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坂本龍一さんに聞く ネット時代の音楽表現とは
2008.12.24|iwamura
ということでクリスマス・イブです。
「メリー・クリスマス ミスターローレンス」にて英国アカデミー賞作曲賞も受賞している坂本龍一教授の心に沁み入るコメントが届いたのでご紹介。
インターネットの普及、とりわけ近年の動画サイト人気は「音楽表現のありよう」を大きく変えつつある。ネット時代にどんな思いで創作しているのか。米ニューヨークで活動する作曲家の坂本龍一らに聞いた。
――ネットの普及で、音楽はどんな影響を受けたのでしょうか。
「複製と流通コストが下がったことで、1曲あたりの販売単価は下がった。簡単にコピーやダウン ロードをできるようになり、違法な複製も日常化した。音楽の経済的な価値は限りなくゼロに近づいてしまった。」
――ネットに期待をしてきた?
「ネットは一種の民主化を起こした。それはよいことだと思っています。ネットの登場で、質を劣化させずに、大量複製ができるようになった。誰でも曲を発 表し流通させることができる。プロとアマチュアの境目はなくなりつつある。」
「『著作権』以前の時代に戻った感じだ。考えてみれば、著作権という制度で音楽が守られていたのはたかだか100年余りの話。著作権は作り手を守 るための権利として生まれたと思っていたが、おおもとは、出版・印刷業者を保護する制度だった。」
――ネット時代に、どんな思いで創作をしていますか。
「ネットでは圧倒的多数に視聴され話題にされないといけない。ネットのおかげで、ぼくはたくさんの人に聞いてもらうことが音楽を作る動機にならないことが逆に分かった。アマチュア時代に戻ったような新鮮な 感覚だ。顔の見えない、何をおもしろがるのか分からない大量のユーザーのために音楽を作る必要性を感じない。作りたい音楽があるからやっている。結局はぼく自身の体にしかよりどころはない。自分の耳がどんなメロディーを聴きたいか。それを突き詰めていく」
(ニューヨーク=赤田康和)
※asahi.comより抜粋(部分略)
「経済」の観点ではなく、「アーティスト」の観点からのご意見でした。
言葉もありません。
☆「ワーナーミュージックがYouTubeと提携解消、数十万件の動画を削除へ」
というニュースを見た直後だっただけに、静かに考えてしまいました。
ただ、経済(お金)と、純粋なる「音楽」の融合点を探っていくのが、商業としてイベントや音楽に携わる弊社のような会社の役割だと考えています。
ネットの普及には、教授が言うように「民主化」という利点以外に、「グローバリズム」というさらに大きな利点がある。
これは、お金から見てもそうだが、「音楽」「アーティスト」から見ても、魅力的なもののはずだ。
世界には、地球上には、1億の80倍、80億の人間が音楽を待っているのです。
ジョンの歌ったimagine no countryの世界は、もう始まっているのです。
音楽が好きな人、そして、それに携わる全ての人が幸せになれる仕組みづくり。急務です。
そして
「I hope someday you’ll join us and the world will be as one.」
はこちらですね。
理想を捨てたら、人間は人間でなくなってしまうと、ぼくは思っています。
みなさんよいクリスマス・イブを☆