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伸び縮みする日本発の電線”ロボ電”
2014.10.17|shiozawa
“電線”
書いて字のごとく、電気の流れる線の総称ですが、
パソコンの電源ケーブルやスピーカーやUSBケーブルだって同じ電線ですし、電信柱にぶら下がっているケーブルももちろんそうです。
普段は意識していないから気が付きませんがありとあらゆるところに使われている現代ではなくては生活もできない必須アイテムです。
そんな電線のちょっと変わった最新製品をご紹介。
■伸び縮みする電線 旭化成、ロボットの動きに対応
今月11日、オーストリア・ドルンビルンで開かれた化学繊維の国際学術会議。
旭化成子会社で繊維事業を担う旭化成せんい(大阪市)商品科学研究所の巽俊二グループ長が披露した1本の電線「ロボ電」を前に、講堂に集まった数百人の研究者からどよめきが起きた。
ロボ電は一見すると、ただのひも。
だが、引っ張ると長さ1メートルのロボ電が最大1.4メートルまで伸び、手を離すとゴムひものように縮んで元の長さに戻る。
電気を通す導体線が樹脂で覆われる電線は耐久性には優れている一方で、引っ張っても伸びなかった。
こうした「電線の常識を覆したロボ電」(巽グループ長)で狙う市場が、今後の成長が期待されるロボット分野だ。
工場で溶接や組み立て作業する産業用ロボットは、複雑な動作を繰り返す駆動部分を電線などのケーブルでつなぐのが一般的だ。ただ通常の電線は「たるみができてしまって複数の産業用ロボットが並ぶ生産現場ではケーブル同士が引っかかったり、絡まったりするトラブルも少なくなかった」(巽グループ長)。
駆動部分が数十万回以上も屈曲するため、電線が突発的に断線してしまい、修理に伴う稼働停止なども招いていたという。
たるみもできないロボ電を可動部分の配線に使うことで、これまでのような屈曲に合わせた複雑な配線設計も不要となり、ケーブル同士が絡み合うことも減らせるとみている。
さらに屈曲による断線寿命も従来の電線と比べて10~100倍のため、生産工程での断線トラブルも減らせるとみている。
引用:日経新聞
まるでひも状のグミのように1.4倍も伸び縮みし、しかものたわまずに元の長さに戻るようです。
画像では分かりずらいのでこちらが動画です。
上記のとおり、ロボ電は複雑な動きをする“産業用ロボット”には大活躍しそうです。
産業用ロボットは人間の代わりに作業を行うことできる機械のことで、こんな感じのです。
<RV-Fシリーズ (三菱電機)>
ほとんどの電化製品を製造するのに使われいるロボットなので市場規模も大きいです。
ちょっと資料が古いですが、産業用ロボットの市場シェアです。
引用:経産省
残念ながら、日本の世界シェアは近年急激に下がっており一時期の半分以下になってしまっています。
今回のような革新的な工業基礎部品がたくさん誕生し、まだ本調子のでない日本の電気産業復活すればと思います。
ありがとうございます。