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岡田武史氏が語る、日本代表監督の仕事とは
2010.06.29|iwamura
早稲田大学は12月11日、ICC(早稲田大学国際コミュニティセンター)開設3周年記念「働く杯」を開催、特別講演でサッカー日本代表監督の岡田武史氏が自らの仕事に対する姿勢を語った。
パラグアイ戦の本日。
「結果を出す男」岡田監督の講演内容過去記事を発見!
熱すぎるので抜粋多くなりますが、これは一見の価値あり!
(監督を)辞めてちょっと休んだ後、「指導者としての自分の限界を破りたい」と思って滅茶苦茶勉強しました。「自分が指導者としての殻を破るための“秘密の鍵”があるはずだ。それが何なのか見つけたい」と思って勉強したのですが、この秘密の鍵は見つからなかった。
僕は「また同じことをやるのはもういい。この秘密の鍵が見つかるまで、俺は絶対現場に戻らない」と思っていて、事実Jリーグのチームからいくつかお話を全部お断りしていました。そんな時(2007年11月16日)、前日本代表監督のイビチャ・オシムさんが倒れられたんです。
そして日本サッカー協会の人が来て、「本当に大変な仕事だということは分かっています。でも、ぜひやってください」と言われました。
僕はW杯予選の難しさや怖さを知っていたのですが、俺はもう自分のやり方でやるしかない。秘密の鍵もくそもない。誰がどう言おうが今の俺にできること以外できねえんだから、俺のやり方でやるしかねえんだ」と開き直った。
「開き直り」という表現は悪いかもしれないですが、これはある意味どんな仕事でもトップやリーダーになったら、一番大事な要素かもしれないですね。「監督の仕事って何だ?」といったら1つだけなんです。「決断する」ということなんです。
じゃあ「どうやって決断するか」といったら“勘”なんですよ。「こいつ(を使うん)だ」と。
「秘密の鍵」が見つからないまま、開き直りで「決断」をした岡田監督。
そしてその決断は「勘」によるものだという。。。
「勘」という言葉を使われていますが、これは「自分を信じる意思」のことでしょうね。
さて、それではそのインスピレーションはどういう状態で正確に発動されるかというと、、、
全部勘が当たる確率を高くする方法があるんです。それは何かというと、「決断をする時に、完全に素の自分になれるかどうか」ということです。「こんなことをやったら、あいつふてくされるかな」「こんなことやったら、また叩かれるかな」、そんな余計なことを考えていたら大体勘は当たりません。本当に開き直って素の自分になって決断できるかどうか、これがポイントなんです。
その時に例えば、私心で「俺がこう思われたいから」「俺がこうなりたいから」と思って、選手を外したとしますよね。これは一生うらみをかいますよ。ところが自分自身のためではなく、「チームが勝つために」という純粋にそれだけでした決断というのは、いつかは伝わるんです。
「素の自分」=「自分の利益なんて捨てて、目標の為に決断できるかどうか」。リーダーの条件。まさに彼の姿勢である「滅私奉公」的姿勢が垣間見えます。
それでは、彼はどのようにしてその境地を得たか。
経営者でも「倒産や投獄、闘病や戦争を経験した経営者は強い」とよく言われるのですが、どん底に行った時に人間というのは「ポーンとスイッチが入る」という言い方をします。これを(生物学者の)村上和雄先生なんかは「遺伝子にスイッチが入る」とよく言います。
僕は1997年のフランスW杯予選の時にスイッチが入りました。
スタジアムでイスを投げられたりして、(国立競技場の警備をしていた)四谷警察署の人から「危険ですから裏から逃げてください」と言われて、それは悔しかったですよ。
僕はあの時も急に監督になったので、有名になると思っていなかったから電話帳に(住所や電話番号を)載せていたんです。脅迫状や脅迫電話が止まらなかったですよ。
そんな中、最後にマレーシアのジョホールバルというところで、イランとの最終決戦がありました。僕はジョホールバルから家内に電話して、「もしイランに勝てなかったら、俺たちは日本に住めないと思う」と言いました。
ところが、その電話をしてちょっとすると、何かポーンと吹っ切れたんです。「ちょっと待てよ。日本のサッカーの将来が俺の肩にかかっているって、俺1人でそんなもの背負えるかい。俺は今の俺にできるベストを死ぬ気でやる、すべてを出す。でも、それ以外はできない。それでダメなら俺のせいちゃうなこれは。絶対俺のせいちゃう。」と完全に開き直ってしまった。
そうしたら、怖いものは何もなくなった。要するにそうやって人間が本当に苦しい時に、簡単に逃げたりあきらめたりしなかったら、遺伝子にスイッチが入ってくるということです。
※ビジネスメディア「誠」より抜粋(部分略)
スイッチの入った岡田監督。開き直り=覚悟。
どん底⇒覚悟の全力⇒自分なんてどうでもいい⇒チーム目標の達成。
彼の強さは、彼が「諦めなかった経験」に寄るものであることが語られています。
講演内容にはまだまだ続きがあって、とても興味深いし熱い。
秘密の鍵は教えてあげないよ!と、彼は結んでいますが、最近、エラい人と会う機会が増え、ROCKET社長も自分なりに彼らのコメントを咀嚼する毎日なのであるが、彼らが一様に繰り返すのは、「苦しくても目標があるなら、諦めず立ち向かえ」という共通項。
もちろん方法論はいろいろあるのでしょうが、全力で立ち向かった経験なしに人間は強くなれないし、結果も出せない。そういうことなのだと思います。
応援しているぞ!
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