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HDD市場の大変革。
2011.04.22|shiozawa
先週クラウドビジネスについてお話しました。
そのクラウドサービスでデータを保存するためのストレージデバイスとして
大量に使われてるのがハードディスクドライブ(HDD)です。
2011年に入ってからこのハードディスクの市場で大きな変革が連続で起こっております。
<参考にHDDの中身です>
まずは3月
■日立製作所、HDD事業のHGSTを米Western Digitalに売却
日立製作所は3月7日、米Western Digitalにハードディスクドライブ事業を売却譲渡することで合意に達し、正式契約を締結したと発表した。
売却金額は現金と株式あわせた総額で約43億ドル相当。
米Western Digitalは、日立製作所の100%子会社で、ハードディスクドライブ事業を担っている日立グローバルストレージテクノロジーズ(HGST)を、現金35億ドルと自社株2,500万株(7億5,000万ドル相当)で買収。HGSTは米Western Digitalの100%子会社となる。
引用:マイコミジャーナル
そして今月
■HDDは2強時代へ、Seagate Technologyがサムスン電子のHDD事業を買収 (4/20)
HDD(ハードディスク)の製造を手掛けるSeagate Technologyは2011年4月19日、Samsung ElectronicsのHDD事業を13億7500万米ドルで買収することを発表した
買収の条件の下、Samsung Electronicsは、同社製のNAND型フラッシュメモリをSeagate TechnologyのSSD(Solid State Drive)向けに供給する予定だ。Seagate Technologyは、HDDをSamsung ElectronicsのデスクトップPCやノートPC、家電向けに供給する。
両社は今回の買収合意と同時に、両社間で既に締結しているクロスライセンス契約を延長・強化することでも合意した。
今回、Seagate TechnologyがSamsung Electronicsとの戦略的な提携を結ぶことは、Seagate TechnologyがTDKの傘下にあるSAE Magneticsとの関係強化を期待していることを意味する。さらに今回の買収により、Seagate Technologyは、中国や東南アジアの顧客を獲得するとみられる。
この2つの買収劇が何を表すのかが次の“ハードディスクメーカの販売シェア”のグラフでよくわかります。
引用:WSJ
WenstanDigitalがHitachiを買収して合計 48.6%
SeagateがSamusungを買収して合計 39.3%
つい最近まであった5社が世界でわずか3社だけになり、日本のハードディスクメーカーが東芝のみになります。
驚きなのは20年前の1990年代には41社もメーカーがあったようです。
しかし今ではわずか1/10以下の3社。
そして東芝のシェアは高々10%程度で残りの90%程度を
アメリカのウェスタンデジタル社とシーゲート社の2強が分け合う形となります。
この変革の面白いところは、ハードディクスにとって変わるのではないかと
一時期騒がれていたSSD(フラッシュメモリドライブ)が一気に市場に広がる可能性が
が高まるのではないかと感じる点です。
こちらが話に上がったHDDに取って代わる可能性があるSSD(フラッシュメモリドライブ)
と言うものです。
引用:パソ兄さん
今回のシーゲートのサムスンHDD事業買収で、
・SSDに必要不可欠な部品(NANDフラッシュメモリ)を製造しているサムスンを手にした事
・もともと自社でもっている圧倒的販売力
の二つを手に入れたので
SSDの性能的な信頼性と大容量化でハードディスクにどんどん近づけば
“SSDシェアを一気に増やして他社を畳み掛けにいくのでは”と私は感じました。
シーゲートとシェアでほぼ互角にあるウエスタンデジタル。
はたしてどちらが勝つのでしょうか。
経済も生物と同じ様に弱肉強食であることをつくづく感じます。
シェアの少ない東芝は果たしてどうするのでしょうか。。。
(加えて東芝は福島原発の問題もありますし。。。)
ありがとうございます。