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世界を感じるということ。
2010.10.14|iwamura
「援助してくれる人がいて、4LDKにタダで住めるよ。」と言われました。防犯もバッチリの2階です。みなさんはどう反応するでしょうか。
ぼくの感想としては「おお!マジかよ!」が素直な心の叫びです。
ただし、条件があります。
この家には、3家族、8人が一緒に住まなくてはなりません。あなたの部屋は気難しいオジサンと一緒の部屋になります。
「うわ~、マジかよ!ムリムリ!」
さらに条件があります。
まず、窓を開けることはゆるされません。灯りをつけることも、許されません。ささやき声以外で話すことは許されず、咳もくしゃみも、布団に口をつけて行うこと。娯楽は深夜の小さな音のラジオが少々。食事は腐った野菜と、ジャガイモがメイン。そして、あなたはこの家から、24時間、一歩も外に出ることを許されません。
「なんだよそれ!死ね!」
しかし、そんな家で2年間、貴重な青春時代を過ごし、生き抜いた少女がいました。名前を、「アンネ・フランク」と言います。
恋愛もしたい、遊びたい盛りの16歳だった彼女が、ナチスドイツの統制下、アムステルダムの「隠れ家」で過ごした日々が、一冊の本につづられています。「アンネの日記」といいます。
上記のような真っ暗やみの中、まだ子供だった彼女は、何を考え、何を支えに生活したのか。生きたのか。
その答えが、この本には書かれています。全人類が読むべき、希望~エスペランサ~の書であると、わたしは思います。
昨日、地球の裏側のチリでは、33名の鉱山作業員のみなさんの救出が始まりました。救出トンネル掘削中に生まれたある作業員の娘さんは「エスペランサ」と名付けられたそうです。
下記動画、本日は必須の生中継であると思いますので、アップしておきます。本日中には、33名全員の救出が、完遂される予定だそうです。
真っ暗やみの中、希望を探した少女。
真っ暗やみの中、救出トンネル開通に歓喜した人々。
真っ暗やみの中、水をさわって、世界との入口を見つけ、希望を持った少女。
それが灯りなのか、風なのか、声なのか、手紙なのか、解らない。でも、暗やみからの「希望」というものは、外の世界との「繋がり」、もっと言えば、「外の世界を感じた瞬間」に発生するのだと思う。
お世話になっているクライアントさんも、キャンペーン始めました。秋のにおい、秋の気配が日本を包んでいます。小さな事かも知れないけれども、小さな「世界と繋がる、感じられる喜び」を、明日の大いなる希望に代えて、我々も頑張っていきたいものです。
※文中一部参考~井上ひさしさん「死ぬのが怖くなくなる薬」~