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空気中から水を作る☆
2013.09.06|shiozawa
ジメジメした日本の夏。
当然、ジメジメするということは湿度が高いということ。
そして、空気中に多くの水分を含んでいるということですね。
エアコンの冷房をつけると当然のように室外機のホースから水がちょろちょろと流れます。
つまり電気で水を作る事(空気中から得る)ができるわけですが
もっと乾燥した水が不足した地域でよりたくさんの水分を空気中から取り出すことができたら、世界中の水不足が解決するのではないでしょうか。
ということで今日は“空気中から水を作る”をテーマにたテクノロジーネタでまとめてみたいと思います。
■空気中の水分を飲み水に変えるシステム:MITが開発 <2013/9/4>
空気中の水分を飲み水に変える高効率なシステムが開発された。
雨はほとんどないが海からの濃霧が発生するチリの地方で大型施設をつくれば、そこに住む人々の需要を満たせると計算されている。
マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが、チリの研究者の協力を得て、空気中の水分を集めて飲み水に変えるシステムを開発した。
このシステムは、従来の同様のシステムと比べて最大で5倍効率がいい。
空気中の水分を集めて水に変える技術は、新しいものではない。
17カ国以上ですでに、飲み水を空気から作り出すのに利用されている。
こうしたシステムは、通常、テニス用の大型ネットに少し似た網(ポリオレフィン製の不織布でできた網)を使用する。
世界で最も乾燥した地域で空気中の水分を集めて生き延びている特殊な植物や昆虫からヒントを得た技術だ
引用:WIRED.JP
通常より5倍も効率がいいということで砂漠地帯でも水が取れるとはかなり期待ができます。
そんな技術にヒントを与えてくれたのは虫です。
ナミブ砂漠の甲虫のようです。
この甲虫は、年間降水量がわずか1.3cmというナミブ砂漠だけに生息しているが、硬い羽(鞘翅)の表面で、海風から水を集めて生き延びている。
鞘翅の表面は微小な凹凸で覆われていて、その頂点部分が水を引きつけ(親水性)、横の部分が水をはじく(疎水性)。
海風が吹いてくる方向に向かって羽を広げて湿った空気を受けることにより、最終的には直径15~20ミクロンの小さな水滴が背中に溜まり、口に向かって流れ込む仕組みになっている。
生物を模倣することで生み出された技術は意外に多いようです。
また、全く異なった視点から開発された技術はこちら。
■空気から水を抽出。電源は風力から
フランスのEole Water社では、空気中の水蒸気を凝縮して飲料水を作る装置を開発。
現在UAEのアブダビ市郊外、ムサファ地区でテスト中だ。
Eole WaterのMarc Parent氏が空気中の水蒸気から飲料水を作ることを考案したのは、およそ15年前。
エアコンの排水に発想を得たものだという。
Parent氏は研究を重ね、風力発電装置に組み込むことで外部電源を必要としない「WMS1000 wind turbine」を開発した。稼動に必要な風速は最低7m/s。
ムサファでは1日に最大800リットルの飲料水を生産できているという。
集められた水は紫外線処理を含む5段階の処理を経ることにより、WHOの飲料水水質ガイドラインをクリアしているとのことだ。引用:eole water
こちらの技術こそ冒頭のエアコンの排水をヒントにした技術。
今回紹介した技術はどちらも、基礎の部分はすごく単純なものです。
それを日々、磨き上げる事で新しい可能性を生み出しているのかと思います。
世界の特に発展途上国で発生している水不足問題。
水の豊富な日本ではなじみの薄く、実感する事がほとんどない問題です。
中央、東南アジアと特にアフリカで水不足が顕著なのがわかります。
また、人口にして約9億人つまりは世界の7人に1人は安全な水を手にする事が出来ていないとのことです。
さらにはこれからも人口はどんどん増えていき、それに伴い必要とされる水も比例して増えていくと考えられます。
現に世界各国で水不足が発生しております。
ところが、地球にある水、はたまた大地に降り注ぐ水の量は変わりません。
限りあるパイの中から水を作り出すにはやっぱり人間の知恵が必要です。
人間の知恵である最新技術を駆使して、今までには手に入れられなかった環境から水を獲得する技術がいっそう必要になります。
どんな水の少ない環境でも空気はあります。
空気から水が取り出せてかつ安価でできるようになることで貧しい人にも手に届くものになるはずです。
そんな最終終着駅まで早くたどり着くことを願っております。
ありがとうございます。