Mykoちゃん、Cたん


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元気ですか、ありがとう、許して下さい。

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2014.08.09|iwamura

人間は自分よりもっと下の底辺を生きている人間を知ることで救われ、

頑張る勇気が出るものでございます。

 中学三年のとき両親が離婚しました。原因は私でした。

夫婦ゲンカをしているオヤジの胸元に、私が台所から包丁を持ち出して向けました。

が刺してやろう、などという度胸があってのことではありませんでした。

 毎晩のように繰りひろげられている夫婦ゲンカを、

いいかげん止めにしてもらいたいと思ってとったガキのパフォーマンスでした。

が思わぬ展開となりました。

 さっきまでオヤジに殴られてうずくまっていたオフクロが突然立ち上がり

「父ちゃんになにするんだ」とオヤジの前に両手を拡げて立ちふさがったのです。

そして、ウムを言わさす私の手から素早く包丁を奪い取りました。

 オヤジは何も云わず茫然として立ちつくしていました。

 翌日、オヤジの姿が家から消えました。そして

家に帰へってこなくなりました。

 一年後オヤジとオフクロは離婚しました。

 そして9年後、オヤジは死にました。癌でした。

オヤジが死ぬ十日前、病院に見舞いに行きました。

 目を閉じてガリガリにやせ、ベットの上に横たわっているオヤジの姿がありました。

介護の人に起こされ目を開きました。私の顔をジッと見ていました。

目から涙が一筋流れ出ました。そして涙がずーっと止まることなく流れ続けました。

 人間は信じられないほどの量の涙を流すとこを、その時初めて知りました。

 その夜、実家に帰へってオフクロに「オヤジはもうすぐ死ぬ」ことを告げました。

オフクロは表情を変えずに黙って聞いていました。

 深夜、目を覚ますと、横の布団で背をこちらに見せて寝ているオフクロの肩が

震えているのが見えました。低く鳴咽する声が聞こえていました・・・。

『オフクロはオヤジを愛していた・・・』

自分の犯した罪の深さを悟り、慄然としました。

 16年前会社を倒産させました。50億の借金を背負いました。

死のう、とは思いませんでした。50億ぐらいもう一度挑戦する機会があればなんとかなる、

とタカをくくっていました。

それまで年商100億円の会社を経営していた、という自信が私のやる気の源泉でした。

 しかし現実は厳しいものでした。

 昨日まで「監督が命です。一生ついて行きます」

といっていた誰れ彼れが全員いなくなりました。

日一日と追いこまれて行き、4、5年も経つと、

再起どころか日々の暮らしにも困窮し身動きが取れなくなりました。

 忘れられないことがあります。

 息子が幼稚園に通っていました。

朝、妻と一緒に幼稚園に息子を送っていこうとマンションの扉を開けたら、

そこに大家が突然現われました。

 「幼稚園に行かせる金があるなら家賃を払え」と怒鳴りました。

家賃を4ヶ月滞納していました。

 妻はその場に土下座をして「スミマセン、スミマセン」と謝りました。

泣いていました。

おびえて妻の背中に覆いかぶさった息子の指先が小きざみに震えていました。

 私は・・・ただ黙っているだけのクズでした。

 金融業者から住んでいたマンションの他の100戸余りのマンションの玄関の扉に

「村西、金返せ」

の張り紙を張られたことがあります。

 各室を訪ねて謝りながら、紙をはがして歩きました。ある部屋の住人から

「アンタ、日本から出ていきなよ」と言われました。

 また当時、週刊誌やマスコミで「借金王」と随分揶揄され、たたかれました。

街や電車の中で私と気ずいた人から、何度もさげすみの目を向けられました。

 歩いていたら「借金、借金」と声がします。

振り返ると、そこに数人の高校生がいました。高校生まで私のことを知っている、

複雑な気持ちでした。

 ある朝テレビを点けたら梨本が「ムラニシ金返せ」とカメラ目線でワめいています。

何事かと見ると傍に卑弥呼の姿がありました。

卑弥呼はうつむいています。

「ムラニシ、お前にギャラを貰っていない為に、

この娘はポケットに五円の金しか無いんだぞ」梨本の罵詈雑言が続いています。

卑弥呼にはそれまでの一年間に、一億円のギャラを支払っていました。

 他の専属女優の5倍に相当する金額でした。

卑弥呼にはえこひいきしていました。その結果の、梨本とのテレビ共演でした。

 その日から「借金王」の冠の前に「卑劣な」の文字が付きました。

黒木香が自殺未遂をしました。倒産騒動のさ中、心配して迎えに来た両親とともに、

忽然と私の前から姿を消してから一年半後の出来事でした。

「卑劣な借金王」の前に「女性を自殺に追い込んだ」の形容詞がプラスされました。

 この16年間にいろいろなことがありました。

暗く電気を消して眠れなくなりました。

暗い闇の中で自分と向き合うとパニックになり、錯乱してしまうのです。

 借金地獄の日々で心に癒えない傷ができました。

