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google glassで逮捕者発生の巻
2014.01.28|iwamura
密かに欲しいなと思っていたgoogle glassでございますが、ついにメリケンでは逮捕者が出てしまった模様です。
映画の盗撮はわれわれが非常に深刻にとらえている問題であり、当社系列の映画館管理人は、上映中のコンテンツを違法に録画している可能性がある人物がいると疑われる場合はいつでも、米国映画協会(MPAA)に通報することになっている。われわれはテクノロジや技術革新に対する圧倒的な支持者であるが、映像の録画機能を持つデバイスを身に着けることは、映画館ではふさわしくない。
※映画館で「Google Glass」着用の男性、取り調べを受ける羽目に(CNET Japan 2014/1/22)
上記のgoogle glassさんのウェブサイトトップ画像は驚愕なんですけれども、ゴルフ中につけるとピンの距離、コースデータとスコアがglass上に映し出されるというまさにサイバーゴルフと相成るわけであり、本来は映画館等でも、「言語がそのまま翻訳されてglass上に日本語で表示される!(イヤホンで翻訳が聞ける!)」といったところまで近そうだと思うのだが、やはりカメラであることを考えると、No more映画泥棒という扱いになってしまうのでしょう。
「google glassに模造刀並の法規制を!」とおっしゃる大学の先生もいらしたりして、テクノロジーに法規制が追いつかないというこの素晴らしさはどうでしょう。
映画館で(映画の無断撮影の容疑で)逮捕されたりしたケースが報告されています。日本でも同じようなことが起こるのではないかと思いますが、社会的により深刻な問題になるのは、Google Glassを装着して通行中の人たちを網羅的に撮影したり、会話を録音したりすることです。
私たちは外を歩くときは顔を隠さずに歩いていますが、撮影されることに同意しているわけではありません。また、Google Glassに顔認証技術を組み合わせ、ネットにアップされている顔写真などと自動照合することによって、向こうから歩いてくる見ず知らずの人が、どこの、だれだか、時には犯罪歴(!)までもが瞬時に分かる仕組みもすでに実用化されています。
公共の場で個人的に使用されるGoogle Glassは、まさにプライバシーを侵害する「動く監視カメラ」となるのです。
- 「Google Glass」はプライバシー侵害? 米シアトルの飲食店が店内での使用を禁止
- 運転中の「Google Glass」装着を禁止に、ウェストバージニア州で法改正案
- Google Glassで目の前の人を自動で顔認識しリアルタイムに情報が見える「NameTag」
※google glassに模造刀なみの法規制を(yahoo Japan 2014/1/27)
これってちゃんと読むと怖いですよね。
そうなんだよなぁ。顔認識とセットで考えるとリアルにバレバレですよね。
そして上記の理論から真っ向対立するご意見になってしまっているのがyahooさんの出されているコメントですね。
「いまさら、電気もガスもない生活に戻れますか? それと同じことです」(別所氏)――。日本のビッグデータ活用は、今、岐路に立っている。
出典:ハフィントンポスト 「日本がビッグデータ後進国になってもいいのか」ヤフーが警鐘を鳴らす理由(ハフィントンポスト 2014/1/22)
「日本のIT、完敗の恐れも」 ヤフー、「パーソナルデータ」活用規制に危機感(2014/1/21)
上記記事はいずれもヤフーが開催した記者説明会を取材したものですが、いずれも見出しからしてかなり過激というか思い切り煽る方向になっております。
※日本政府のパーソナルデータ取り扱い方針を巡りヤフージャパンが過激な主張をして炎上(yahoo Japan やまもといちろう「無縫地帯」 2014/1/27)
確かに「気持ち悪いからgoogle glassは使わない」「ビッグデータ使用なんてヤメテ」と言ってしまうと話はそこで終わってしまうわけで、ヤフーの別所さんのご意見に賛同するものです。
しかしながら、今回はヤフーさんの「プライバシーフリーク」といった言葉の使い方が差別的に間違っていた点と、
実は偉そうに意見展開しつつも、ヤフーさんご提供のアプリが意外にもプライバシーポリシーのリンクのあるものが10%程度だった、
という2点に原因は集約されているようであり、まあ簡単に言うと「口ばっかりじゃねえか」「お前がまずプライバシー守ればか」と言われてしまったという単なる炎上物件ではございます。
しかしながら機を同じくして発生している「google glass逮捕者発生問題」と「yahooプライバシーないがしろ発言問題」は「プライバシーの安全なる管理を誰に(どのように)信頼し任せるべきなのか」「そんなことができるのか」といったところで我々一般シチズンの意見は共通しているように思うのです。
たしかにもう電気やガスを使わない生活には戻れないわけで。
しかしながら、国家や企業を100%信頼できるわけでもなく、これはなかなかに趣深い時代に突入することになりそうです。
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