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石原都知事とノルウェイの森~時には大事な話も。~
2010.12.09|iwamura
と、いうことで、相変わらず困ったオジサンではあるが、しかしながら「まあ言いたいことはワワカランでもないけど。。」といったカンジの、ある種カソリックな親分のコメントからどうぞ。
東京都の石原慎太郎知事は7日、同性愛者について「どこかやっぱり足りない感じがする。遺伝とかのせいでしょう。マイノリティーで気の毒ですよ」と発言した。
※毎日jpより抜粋
むう。
まあ、人間はみんなどこかどこか足りないものであり、逆に見れば、それが長所だったりすることもあると思うんですけれどもね。言い方の問題だけだと思うのだよなあ。ことさらに、敵を作る発言をすることが、「親分」ではないとは思うのだ。
角川の社長さんも怒っちゃいましたね。東京国際アニメフェア、出展の取りやめだそうです。そもそも親分のこの発言は、コミックやアニメにおいて表現される、同性愛やロリータコンプレックスに対する、彼個人の嫌悪感の現れでしかないと思うのだが、個人の意見と都の成長は明確に違うわけで。
そんな石原親分に対し、アルファブロガーでも辛口で有名、小飼弾(こがいだん)さんは以下のようにコメントしている。
この発言主に足りないのは何か…
石原都知事:同性愛者「やっぱり足りない感じ」 – 毎日jp(毎日新聞)
東京都の石原慎太郎知事は7日、同性愛者について「どこかやっぱり足りない感じがする。遺伝とかのせいでしょう。マイノリティーで気の毒ですよ」と発言した。
きちんと分かっていない気の毒な人が、都民にも少なからず見受けられたので。
7日の石原知事は、過去に米・サンフランシスコを視察した際の記憶として、「ゲイのパレードを見ましたけど、見てて本当に気の毒だと思った。男のペア、女のペアあるけど、どこかやっぱり足りない感じがする」と話した。
なんでサンフランシスコではゲイがパレードできるのか?
それをゲイの権利として勝ち取った人がいるからだ。
文字通り、命をかけて。
1977年、カリフォルニア州サンフランシスコ市の市会議員に当選し、同国で初めて、自らゲイであることを明らかにして、選挙で選ばれた公職者となる。しかし、議員就任1年も経たない1978年11月27日、同僚議員のダン・ホワイトにより、ジョージ・マスコーニ市長とともに同市庁舎内で射殺された。
サンフランシスコで東京ビッグサイトに相当する施設の名前は、 Moscone Center という。iPhoneが発表されたのもそこである。
そのサンフランシスコの人口は、わずか70万人程度。練馬区程度しかない。シリコンバレーを含むサンフランシスコ・ベイエリア全体でも750万人程度。東京から見たら一地方都市に過ぎないこの場所は、なぜ主要国の首都なみの知名度との地価の高さを誇っているのか?
ヨソモノ・ワカモノ・バカモノたちを受け入れて来たからだ。
なぜ、人は都市に引き寄せられるのか?
田舎にはない自由が、そこにあるからだ。
田舎にはない居場所が、そこにあるからだ。
県民でも道民でも府民でもない一都民として申し上げる。
これ以上、東京を田舎化してくれるな、と。
※404 Blog Not Foundより抜粋(部分略)
お説ごもっとも。
ヨソモノ、ワカモノ、バカモノを否定しては文化も文明も発達しないのだ。天才は、ある意味、ある部分が全く足りないから突出した部分が美しく輝く、という見方もできるわけであって。
そんな天才同士のコラボ映画、11日土曜日に公開になります。やっぱり、ヨソモノであり、ワカモノの物語であり、時にはバカモノとも呼ばれた作家と監督の夢の共演作、ついに登場です。
最近の若い人は読むのかな、「ノルウェイの森」なんて。
美しい映像に期待。
ベトナム人監督のトラン・アン・ユン先生は、カンヌ国際映画祭の新人賞、ヴェネチア国際映画祭にてグランプリも受賞経験がある映像美界の神。
もともと、音楽や、登場人物の息遣い、寒くて、でもホットな冬の空気感が本から直に伝わってくるような、ものすごく繊細な、透明感のある物語です。映画を見る前に、是非小説での確認をお願いしたいと思います。
読んだ直後、ツマラナイという感想を持つ人もいるかもしれないが(小生が若かりし頃)、あとから心に残り、思い出し、たまに本棚から引っ張り出す、不思議な小説です。「読んで損した」は振り返る人生の中で、ないんじゃないかな、と思います。もう会えない、好きだった人のこと、思い出す瞬間、みたいな。
そして来週17日、再来週22日は、メメント・モリ~死を憶え(おもえ)~の自殺対策NPOライフリンクさんイベントも開催されます。ノルウェイの森を観た後で、参加されると、より考えるところの多い、イベントになるかと思います。
師走のお忙しいところ恐縮ですが、お時間ある方、ぜひぜひ宜しくお願い申し上げます。