすごくdisられているようです。
この話題はネットではすでに消化されてしまい旬が過ぎてしまったようですが、今日は経済学の勉強ということでこの乗数理論(Theory of Multiplier)をじっくり学びましょう。
僕はこのケインズの乗数理論が日本をこのような苦境に追いやったのではないかと思っており、大変に危険なものだと認識しています。さて、乗数(Multiplier)です。
政府が公共事業をしてG円使うとしましょう。
そうするとこの公共事業を受注した会社にはG円の売り上げが発生します。
この時点で当たり前ですがGDPはG円増えます。そしてこの乗数理論はどのマクロ経済学の教科書にも載っているし、公務員試験にも出るので、日本の法学部出身の政治家や官僚はこれが大好きです。
何といっても無限等比級数が出てくるあたりが何となく高級そうな理論にみえて、不景気になると得意げな顔してケインズの乗数理論を使って公共事業を連発します。
よーし、瀬戸内海にもう一本橋つくっちゃうぞー、とかいってるの。
もう見てらんない。
だいたい政府がお金を使えば芋づる式にどんどんGDPが増えるんだったら世界の貧困問題はとっくに解決しているんじゃないのかという疑問が、ふつうの知能を持っていればふつふつとわいてくると思うんですけど、なぜか法学部出身の政治家も官僚もそういうことがさっぱりわからないようなのです。
政府が金使えばGDPがどんどん上がるなんてまるで魔法じゃないですか。さて、これからこの乗数の話の何がインチキかというのを見ていきたいと思います。
まず、政府が無理やり投資したことによって、失われた何かが見えていないことです。
政府が投資をするために、国債を発行して市場からお金を調達します。
つまり、民間が何かに投資したり消費したかもしれないお金を、政府が勝手に使ったわけで、その分の民間の支出が減っていることがあり得ます。
つまり、民間が自発的に引き上げることができたGDPが政府支出に変わっただけかもしれないのです。しかし、乗数理論のもっともお馬鹿なところは、時間軸の考察と将来負担の概念がすっぽり抜け落ちていることです。
景気対策に政府が財政支出をするということは、国債を発行するということです。
国債は将来の税金の先食いなので、将来時点でいつかは増税してつじつまを合わせなければいけません。法学部出身の日本の為政者たちは、景気が悪くなったら赤字国債を発行して財政出動するということを過去20年間繰り返してきました。
その結果、日本はまったく経済成長せずに途方もない借金が積み上がったのです。
景気対策で財政出動し、その効果が切れたきにその痛みを打ち消すためにさらに財政出動をするという悪循環は、まるで麻薬中毒者が麻薬の禁断症状の苦しみに耐えられず次々と強い麻薬を打っていようです。そして、今とうとう麻薬がなくなってしまおうとしています。
※金融日記より抜粋
「麻薬は楽しく、ほどほどに。」
ということですね。
ヘンな意味ではなく、小生は個人的に「酒」も麻薬の一種だと思っているが、ほどほどが大事。キライな人もいるけれども、必要なトキだってあるさ。
それはヘロインは麻薬だけれども、末期がんの患者さんが痛み止めに使うモルヒネはもともとヘロインなわけで。
ケインズの論理や、市場介入も必要な時はある、と、小生は思う。上の動画やコメントのように、全てが害であるわけではない。だが、市場介入(麻薬投薬)に頼りすぎるのも、またいかがなものかと。
弱ったとき、絶対的に、必要な薬。
でも、薬漬けになるんじゃなくって、家族と笑ってTV観たり、家庭農園でつくった無農薬トマト食べたり(自然に任せて)という側面も、経済はまた大事なのだなと。
何事もバランスなのであるよ。今日もバランスよくお仕事しようでござるよ。にんにん。