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とある平和な領土問題
2010.10.26|umiushi
少し前に、南米の領土問題を取り上げました。
日本も尖閣諸島や竹島を筆頭に、深刻な問題を抱えている一方、
山ん中ではこんな平和な領土問題が。
静岡県浜松市が長野県飯田市に勝利! 2年ぶりに“領土”を取り戻す
静岡県浜松市と長野県飯田市の県境がある兵越峠で24日、今年で24回目となる『峠の国盗り綱引き合戦』が行われた。同大会は両市の代表者が遠州軍(浜松 市)、信州軍(飯田市)にわかれて3本勝負の綱引きを行い、勝利した軍が県境を示す“国境”と書かれた立札を相手方に1m動かすことができるという親睦行 事。今年は2対1で遠州軍が2年ぶりに勝利し、信州軍に“侵略”されていた“領土”を奪い返すことに成功した。
以前は違う自治体同士でしたが、平成の大合併でそれぞれ浜松市・飯田市にとりこまれてしまったので、現在はこのようなカードになっているようです。
戦国時代、上洛を目指した武田信玄軍がこの峠を越えて遠州に入ったという歴史にちなみ、1987年より毎年10月の第4日曜日に実施している同イベント。 行政上の県境が移動するわけではないが、この“国境のせめぎ合い”は毎年白熱した戦いが繰り広げられている。今年は浜松・飯田の両市長が口上合戦を行った ほか、愛知県豊橋市市長が行司役となり、戦いを盛り上げた。
行司をやっちゃう豊橋も豊橋だぞ(褒め言葉)。
飯田市といえば弊社プレジデントや不肖わたくしを世に生み出してしまったの故郷ですが、浜松との境なんて南アルプスのど真ん中で使い道ないし、面白いからどんどんやれ。
個人的には
今回遠州軍が勝利したことで、勝敗は12勝12敗の五分に。これまで遠州軍は信州の“領土”を奪ったことがないが、今年“国境”を元の位置に戻したこと で、来年は信州側に攻め込むチャンスを掴んだ。一方、信州軍は「信州に海を!」を目標に掲げ、過去に最大4mの“侵略”に成功しているが、この“国境”を 海まで移動させるには、6万7000連勝する必要があるという。
この辺の壮大なバカバカしさが気に入っております。
それにしても合併後の浜松市天竜区ってかっこいい地名ですな。静岡県駿河区といい、静岡はあなどれん。
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そういえば、領土でなくて地名や県庁については、明治時代に割とシビアな争いがありましたね。たとえば
明治5年に新潟県令に就任した楠本正隆(くすもとまさたか)は,一国一県の持論をもち,明治6年には柏崎県を新潟県に合併しました。この合併の前に両県の 関係者が集まった酒宴で,楠本県令が「合併するとしても,吸収される側は不服であろうから,相撲(すもう)で勝負を決めようではないか。」と発言し,酔い も手伝って衆議一決,県令自らが行司役となって対戦し,新潟側に軍配が上がったとのエピソードも残っています。
とか。じゃっかん眉唾なエピソードながら、いくらなんでも相撲で決めんなよ、ってなもんですが。
福岡のメインターミナルが博多駅なのも、似たような理由だそうですね。
そう思うと、長野といい静岡といい、今は平和ですな。