Mykoちゃん、Cたん


HOME > 

「ウサギリンゴ」作れる?…親だって35%できない

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2008.12.12|umiushi

最初に申しますが、今日の記事は不毛です。私用で面倒くさい文書を書いてた反動で、

「マスコミ様はテキトーに済ませられていいっすね!」

みたいな激しい八つ当たりの産物です。が、せっかく考えたのでアップさせてもらいます。

——————–

「ウサギリンゴ」作れる?…親だって35%できない (YOMIURI ONLINE)

リンゴの皮をウサギの耳に見立ててむく「ウサギリンゴ」。お弁当の定番とも言えるウサギリンゴの作り方を知らない親世代が35%もいるという調査結果がまとまった。

調査は青森県の青果販売業者らでつくる「青森県りんご対策協議会」が11月に実施し、全国の10~60歳代の男女400人から回答を得た。

このうち、2~12歳の子を持つ20~40歳代の男女95人に、ウサギリンゴについて尋ねたところ、「作り方がわからない」「作れない」と答えたのが29人(30・5%)いた。「知らない」(4人)を含めると、子育て真っ最中の親世代の34・7%が作れないことになる。

50~60歳代では、作れない人は20・6%。50~60歳代女性に限れば、「作れない」は4%の一方、72%が「作るのが得意」としていた。

総務省の家計調査年報によると、リンゴの国民1人当たりの年間購入数量は、1986年の4・8キロ・グラムから2005年には4・0キロ・グラムに減 少。同協議会の調査でも、「ジュースや加工品を含め、リンゴをどのくらいの割合で食べるか」との問いで、60歳代は22%が「ほぼ毎日」なのに対し、現役 親世代の41%は「月1回以下」だった。

同協議会は「若年層のリンゴ離れが『ウサギリンゴ』を知らない人の増加につながっている」と指摘する。

この記事だけ読むと「最近の若いもんはウサギリンゴも作れない」という印象になりますね。ウサギリンゴ作れる若いもんとしては反応に困るところであります。とはいえ今のうちに申しますが、ウサギリンゴの是非はどうでもよくてですね。

この記事、数字が色々出てきますが、よく読むとあいまいなんですよ。

実は書いてたらものすごく長くなったので、いきなり結論から申しますと、

  • 50~60歳代女性    25人(1人)
    50~60歳代男性    9人(6人)
    2~12歳の子供がいる、
    20~40歳代男女    95人(29人)
    2~12歳の子供はいない20~40歳代、
    および10代の男女    271人(関係なし)
    *カッコ内はウサギさん作れない人の数

こういう偏った集団からでも、以上の数字は出てきてしまう。

もちろん、好意的に解釈すれば、50~60歳代ももっと人数が多かったんでしょう。紙面の都合で盛り込める情報に限りがあったのかも、と考えることもできます。

ですが下で詳しく述べますが、悪意を持ってというか、あえて疑えば疑えてしまうんですよ。肝心の青森県りんご対策協議会にも元データがない。
もし僕が邪推したような数字を根拠にこういう論調になってるとしたら、それはもう印象操作や情報操作ですよ。というか記事の最後、

同協議会の調査でも、「ジュースや加工品を含め、リンゴをどのくらいの割合で食べるか」との問いで、60歳代は22%が「ほぼ毎日」なのに対し、現役 親世代の41%は「月1回以下」だった。

ずっと50~60歳代が同じくくりだったのが、なんでここにきて60代だけになるのかとか、現役親世代の子供の有無は今度は関係ないのかとか、そもそも違う世代間で「ほぼ毎日」の割合と「月1回以下」の割合を比べても何の意味もないとか・・・

これ絶対、印象操作してるって!

