HOME >
大きな将来性 ”超小型人工衛星”放出
2012.10.26|shiozawa
国際宇宙ステーションにある日本の宇宙実験棟「きぼう」から超小型人工衛星が5つ放出されました。
■宇宙実験棟「きぼう」から超小型衛星を放出 2012.10.11 12:52
日本が開発した宇宙実験棟「きぼう」から、星出彰彦宇宙飛行士が10cm角のCubeSatを宇宙空間に放出した。
画像に映し出されている複数の小型衛星は、日本が構築した宇宙実験棟「きぼう」から、きぼうのロボットアームに取り付けられた小型衛星放出機構を使用して放出されている。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士、星出彰彦(フライトエンジニア)が実験棟内で衛星放出装置を組み立て、これをきぼうのエアロックに配置した。
次にロボットアームでこの放出システムと衛星をつかんで、エアロックから宇宙空間へと放出した。
宇宙ステーションに搭載された太陽電池パネルの一部と地球の青と白が、この写真の背景になっている。
※これらの衛星はCubeSatと呼ばれる。
今回放出された5機は、JAXAの公募で選ばれた「RAIKO」(和歌山大学、東北大学など)、「FITSAT-1」(福岡工業大学)、「WE WISH」(明星電気)の3機と、NASAが提供した「F-1」と「TechEdSat」の2機。大きさはRAIKO以外の4機が1Uサイズ(10cm角)で、RAIKOのみ2つ分の2Uサイズとなっている。
これらのCubeSatは、2012年7月、JAXAの宇宙ステーション補給機「こうのとり3号機」に搭載されて、H-IIBロケット3号機によって打ち上げられた。
引用:MSN産経新聞
日本の宇宙飛行士“星出彰彦”さん。
そしてこちらが、今回宇宙へ放出された5つの“超小型人工衛星”です。
どれも、10センチ角ほどのサイズ。
通常想像する人工衛星よりどれだけ小さいか一目瞭然です。
これらの超小型衛星の仕事は以下の通り。
機能は比較的単純で、衛星軌道の確認や写真撮影や温度の確認など。
それぞれ異なった機能が備わっています。
ただ、片手で持ててしまうサイズでそこまでできてしまうと考えると驚きです。
機能に加えて、超小型人工衛星の最大の特徴はなんといってもコストが安いこと。
■ヘリコプターを購入するよりも安価
現在、地球の周りを回っている人工衛星の大きさは様々で、大型、中型、小型に分けられる。大型人工衛星の場合、大きさは一辺数メートルで、重量は数トンにも及ぶ。それに対し、アクセルスペースが手掛ける超小型人工衛星は、小型人工衛星よりもさらに小さく、一辺が約30センチメートル程度の大きさで、重量も10~50キログラムしかない。
そのため、例えば、大型人工衛星を製造するには、数百人の技術者、約10年の歳月、そして、数百億円の製造費を要するのに対し、アクセルスペースの場合、1機当たり、製造期間は約2年、製造費は大型人工衛星よりも2ケタ、小型人工衛星よりも1ケタも少ない1億~2億円で済む。
短期間で製造できるため、最新の技術を搭載できるという強みもある。製造にあたる技術者もほんの数人だ。実際、アクセルスペースでは、現在、たった6人で、同時に2機の超小型人工衛星を製造中とのことである。
引用:日経BP
この例はワンサイズ大きいものなので、今回放出されたものはさらに安価なはずです。
今回宇宙に放出された5つのうちの1つ超小型衛星“RAIKO”(和歌山大学と東北大学が共同制作)の場合、なんと製作費2000万円以下だそうです。
東北大学の研究室では、東北大学と和歌山大学が共同開発した超小型衛星「RAIKO」がある。RAIKOの仕事は宇宙で写真を撮り、地球に送信すること。
しかし良く見ると手作り感が満載で、バッテリーには市販の蓄電池が使われていた。
制作費は2000万円と安く、性能は高機能。
通信速度は従来品の10倍以上に向上している。製作した坂本祐二氏は、「日本のやり方を世界に広めていかなければならない」と語った。
引用:価格.comテレビ情報
日本は通常サイズの人工衛星を上げる技術もあり現在も飛んでいるわけですが、まだまだ世界には人工衛星を持っていない国がたくさんあります。
きっと自国で天気予報もできないはずです。
しかし、将来そういった国々もドンドンと経済発展し人工衛星を必要とする機会が出てくると思います。
そんな国を支援する意味でも、商用としてでも大変価値のある実験ではないかと思います。
ありがとうございます。