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【Imagine no border】~「夏の甲子園」と「イチロー選手」と「イプシロン」と~
2013.08.27|iwamura
「白球が ミットに消えて 夏 終わる」
ということで、今年の夏も甲子園は熱かったんですが、後味の悪いニュースもございましたね。
【カット打法】「一番悔しい試合です」
無安打に終わった花巻東の千葉は「野球人生の中で一番悔しい試合です」と泣き崩れた。身長156センチの2番打者。準々決勝までのファウルで粘る打法ではなく、早いカウントから打って出た。流石部長は「準々決勝の後に審判の方から、千葉の打法はバントと判断されることもある、と説明された」と打ち明けた。
これは実はカナリ微妙な「事件」であると思います。
ナイナイの岡村さんも参戦とか。
サワヤカな野球少年たちを取り巻く「サワヤカでない大人たち」のイヤ汁が久々に垣間見えてしまった事件でした。
それでは法律の観点から当問題を洗い出してみましょう。
【千葉君の打撃を擁護する野球素人だけど法律家の意見】
規則の確認
件の規則は、高野連のホームページにちゃんと掲載されている。
17.バントの定義
バントとは、バットをスイングしないで、内野をゆるく転がるように意識的にミートした打球である。自分の好む投球を待つために、打者が意識的にファウルにするような、いわゆる“カット打法”は、そのときの打者の動作(バットをスイングしたか否か)により、審判員がバントと判断する場合もある。
(規則6.05(d))
法律家なので、法律の要件事実的にバントの要件を確認すると
(1)バットをスイングしない
(2)内野を緩く転がるように意図的にミートした打球
(3)そのときの打者の動作(バットをスイングしたか否か)
であり、バットのスイングの有無であることが分かる。
裏を返せば、自分の好む投球を待つために意図的にファウルする場合でも、バットをスイングしていれば許容される(ファール性の当たりでスリーストライク取られない)のが、高野連のルールなのである。
千葉君の打法の確認
早速、千葉君の打撃を見てみる。
これは素人の筆者が見てもバットをスイングしているように見える。そして、千葉君の個人成績が公式に開示されていないので、2ch情報に頼るが、鳴門戦が終わった段階で以下のようになっている。
遊安 四球 遊ゴ 左安 左安
二安 三振 三ゴ 右3 中安
四球 中安 四球 四球 四球
打率.700 出塁率.800
「痛いニュース」より
2ch情報が信用できる前提に立てば、立派な成績だ。カットでファールにする「だけ」が能の選手でないことが分かる。
ルール上は、千葉君の打撃は「シロ」としか言いようが無いのではないか。
不可解な“大人の事情”
これに対して、大会本部、審判部は、卑怯な作戦に出た。
実は19日の準々決勝の後、大会本部と審判部からカット打法について花巻東サイドに通達があった。「高校野球特別規則に『バントの定義』という項目があります。ご理解ください」。
この通達により、千葉はカット打法を封印せざるをえなくなった。
日刊スポーツ「花巻東・千葉 カット打法できず号泣敗退」
主催者、審判がすべきなのは、ルールに従って試合中に千葉君の打法を審判することであり、「理解」という名前で圧力をかけ、打法を封印させることではない。これは実に卑怯なやり方だ。もっと穿った見方をすれば、「ルール上はバントにならないが高校生らしくない」という意図が裏にあるようにも思える。
監督は己を貫徹し、千葉君を守るべきだった
そして、次に批判されるべきなのは、花巻東の監督だろう。監督は、主催者側のルール外の「理解」に屈し、千葉君が(恐らく、監督の指示で、血のにじむ努力をして)積み上げてきた打法を一瞬で無にした。これは、地方大会や本大会で花巻東に破れたチームに対する背信行為でもある。監督は自分の筋を通せなかった責任があり、それらのチームや千葉君に土下座して謝るべきだろう。
この一件から見えるもの
鈴木大地のバサロスタート、スキー・ノルディック複合の活躍など、日本のアスリートが新技術で頂点を極めると、不利益なルール変更がされてきたことを何度か見ている。しかし、所定の手続でルールを変更するのはダメとは言えないし、「卑怯」な作戦を禁止するのに最低限必要なことだろう。しかし、大会の主催者はそれをせず、ルール外の圧力で千葉君を禁圧した。ルールの運用に責任を持つ側がルールによらないのは、結局、主催者が「ルールブックではなく、オレがルール」と言っているようなものだ。
実は、こういう様は、高校野球に関わらず、日本社会でよく見られるように思える。これこそ、この件から垣間見える問題の本質のような気がしてならない。
千葉君の打撃を擁護する野球素人だけど法律家の意見: ナベテル業務日誌
引用長くなりましたが、そーゆーことですね。
若者の新しい観点からの努力を旧態依然とした老害が摘む。
「出る杭は打ちますよ」「長いモノには巻かれろですよ」
という、でました!日本の伝統芸能!といった一件でございます。
対して、野球界では金字塔も打ち立てられました。
そうです、我らがイチロー選手の4000本安打です。
日米通算4000本安打達成のイチローが会見(全文掲載)/一問一答 (MLB.jp(GyaO!)) – Yahoo!ニュース
これやっぱカッコいいですよ。
日本の誇る技術、テクニックを携え、海を渡って日本古来のサムライ打法で勝負するニュータイプアスリートがイチロー選手なわけです。
彼の渡米には、その結果から鑑みるに、狙った通りの意図、目標、夢があったということと共に、それが日本では達成されえない夢であったのかもしれない、というイチマツの寂しさも漂うような気がいたします。
そしてここで、イチロー選手の小学生時代の作文を再度チェックしてみましょう。
イチローの作文がスゴい件。 | Pocketworks : Idea Portal
彼の夢は、彼が実力で乗り越えてしまった、といった様相となっております。
そしてその夢の達成された場所は、日本古来の伝統芸能「島国根性」の舞台ではなかった。
今我々はここを考察するべきです。
優れた人材は、つまらない島国根性の制約を無視して、海外をその活躍のフィールドとして選びます。
それが良い悪いではなくて、それこそがImagine no borderであり、件の千葉くんにも、大海原に漕ぎ出して頂き、世界を舞台に闘ってもらいたいものだと願います。
がんばってほしいです千葉くん。その涙と共に。
二度とない夏の感動を、ありがとうございました。
【特報】
本日13時45分、予定通りに行けば、日本初の30億円(従来の1/3のコスト)ロケット、「イプシロン」の打ち上げが実施されます!
世界を舞台に、日本の技術が勝負をかけます!
千葉くんにも、そして毎日当ブログへ遊びに来ていただく皆様にも、その成功を祈ってもらいたいと願います!
国境を越えてゆけ!イプシロンロケット!
【新型ロケット】イプシロン「メンバー一丸、成功間違いなし」 27日打ち上げ – MSN産経ニュース
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