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ワンピースの“風貝(ブレスダイアル)”が活躍する時代がくるかも。
2012.11.09|shiozawa
すごく身近なモノを動力にして走るバイクがオーストラリアで制作されました。
そのバイクがこちら。
一見普通のバイクのように見えますが、
おなかのところにみんな見たことのあるものが入っています。
そう。
「ボンベ」。
このバイクはボンベに入った空気の圧力で走るバイクなんです。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=YRwa1e_8Q54
■2分で満タン、圧縮空気で走るバイク 最高時速は140km
圧縮空気で走るバイクが制作された。
フルタンクでの走行距離が100km、最高時速が140km。廃棄するバッテリーもないため環境にも優しい。
オーストラリアで工学を学ぶ大学院生ディーン・ベンステッドのプロジェクトである「O2 Pursuit」は、車載タンクに蓄えられている圧縮空気で走るバイクだ。
このプロジェクトは、まず圧縮空気ロータリー・エンジンから始まり、それを中心にモトクロス用のダート・バイクを組み立てたものだ。
フレームには「Yamaha WR250R」を使用し、後輪には動力を供給するスキューバダイビングのタンクと25ポンドのエンジンが追加されている。
スロットル・レバーを握ると空気が放出されてバイクが加速する。その性能は素晴らしい。
O2 Pursuitはタンク満タンでの走行距離がおよそ100kmで、最高時速は約140kmに達するという。
引用:産経新聞
意外や意外。
満タンで100kmも走れてしまうということも驚きですが
“特殊なボンベが搭載されているんだろうな。”と思いきや、「スキューバダイビング用のボンベ」が動力源ということ。
ですから特別なものを動力にしているわけではないところが最大の魅力です。
今回のバイクに使われているエネルギーは「圧縮空気」。
ギュッと圧縮された空気を放出する力をエネルギーとして使うということ。
ボンベなので、開封弁を開かなければエネルギーをほとんどロスなしで長時間保存できますし。
ここで思い出したのが漫画のワンピースの“風貝(ブレスダイアル)”。
気体を蓄えて風として噴出する貝。
ウェイバー(漫画に出てくる乗り物)や貝船の動力として使われる。
まさに、これだと思います。
そんな「圧縮空気」をエネルギー保存の手段にした電力発電技術の研究が日本や世界で進んでいます。
そしてこちらが
簡単な「圧縮空気」を利用した発電方法の例。
圧縮空気を使った発電ユニットの基本的な発電方法は
- 揺れや振動、圧力などのエネルギーを使い、空気をエアポンプ(右図のポンプ)で吸入する。
- 【1】の空気をポンプからエアタンク(右図の風船)に送り込み、タンク内に蓄積・圧縮する。
- 【2】で蓄えた圧縮空気をタンクから排出してタービンを回転させて発電する。
人でも車でも、船でもなんでも圧力を加えるモノであれば何でもよし。
揺れや振動、圧力の力をボンベ(エアタンク)の圧力に変換さえできれば、エネルギーになっちゃうということ。
この「圧縮空気」技術開発は
日本以上にアメリカで注目されており進んでいます。
その研究開発の先頭に立つのがこの若い女性。
天才女性科学者 ダニエル・フォン(Danielle Fong)
まだ、26歳ですが、
20歳の時にライトセイル・エナジー(Lightsail Energy)というベンチャー企業を設立しており、
世界中の余剰エネルギーを「圧縮空気」にして巨大なタンクに保存する
技術を研究開発している会社で今世界で注目を浴びています。
現在開発中の蓄電システムは、当初の35%程度から、いまでは約70%まで圧縮空気(エネルギー保存)の効率が高まっていると、彼女は説明しています。
また、ダニエルの考えでは
圧縮空気タンクの潜在的市場規模は今後20年間で1兆ドルを超える可能性があるとのこと。
将来、すべてのエネルギーが電気ではなく、「ボンベ」で保存する時代が来たり。。。
ありがとうございます。