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12人の子どもが甲状腺がんの診断、別途15人が疑い~がん発見率は定説の85~170倍@福島県~
2013.06.11|iwamura
「奇跡のリンゴ」が気になります。
個人的には、見た目が綺麗な野菜しかお買い求めにならない都会のお客様のお気持ちも解りますし、農業は非常に重労働なお仕事であるので、農薬や肥料による農家のみなさんの作業効率化について、ある程度はやむを得ない、という立場をとるものです。
翻って、「農薬と放射能はどっちが害があるのか」とか、「放射能を気にする精神的被害と、本当の放射能の害はどっちが悪か」等、考えてしまうのですが、興味深い検査結果が出てしまったのでこちらの記事をご紹介。
12人の子どもが甲状腺がんの診断、別途15人が疑い
2011年3月の原発事故時に0~18歳だった子どもを対象に実施されている福島県による甲状腺検査で、これまでに12人が甲状腺がんと診断された。12人とは別に、甲状腺がんの疑いのある子どもも、15人にのぼっている。
これは、6月5日に福島県が開催した「県民健康管理調査検討委員会」(星北斗座長)で報告された。
甲状腺検査の責任者を務める福島県立医科大学の鈴木眞一教授は昨年の『週刊東洋経済2012年6月30日号』インタビューで、「通常、小児甲状腺がんが見つかるのは100万人に1~2人程度。1986年のチェルノブイリ原発事故で小児甲状腺がんが多く見つかったのは被曝の4~5年後からで、発症までに一定のタイムラグがある」と語っていた。
※東洋経済さんより
端的に申し上げると、「チェルノブイリの時よりも早く、多く、福島県において子どもの甲状腺がんが確認されてしまった」というニュースですね。
これは、やれ日々の福島県さんによる放射線量のカウントだとか、チェルノブイリ(ウクライナ)におけるセシウム137(半減期30年)の飛散マップ等を見て怖がっている疑心暗鬼の世界ではなく、リアルにがんが出てしまったというゆゆしき事態であるわけです。
通常、100万人に1人~2人といわれる数値であるのに、4万人で11人(あるいは26人)という数字は、多いと言わざるを得ない。
先だって、自殺した福島の農家さんと東電が和解した、というニュースが入ってきました。
「福島の農家は終わりだ」
と、自殺したかたはおっしゃられていたそうです。
例えば、25年5月14日現在の世界各国における輸入禁止品目リストは農水省からもPDFで出されているので、確認してみるのもよいでしょう。
青森のリンゴはセーフですが、福島の食品はほぼアウトですね。
福島どころか、関東一円の輸入食品を禁止、あるいは停止している国々の多いことに、あまり変化は見られません。
風評被害や差別は致し方ないというか、ある程度の覚悟を持って推し進めた原発であり、我が国のエネルギー政策であったはずです。
原子力は、資源の乏しい日本にとって、効率的かつ、「クリーン」「安全」であるはずだった。
ただ、こうなってしまうと、リアルに健康被害という意味で、金や風評、差別やイメージダウンなんかよりも、よっぽど深刻です。
無農薬のリンゴもいいが、原発の無い日本、というか、原発の無い世界、っていうのも、本当は大事なんだと思う。
非効率に見えて、実は超長期的に人類にとってメリットある選択を、我々は子子孫孫のために、行っていく必要がある気がいたします。