16年たったいまでも、電気をつけて室を明るくしてテレビをつけたままの状態

でなければ眠れない夜が続いています。

 こんな人生を生きてきた私に、否こんな人生を生きてきたからでしょう、

 倒産してどう生きていったらいいか分からなくなった、

と相談に来られる元中小企業の経営者の方がおります。

そんな方にはまず「過去に人に金を貸したことがありますか」と聞きます。

 もし10万円でも人に金を貸して返してもらえなかった経験があれば

「借金が苦しい」とは死んでも言えないセリフであることを知っている筈だからです。

「借金が苦しくて死にたい」は借りた人間ではなく貸した人間の言い草なのでございます。

 次に「あなたさまが倒産された元中小企業の経営者

であることを何人の人が知っていますか」と聞きます。

 破産しようと、雑踏にまぎれてしまえば、あなたさまはただの人「借金、借金」などと、

あなたさまに向かって言う高校生など一人もいないでしょう、

と私の例を引いてお話しをします。

 場所さえ変れば、一からいつだって出直せる立場であることをご理解いただくのです。

続いて、ご自身のスペルマの出る瞬間と、奥方がそのペニスをむしゃぶっている姿を

何人の人間にご覧いただいたことがあるか、を聞きます。

 私は妻を相手のSEXを、日本全国数百万人の皆様にご開帳の末、の倒産でございます。

 あなたさまは前科はおありですか? 私は前科七犯です。

あなたさまの借金は? 私は50億です。

あなたさまの年齢は? 私は60歳です。

今日も今日とて、パンツを脱ぎ脱がせる姿をご披露しながら生きております。

 そんなお話をしているうちに、ほとんどの皆さまは、

みるみるうちに精気を取り戻し元気になられます。

「お通夜」の席に参列した人達の顔が、不思議にイキイキとしている、

そんな光景に共通している心持ちを持たれるようです。

 私の「狙い」が通じます。

「人の不幸は蜜の味」でいいのだと思います。

 こんなヒドイ人生を生きている人間がいる、を知っていただくことで

元気を取り戻していただければ本望でございます。

 「どんな苦しみにも耐えられる、過ぎ去ってしまえば、すべて思い出になるから」

好きな言葉でございます。

 オフクロが4年前に亡くなりました。葬式の席で親戚のオバさんが話してくれました。

「あんたのお父さんは、息子を親殺しにするわけにはいかないから、

って家を出たんだよ。あんたは知らないだろうけど、あんたの姿を見たいから、

って毎月一回は私の家に来て、窓からあんたをコッソリ見てたよ」

40年ぶりに知る「オヤジの眼差し」でございます。

 私がオヤジに包丁を向けたときの自分と同じ年の息子を持つ身となって、

オヤジの「愛情」とは、「どんなことであったか」を知るようになりました。

 毎朝仏壇に向かって手を合わせることが日課になっています。

仏壇には、オヤジとオフクロと一歳の私が写っている、

60年前の三人一緒の写真が飾ってあります。

 「元気ですか」線香とロウソクに火を灯しながら写真に向かって話しかけます。

死んでいるのに「元気ですか」なんておかしいのに・・・。

「元気ですか」の言葉が一番ふさわしい言葉に思えて、毎朝「元気ですか」を続けています。

 「元気ですか、ありがとう、許して下さい。」

 人間、いまどんなに辛くても明日に希望があれば頑張れる、と云います。

私は困難に遭遇するとき、「父母への大恩」を心の甦らせ、立ち向かうことにしています。”

※元気ですか、ありがとう、許して下さい。

http://muranishi-ch.com/new/news/blog.cgi?mode=main&no=52

※村西とおるwiki

お世話になった取引先の兄ちゃん(年下)のお通夜に参列して参りました。

ライオンズクラブ関係で、ご高齢のかたのお葬式には慣れて(?)いたつもりだったのですが、やはり、年若いかたのお葬式は耐えられないものがあります。

我々は生きていくために仕事をして食っているわけでございますけれども、金なんてどうにでも稼ぐ方法はあるわけで、やはり死んだら終わりであり、我々の人生は早い遅いの差こそあれ、それこそ100%確実に終わりの日を迎えるわけで、やはりやりたい事を追求し、好きなものは好きだと叫びながら働き、その結果ついてくるお金を大切に、健康第一で生きていくべきだと改めて思います。

上記ブログは、我々世代(30代~40代)にとっては帝王であり、大変お世話になった起業家であり監督のものであるわけですが、金がある時も無いときも、世の中の裏も表もご覧になった先輩の教訓として、しばしば確認することにしています。

今生きて、喜んだり苦しんだりできているのもすべて両親のお陰様であって、感謝の気持ちを新たにすべきであるな、と考えるとともに、やはり、親よりは長生きしたいですし、子どもには、先に逝ってほしくないと思います。

暑き日々が続きますが、皆さまにおかれましても、ご家族を大切に、身体を大切に、お仕事に勤しんでいただきたいと思います。

本日も励みます。

合掌。

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