Mykoちゃん、Cたん


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アカデミー賞とわらび。

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2011.03.05|iwamura

米アカデミー賞結果出ましたね!

遅いニュースで恐縮ですが、本年の作品賞(監督賞・脚本賞・主演男優賞)こちら!

☆英国王のスピーチ

いやいや、よさげではないですか。

日本では2月21日がプレミア試写会で26日が公開日。まだ始まったばっかりです。

過去アカデミー賞も、作品賞と監督賞と脚本賞のトリプル受賞作品(「ガンジー」とか、「炎のランナー」とか「アニーホール」とか)は少ないが、これはスゴいことであり。

だってそうでしょう。映画のトップたる監督と、その映画の設計図たる脚本が両方最高であり、トーゼンの「作品賞」であって。

「アカデミックなアカデミー賞」っぽい映画ではあるよな。

ただ、アカデミー賞受賞の実績なんて無い映画でも、小生は幼い頃から映画好きであった。

小学生時代、お昼休みあとの掃除の時間に、カローラバンが、体育館のヨコに止まっていると、それは「映画のおじさん」が来ている、という証拠であった。

おれたちは掃除をそっちのけで、「何か手伝うことはないか」と、クルマの周りをウロウロし、よく先生にオコられたものである。

「映画のおじさん」が学校に来ると、5時間目、6時間目は体育館で全校生徒そろっての「映画の時間」となり、前半は30分のアニメ。後半は45分の教育モノ実写映画という、娯楽も少ない田舎の小学生にとって、それはもう何ものにも代えがたい、ゴールデンコースなひとときであった。

映画のおじさんは、映画の前に、映写機の前で(全校生徒の背中から)、映画についての導入部の説明をした。実に優しくて、実にまあるい話し方をした。そして、短いその説明の最後に、

それでは、みなさん、でんきが、きえます。

と言うのが、恒例であった。

舞台裏の先生は、おじさんのその「魔法の言葉」とともに、暗幕で閉ざされた体育館の水銀灯を消すのだった。まさに、田舎小学生のゴールデンタイムのはじまりはじまり、であった。

中学生になっても、この映画のおじさんと我々との関係は続いたのであるが、自分は年を経るにつれ強くなる、「学校映画の教育色」については、常々不満を強くしつつあった。そこで一計を案じたのである。

中学生時代の、生徒会副会長への立候補がそれであった。

なぜ副会長か。副会長=文化祭実行委員長であったからである。

選挙の公約において、当時その中学で悪法であった「春のワラビ取り勤労体験学習~ひとり4キロのワラビ納税システム~」の廃止とともに、「文化祭への新作映画を誘致すること」を掲げ、みごとトップ当選を果たしたのであった。

ワラビ採りが悪法な理由は、地域の人の食べる分まで採ってしまうそのノルマ。

そしてもう一つの公約に掲げた「新作映画」とは、当時から飛ぶ鳥を落とす勢いであった、ジブリの「紅の豚」であった。

今思えば、無茶な話である。

町で1軒しかない映画館は、おそらくあれは、パチンコ屋さんやキャバクラ街と連結していたから、田舎のヤのつく自由業の方の経営でなかったかと思われる。

文化祭前交渉に出かけた先生曰く

「この夏映画館で公開している映画を、他の場所でも上映するなんて言語道断!」

と、追い返されたとの由であった。まあ、トーゼンの論理である。

ただ、こっちには勝算があったのだ。

生徒会の財政は「一人4キロ」の毎年のワラビ取りにより潤沢豊富なものとなっており、それが先生たちも手のつけられない「清すぎる金」となってしまっていることを、おれは知っていた。

「地元で、みんなで額に汗して取ったワラビのお金です。これから、ワラビ取りはやらなくなちゃうかもしれないけれども、もともと、みんなの山の、みんなのワラビなんです。このお金で、町の映画館にも来ることができないおじいちゃんや子どもたちを呼びたいんです。お願いします。」

涙ながら訴える中学生と先生の最敬礼。

と、茶封筒の「○○万円」

@そっち系事務所1992年夏。

かくして、親分さんが折れてくれて、文化祭、町の映画館との同時上映、1日限りの「紅の豚@山の体育館」が実現した。

思えば、牧歌的な時代であった。今だったら確実にtwitterで刺される事件である。

当日。

ぞくぞくと詰めかけるおじいちゃんやおばあちゃんたち。

農協の帽子をかぶったおじさん、ほっかむりしたおばちゃん、あとは、保育園児や小学生が多かったなあ。

そして、上記事務所の時と同じように、おれは上映前に、導入部の説明を始めた。「これはみなさんのワラビによる、みなさんの映画です。」

そして、おれがどうしてもやりたかったのはコレ。

「それでは、みなさん。でんきが、きえます。」

映画は始まった。

おれは、映画を見ている全校生徒や、地元の人たちの顔ばかり観ていた。

そういう映画です。1990年アカデミー賞外国語映画賞。

☆ニューシネマパラダイス」

たまには、「映画な1日」もいいかもしれません。

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