—————————————-

結論は以上です。

ちなみに、というか以下の文章のほうが長いのですが、上の数字の根拠について。お暇な方はどうぞ。

——————————————————————————–

いきなり核心からつくと、

・50~60歳代が何人だったか書いてない

この年代で作れない人が20.6%とあるが、具体的に何人中かが書いてない。とりあえず20~40歳代の男女が少なくとも95人、また10代の人間が少なくとも1人いるはずなので、これらを引いて、この年代の最大値は304人。

ちょっと計算したところ最低で34人中7人が作れないときに20.6%になるが、以後20.6%になる組み合わせは13/63人、14/68人、・・・62/301人まで、全部で39通りある。

しかし一方、50~60歳代女性で「作れない」と「得意」が、どちらも小数点以下がなくて、きっかり4%と72%なのが少々ひっかかる。直感ではあるが、おそらく元の人数は25の倍数。しかも百分率にしたときに4も72も「偶然」4の倍数というのもちょっと気に入らない。

一番簡単に考えると、50~60歳代女性は25人で、うち1人が作れない、となる。

すると、50~60歳代女性25人(うち1人は作れない)に、同じく50~60歳代男性9人を足して、このオッサンのうち6人がウサギリンゴ作れないとして、記事中の数字は出せる。

公平のために、他に現実的な数を出しておくと、
・女性25人(1人)にオッサン38人(12人)
・女性25人(1人)にオッサン43人(13人)
・女性50人(2人)にオッサン13人(11人)
・女性50人(2人)にオッサン18人(12人)
・女性50人(2人)にオッサン47人(18人)
・女性75人(3人)にオッサン22人(17人)

—-

他の点でイジワルなことを言えば、

20~40歳代の男女比も不明
ネタがお弁当のメニューだけに、女性のほうが知っていそうだが、2~12歳の子を持つ20~40歳代の男女95人について、男女比が不明。もしかしたら、男がめちゃくちゃ多いのではないか?

・子供の年齢の定義
そもそもここで、どうして子供の年齢が2~12歳限定なのか。2歳未満では皮付きリンゴ食べられなくて、親も作り方を知らなくてよいという考え方はある。しかし12歳より上を除外する必要が無い。記事中に「子育て真っ最中~」と書いてあるのが根拠かもしれないが、それだと今度は子育てが終わった50~60歳代と比較するのはいいのか、という疑問が浮上する。

・独身者の扱い
子供いない20~40歳代はどこへ行ったのか。また直前の指摘と重なるが、50~60歳代の子供の有無を問うていないのが非常に気になる。

・10代男女の扱い
記事の最初のほうで「全国の10~60歳代の男女400人」と書かれている。400人というと母集団が多くて数字に信用が置けそうだが、以下の文章に10代が全く出てこない。

また仮定の話ながら、34人中7人の20.6%と、95人中29人の30.5%は、単純に比較できない。

—————————————-

・・・と言いますか、

・年配と若い人で差がでるような分け方を、何とか探し出した結果が引用元の記事

という可能性を、わたくしは疑っているわけです。10代が全く出てこないとか、 20~40歳代は子供の有無で分けてるのに50~60歳代はその点不明だし、その子供の年齢も何故か限定してるし、そうかと思うと50~60歳代から女性だけ突然抜き出してみたり、不自然な点が多すぎる。そもそも20~40歳代と50~60歳代って、分け方が不均一なのはなぜだ。なんで30では区切らなかったんだ。

—-

小姑のようにもっとチクチクつつけば、

総務省の家計調査年報によると、リンゴの国民1人当たりの年間購入数量は、1986年の4・8キロ・グラムから2005年には4・0キロ・グラムに減少。

この期間の「出荷量」や「価格変動」も書かないとフェアじゃないですよね。売ってないものは買えないし、高くなったら買い控えるわけですから。たとえば出荷量が減少した結果、購入量もそれと同じ割合で減少している可能性もあるわけです。それになんでハンパに過去の2005年のデータを持ってくるのかとか、どうして比べる相手が1986年なのかとか・・・

・・・・・・

・・・

もうヤケクソで小姑ついでにリンクするのがこちら

・日本図表審査機構[JGRO]

いやー今日はわれながら「嫌な奴」だ。

——————–

そもそもの発端は、

同協議会は「若年層のリンゴ離れが『ウサギリンゴ』を知らない人の増加につながっている」と指摘する。

最後のこの一文にかもされる「最近の若いもんは」感が気に障っただけなんですけどね。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Goods工房.comをオススメする理由

無料サンプルのお申し込みはこちら

カテゴリ

アーカイブ

お電話でのお問い合わせ
090-7723-9053 / 営業時間 10:00~17:00
フォームでのお問い合わせはこちら

いいね!を押してお得な情報をゲット!Facebookページ