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マグロみたいなタービンで発電☆
2014.06.06|shiozawa
よく自然エネルギー発電に関するお話をちょくちょく書かせていただいてますが
初めて耳にする発電方式に関するネタです。
“水中浮遊式海流発電”
■日本にしかできないなんて何か特別感。「黒潮」を利用した発電方法とは
なるほど、これを利用することで欧米諸国にも勝つチャンスがあるのか。
日本は多くの島から形成される島国のため、広大な排他的経済水域を持っている、ということを聞いたことがある人も多いかもしれません。
排他的経済水域を簡単に説明すると、日本がこの水域内にある水産資源やエネルギーの調査や開発するための権利を持っている、ということです。
国にとって、この水域は広ければ広い方がいいので、排他的経済水域を巡った島の争いが起きているのも事実です。
それはさておき、
実は日本は世界第6位の排他的経済水域を持つ、海洋エネルギー資源大国なのですが、現在、東京大学とIHI、東芝、三井物産戦略研究所が共同で、日本の排他的経済水域を流れる「黒潮(日本海流)」を使った「水中浮遊式海流発電」の研究開発を進めているというのです。
<水中浮遊式海流発電システム(出典:株式会社IHI)>
<黒潮の流速分布例>
国土の狭い日本の陸地に、大規模な発電装置を設置することは現実的には困難です。
そこで陸地に代わるものとして、日本を取り囲む広大な海洋の利用が着目され、いろいろな実証実験がいま行われています。
その一環として、我が国固有の巨大海流である黒潮のエネルギーを利用しようというのが水中浮遊式海流発電です。
と語るのは、プロジェクトを主導する東京大学大学院新領域創成科学研究科の高木健教授。ではこの「水中浮遊式海流発電」とはいったいどんなものなのでしょうか。
引用:楽天ニュース
学校でも習った本州に沿って暖かい海水を運ぶ“黒潮”のエネルギーを使った発電方式。
そして、その海流によって発電するタービンがこちら。
<マグロタービン>
名前の通り、マグロのような形をしています。
これが海流に沿って海に並んで浮かんでいたら一層大きなマグロのようです。
また、将来的には1基当たり300kWまで上げたいそう。
1基いくらでしょうか。
1基あたり1、2億円で作れればかなり有望な感じがします。
■水中浮遊式海流発電
海流エネルギーは波力・風力などと較べると、変動の少ない安定したエネルギーですが、欧州等で実用化が進む潮流発電で想定されている流速に較べると低流速を想定しなければなりません。
また、黒潮流域では水深200m以上を想定しなければなりません。
このような条件の下で発電コスト20円/kWh以下を実現するために、東京大学、IHI、東芝、三井物産戦略研究所のコンソーシアムは、海底設置型や浮体式のように余計な支持構造物をともなわず、かつ設置やメンテナンスの容易な水中浮遊式海流エネルギー発電システムを提案し、発電性能や信頼性の向上、発電コストの低減等に資する要素技術の研究開発を実施しています。
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色々な黒潮特有の課題もあるようですが、非常に大きなポテンシャルを持っており、
一年中安定したエネルギーを発生するという点で、その他の自然エネルギーに比べるととても大きなアドバンテージを持っています。
また日本には広大な海洋国土があるわけで、使い方によっては巨大な可能性を秘めている一つの例です。
主観的な意見ですが、まだまだ自然エネルギー発電は従来の発電方式ほど効率的にも規模的にも成熟していないと思われます。
少しずつ長期的に自然エネルギーへとシフトしていく事こそ安定した経済を保つ秘訣だと思っています。
水中浮遊式海流発電も多くの難題をより解決し、腐らせずに従来の発電コストに追い付くだけの存在に育てばいいなと思います。
ありがとうございます。