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「たらいまわし」は失礼だろ常識的に考えて
2008.12.02|umiushi
最近、連日のように「救急受入拒否」のニュースがありますね。原因はお医者さんが足りないってことみたいですが。
札幌市内の女性が昨年11月に自宅で出産した未熟児が、7病院に受け入れを拒否され、新生児集中治療室(NICU)のない病院に搬送された後に死亡して いたことが2日、分かった。同市病院局の野崎清史経営管理部長は同日午前、記者団に「誠に残念だ。大変申し訳ない」と語った。(後略)
スカした「頑固親父の店」みたいな食い物屋とか、あるいはドレスコードがあるような高級店ならともかく、普通のサービス業だったらお客を断ったりはしません。
お医者さんをサービス業と同列に扱ってはいかんと思うのですが、それでも基本的に「来る者は拒まず」な職種ですよね。まさか患者さんの回復を願わない医師がいるとも思えず、治せるならいくらでも治そうとする職業のはずです。
そんなお医者さんが「今ベッドいっぱいです」「手術中です」「今診れません」って言うんだから、実際そうなんでしょう。前も
普通の病院の勤務時間は昼休みの休憩時間を含めて月間180-200時間程度です。勤務時間外が月間500時間以上あります。それを何人の医師で分担するかによってオンコール時間には大きな幅が生じます。たとえば一人医長であれば500時間以上、つまり常時呼び出しに対応するということになります。今回の集計ではオンコール時間月間500時間以上の医師が4名、200時間以上の医師が22名でした。オンコール時間帯でどのぐらい呼び出されているか等の解析は今回の中間解析では行っていません。
などという、衝撃的なんて言い方では追いつかない調査がありました(産婦人科勤務医・在院時間調査 第 1 回中間集計結果 報告と解説、PDF)。ちなみに1ヵ月は24時間×30日=720時間です。
それを「たらいまわし」とは、礼を失するにも程がある。
こちら内科のお医者さんのブログ(NATROMの日記)より
なぜ「たらい回し」と書いてはいけないか?それは、リソース不足に起因する問題を、さも現場の怠慢が原因であるかのように誤認させるからである。同様の理 由で、「拒否」と書くのも望ましくない。「受け入れ不能」と書けば、医療崩壊について知識のない読者も、「なぜ受け入れ不能だったのか?」と考えるであろ う。リソース不足をそのままにして現場を批判しても問題は解決しない。「たらい回し」と書くマスコミが存在し続ける限り、今後も、同様の事件(いわゆる 「たらい回し」)は起こり続けるであろう。
このように、何度言われてもこの表現を使うということは、
・医者を貶める意思がある
・不勉強で知らない
のどちらかだと思うんです。
どちらにしても報道する側として、無自覚かつ著しく不誠実です。実は毎日見ている人気サイト(探○ファ○ル)があったんですが、そこでも「たらいまわし」表現を使っていたので、トサカに来て本日ブックマーク削除しました。
見出ししか見ない人だっているんだから、ミスリードはいかんですよ。