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『アンパンマン』のやなせたかし先生の、アンパンマンな仕事ぶりに賛否両論
2013.10.23|iwamura
こんにちは、nakanoです。
先日、お亡くなりになったやなせたかし先生、
「アンパンマン」などで知られる漫画家、やなせたかし(本名=柳瀬嵩)さんが13日、心不全のため死去した。94歳。葬儀・告別式は近親者のみで執り行った。後日、しのぶ会を開く予定。
大正8年生まれ、高知県で育つ。東京高等工芸学校(現千葉大工学部)図案科を卒業後、グラフィックデザイナーとして、田辺製薬(現田辺三菱製薬)、三越百貨店(現三越伊勢丹)などに勤務。三越の包装紙にある「Mitsukoshi」の文字は当時、やなせさんが描いた。
昭和28年に独立し、漫画家デビュー。ラジオドラマの脚本や詩、童話なども手掛け、多彩な才能を発揮。36年に作詞した「手のひらを太陽に」(いずみたく作曲)は大ヒットした。48年には雑誌「詩とメルヘン」を自らが中心となって創刊。詩にイラストを添えて載せた形式が評判を呼んだ。雑誌は平成15年の廃刊まで30年間にわたって刊行され、多くのイラストレーターを輩出した。
※MSN産経ニュース様より
代表作『アンパンマン』で有名な漫画家やなせたかし先生ですが、
『手のひらを太陽に』のような有名な曲の作詞や、雑誌・絵本の挿絵、
脚本なども手がける幅広いお仕事をされていらっしゃいました。
※アンパンマンチャンネル様より
小さい子供から大人まで誰もが知っている『アンパンマン』は、
当初、「自分の顔を食べさせて他人を救うキャラクターなんか、子供には受け入れられない」と、
周囲からの批判が強く、またそれを受け入れられない大人が多く、
そんな中での、大ヒット、アニメ化、そして国民的アニメ、はたまた海外での人気、
子供は素直だな…と思わされるエピソードです。
※Amazon様より
また、主題歌の作詞もされており、
『なんのためにうまれて なんのために生きるのか』の歌詞が、
子供向けとは思えない真意に迫った内容だと、波紋を呼ぶ中、
この歌、子供に大人気なのは勿論、
東日本大震災発生後には、各地のラジオ曲で流され、
2011年3月28日付のBillboard Japan Hot Top Airplayでは9位、
Hot 100では16位にランクインされていたという、
大人へも強く訴え掛ける曲なんですね。
そんな哲学的な独自の世界観で『アンパンマン』を作られたやなせたかし先生ですが、
今月13日に心不全でお亡くなりになった後、
今までの仕事ぶりがネットで話題を呼んでおります。
漫画家の吉田戦車さん(50)が、94歳で亡くなったやなせたかしさんの仕事ぶりについて、ツイッターで地方自治体などにかみついた。やなせさんは晩年、キャラクターデザインを無償で引き受けていて、「タダ働き」に甘えてきた多くの自治体や組織は「恥じろ」と書いたため、ネットで賛否の議論に発展している。
やなせさんは高知県などにキャラクターを計200以上も提供してきたとされるが、その多くは無償だったという。
※なんでも速報様より
※コミックナタリー様より
『伝染るんです』などシュールなギャグ漫画でおなじみの漫画家・吉田戦車先生、
私も尊敬しているコピーライターの糸井重里氏との対談から火がつき、
SNS上に書かれた吉田先生の発言が物議を醸し出しています。
やなせ氏は「俺は巨匠にならないと決めたんだから、くだらない仕事であろうと
やらなくちゃいけない」とフォローし、笑い話のように語ってはいるが、
「原稿料なしなの。つまりですね、すごく軽く見られてるんだよ」と衝撃的な事実を明かしている。吉田氏は17日、「ボランティアが適切である場合は、もちろん除いて」と補足しつつも、
「あの人の『タダ働き』に甘えてきた多くの自治体とか組織は恥じろ、と思いますね」
と痛烈に批判。無料で仕事を引き受け続けたやなせ氏も良くなかったと言えば
良くなかったかもしれないが、「そこに甘えて描かせたほうの気軽さはちょっといやだ」と語り、
「そこに作品に対する敬意はあるのか?ってことですよな」と怒りをあらわにした。※さびぬいたNEWS様より
ただ、ネット上では、
『自分が思った事を代弁させて汚い』
『自分は有償でしか仕事をしないという事なのか?』
と、吉田先生への批判も多く、複雑な問題のようにも感じます。
しかし、多くの方が今回の件で思うのが、
『ベテランのプロが、タダで仕事を引き受けるのはタブー』
という事。
有名パティシエがタダでケーキを売り始めたら、街のケーキ屋さんはみんな潰れてしまう…という、
善意が周囲に迷惑をかけている…という本末転倒な話。
オリンピック選手が、子供に無償でスポーツを教えるように、
善意として見られる場合と、
迷惑だと見られる場合と、
立場や環境によって、その捉え方もバラバラですね。
※アンパンマンチャンネル様より
生涯、病気と闘い、
無償で身を削って作品を描き続けたやなせ先生こそが、
まさにアンパンマン…なんだと。
心よりご冥福をお祈りいたします。