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第3回日本ケータイ小説大賞:あたし彼女
2008.09.26|iwamura
と、いうことで、第3回日本ケータイ小生大賞受賞作品「あたし彼女」を読んでみました。
小説のベストセラー化のみならず、映画や漫画へも進出したケータイ小説。本賞はケータイ小説がまだ世に広く知られていなかった2年前に、この新しい文化の発展を目指して創設されました。
第2回からは、大賞・優秀賞のほか5作品・全8作品が選ばれ、大賞の「白いジャージ」は13万部を突破しました。
また、第1回受賞者からは、十和氏をはじめ多くの作家が受賞作以降もベストセラーを生み、ケータイ小説を完全に定着させました。
さて、「あたし彼女」の感想。
ケータイ小説と言う分野を知ってはいたが、「認知」しました。大変よろしいと思います。
普段本はけっこう読む方なんですが、こういう、小説の読み方があってもおもしろいと思った。
そして、若い人(たぶん)が、やっぱり、「愛すること」「生きること」を人生における大事なことの1番か2番に持ってきているという不変の事実に、なんだか安心した次第。
みんな本当は口に出しては言わないけれど、本当は、それってとても大事なことだと思いますよ。
それは、川端康成の「雪国」だって、「トンネルを越えたら雪国だった」の続き、電車の座席で「指だけがあの女の感触を覚えていた」みたいなところから入るわけだし(ホントです)。そもそも、「愛することは美しきなり」と、「枕草子」で清少納言も言っています(ウソです)。
冗談はさておき、そしてさすがスターツ出版だなーと思ったのは、今回第3回で瀬戸内寂聴さんを「名誉実行委員長」に据えていること!!!
若い人たちが自分の想いを自分のことばで訴える。それがケータイ小説であり、書いている若者たちにとっては、自覚していないが、それは私小説になっている のだ。やむにやまれぬ自分を知ってほしいという欲求から生まれたケータイ小説には、野心がないから、かえって他者の心にじかに響く何かがある。私はこの賞 にかかわったことを誇りに思っている。
ホントかよ!(笑)
でも、「魂の叫び」を一番「表現」しやすい場なんだと思います。そして、「表現」の先にある「繋がりたい」が本当に今、若い人たちが一番求めていることだと思う。
「繋がりたい」という部分だけを見ても、ケータイ小説、大きく評価できると思います。
お時間ある方、週末にでも読んでみてご自分の感想を持ってみてください(10分ぐらいで読めると思う)。
※そーか、これも「ケータイ小説」からだったか!ちょっと見てみるかな。
~「恋空 koizora」~