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men’s egg休刊、ギャル男は絶滅したのか?
2013.11.11|☆KAYA☆
月曜日は☆KAYA☆です。
先日発売された11月号を持って、メンズファッション誌men’s eggが休刊した。
一世を風靡したギャル男の唯一のバイブル誌だった同誌が休刊した事に付いて
各方面から色々な見方をする大人達がいた。
結局のところその多くが、ギャル・ギャル男文化の進化と敗退についてだ。
1990年代から渋谷を中心に女性のファッションが進化して行き、
アムラーなどの言葉とともにギャルファッションが発展してきました。
その後髪の色もかなり明るくなり、メイクも濃いギャル像が
出来上がって行きました。
ギャルよりも更に過激な物が誕生し、ヤマンバと呼ばれる
女の子達が渋谷に溢れました。雑誌eggの全盛期がこの頃でしょう。
しかしその後「白ギャル」と呼ばれる新しいスタイルが流行ります。
今までのガングロにNOといい、色白だけどメイク濃いめ、
髪色は白メッシュを卒業してミルクティや金髪が中心です。
それと平行してギャルは姫系や雑誌「小悪魔ageha」系に派生します。
最近では更にメイクがナチュラルになり、
渋谷のギャルもかなりおとなしく、可愛さを増しました。
このように時代に合わせ進化を遂げたギャルと言う生命体。
しかしギャル男は他ジャンルに派生し、次第にその勢力を失って行きました。
その理由を以下のように解く人もいます。
■ギャル男文化が衰退した理由
1.渋谷のカルチャーが規制され街がクリーンになった
以前は「デリッカー(サイケデリック+ヒッピー)」や「センターGUY」など 街から生まれたスタイルがありました。メンモ(メンズエッグモデル)で 1、2位を争うほど知名度の高い梅しゃんこと梅田直樹さんはセンターGUY出身です。 規制以降ギャル男史に残るようなスタイルやモデルは登場しておらず、 「白川の清きに魚のすみかねて」状態に。
2.無難が一番という時代になった
「既成の概念をぶち破って目立つ」のがギャル男の本質。そのあたりの価値観は 『ギャルとギャル男の文化人類学』が詳しいです。 ギラギラしている肉食男子から大人しい草食男子へと時代が移ったのもギャル男には厳しい流れだったのでしょう。 自由でパワフルな昭和のノリがなくなったとメンモは指摘しています。
3.ネットの影響
ブログもSNSも携帯の写メすらない時代だったので、men’s eggは情報発信源でありコミュニティとしても機能していました。その役割がネットに移ったことでmen’s eggの求心力が低下。ギャル男のファッションや価値観も多様化していきました。
4.読モブームが起こった
昔のmen’s eggはモデル一個人からトレンドが発信され大人たちの手は入っていませんでしたが、読モがお金になるとわかると大人の都合が顕著に。これによりメンモのカリスマ性が失われました。
5.男の憧れではなくなった
モデルはキャラ重視から見た目重視に。メンモのファンに女性が増えmen’s eggがアイドル雑誌化。それに伴いファッションも小奇麗に(フェミニン化)なり、ギャル男と一般人の見分けが困難に。
一般誌の見解では1~3が多いと思うのですが、「男の憧れではなくなった」というのも見逃せない点だと思います。その点を踏まえ、少しギャル男ファッションについて振り返りながら今の現状を見てます。(Elastic)
女性ファッションは「モテ」を意識しつつも、結局のところ
自己満足で始まり自己満足で終わると思うのですが、
対する男性ファッションは大半が「モテ」を中心に
スタイル形成されているのではないかと思います。
それを証拠にFINE BOYSなど男子高校生や男子大学生の
”ファッション目覚め始めボーイ”たちが読む雑誌には、モテhow to系の
事細かに解説された企画が毎号目立ちます。
よって、ギャル男は女子からの需要が亡くなったと言っても良いでしょう。
ではそもそもギャル男の紀元は何なのか?
ギャル男のファッションはコギャルというLAサーフファッションの男性版、 イメージは「ビーチボーイズ」の反町隆史さんや90年代のキムタクなので、 当然ギャル男もサーフ系を軸としたアメカジがメインです(そのなれの果てがセンターGUY)。 ブランド品で大人っぽく着飾るV男のDNAはお兄系(2004年に誕生)に受け継がれ、 不良要素はバイカーやロック系ファッションとして取り入れられました(2006~2007年くらいに雑誌SENSEと近似化。 ブランドもいくつか被った)。
他にもギャル男のファッションはデリッカー、裏渋系、ACID ROCK、ブラカジ・ブラ男(これはメンズナックルですが)などいろいろとありますが、 このアメカジ、お兄系、アウトロー系の3つがギャル男ファッションの基本です。 それが今はこうなりました。(Elastic)
こうして見ると、ギャル男文化は2000年代前半はmen’s eggが作ってきましたが、 それ以降のムーブメントはMEN’S KNUCKLEがその中心にいます。 「ガイアが俺にもっと輝けと囁いている」と度々話題になるキャッチコピーもMEN’S KNUCKLE。 ニコニコ動画とコラボレーション(メンナクちゃんねる)したのもMEN’S KNUCKLE。 「ピカるの定理」から生まれた徳井さんの「どうするぅ」のキャラもMEN’S KNUCKLEです。
そのMEN’S KNUCKLEのスタイルは「お兄系+アウトロー系」というテイストであり(モデルはホスト)、 一貫して「伊達ワルGUY」、ギャル用語でいうところのいわゆる「強め」スタイルです。 これが人気ということは、やはり「男臭さ」や「男の憧れ」、 その「男のロマン」的な熱い何かがギャル男文化を作るということなのでしょう。
MEN’S KNUCKLEはこの12月号で10周年を迎えました。幅広いスタイルを提案し「男の憧れ」が失われていったmen’s eggに対し、とことん「男臭さ」と「激モテ(ちゃらさ)」というギャル男の原点と向き合ってきたMEN’S KNUCKLE。これからのギャル男の舵を取るのはメンナクです。漆黒に選ばれし男たちの体制への逆襲が始まるのです。(Elastic)
ギャル男という言葉自体は既に過去の物になってしまいましたが、
メンズナックルに登場する男の子や、EXILEに憧れているのであろう
と見て取れる男性を見るに、その本質は確実に受け継がれていると思われます。
上記でもあるように、草食男子が増えていますが、
ギラついているギャル男精神を持った男性は、まだまだいるようです。