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世界一周に象徴される、夢の達成に必要不可欠なこと。
2011.06.16|iwamura
先日、古川聡さんの記事を書いたのだが。
彼のTwitterを見ていて、思うところがあった。
Astro_Satoshi 古川聡(JAXA宇宙飛行士)
みなさま温かい応援のお言葉、ありがとうございます。力をいただけています。打ち上げまで14時間余り。約5ヶ月半宇宙で仕事をしてきます。みなさまの熱い気持ちと一緒にいきたいと思っています。それでは、いってきます!
「みなさまの温かい応援」なんだよな。
そして、話題は急転直下。
この女のコもいい顔してるよな。
【5月15日 AFP】ヨットによる世界最年少の単独無寄港、無支援の世界一周を目指して前年10月にオーストラリアのシドニーから出航した16歳のオーストラリア人少女、ジェシカ・ワトソンさんが15日、シドニー港のフィニッシュラインを越え、世界一周を達成した。
ワトソンさんは15日午後2時(日本時間午後1時)の少し前、明るいピンク色のヨットに乗って、シドニー港のフィニッシュラインを横断した。
「数時間しか眠れなかったけど、今は興奮していると思う」と最終地点に到着目前のワトソンさんは語った。
認定機関の「世界帆走スピード記録評議会」は最年少記録カテゴリーを廃止したため、ワトソンさんの記録は公認されない。しかし、事実上の単独無寄港、無支援による世界一周の最年少記録達成だ。
※AFPBBニュース(15/5/2010)より抜粋(部分)
16歳か。年齢も関係ないわけではないが、「ひとり」で、大したものだと思う。
昨今、「ひとり」の冒険モノの本にハマっていて、よく読んでいる。
本を読まない人でもワリと気軽に入れるのが、以下2冊であろう。
表紙開いての中表紙から熱い。
「植村直己さんにささげる。」
高校生時代、喧嘩して停学中だった野口さんは植村直己さんの本を読んで、人生の目標を山に据える。
そして、エベレストをはじめとした7大陸世界最高峰への史上最年少登頂記録達成(当時25歳)。
でも、エベレストも2年連続失敗して、3年目の成功だったんだよな。
この本は少年院で真っ先にボロボロになる本(みんなが読み過ぎて)として有名です。
さて、山の次は海に話を戻します。
野口さんにおける植村さんのように、白石さんにおける師匠も偉大。
「多田雄幸」さん。彼も世界一周ヨットレースで優勝経験者。
そんな多田さんに白石さんは高校生時代に弟子入り。彼のサポートを務めながら、ヨットを学ぶ。
しかし、自身が過去優勝経験もした世界一周ヨットレースの最中、師匠多田さんは自ら命を絶ってしまう。
最も尊敬する師匠の突然の死。
白石さんはそれを克服し、師匠が乗っていた船で、史上最年少ヨット単独無寄港世界一周を達成する。
やっぱり当時25歳。そしてやっぱり2回失敗で3回目の挑戦。
熱すぎるんです。
さてそして、これらを読んで気がつく事は、やっぱり夢の達成や冒険そのものも凄いんだけれども(彼ら自身の努力ややってることは当然凄いんだけれども)、当時25歳で金も全く持たなかった彼らを、支えてくれた人たちがいたのだという事実。
彼らが「みんな」に応援された事実。「みんな」に愛された事実。
そこに尽きる。
上記2冊にも、冒険の記録とともに、彼らの感謝の言葉がいたるところに散りばめられていて、読んでいて何度も泣きそうになるのだ。
冒頭のワトソンさんも、宇宙飛行士の古川さんも、カッコイイし偉大だ。
だが、舟やロケットをつくり、彼女に彼に、操縦の手ほどきをし、地上からサポートをし、スポンサーになり、応援してくれた人は、1人や2人ではなかったと思うのだ。
さて、お話を本に戻そう。
白石さんのお師匠さんの多田雄幸さんの本も熱い。
超ハイテンション。ヨットが楽しくて楽しくてしょうがないっていう本。
彼の周りもきっと元気が出ただろうし、彼もやっぱり「愛された人」「応援された人」なんだなってわかる本。
あとがきから彼の感謝の言葉を抜粋。
そんなこんなで危険はあったけれど、私が風の力を利用して10万キロに及ぶ楽しい旅ができたきっかけは、偉大な冒険家植村直己さんに出会ったからで、知らず知らずのうちに触発され、また励まされたおかげです。
そして故郷長岡の八幡神社の奉納相撲で一回も勝ったことの無い、か弱い私が、多くの人の支持と力の盛り上がりのお陰で、なんとか完走できたうえに、優勝までするとは、奇跡的としか言いようがありません。
ここに数え上げたら気が遠くなるほど多くの方にお世話になりました。感謝いたします。
植村さんは冬のマッキンリーに登ったまま帰ってきませんでした。私の心にポッカリ穴があきました。私はこの塞がることの無い穴から洋々と拡がる海を見つめ、凝縮する世界ではなしに、自由に拡がる世界を絵に描けたらなあ、と夢見ている現在です。
多田さんが資金繰りに苦しんで、世界1周を諦めそうになった時に、真夜中タクシーを飛ばして、金を貸しに来てくれて、「最後までがんばれ」って励ましてくれたらしいんだよな。
植村さん、やっぱり熱いよな。
さあ、野口さん、白石さん、多田さんが敬愛する、日本が生んだ大冒険家、植村直己さんの本がこれだ!
※タイトルが既に熱いです。
野口さんが不良少年から一夜で登山家を目指したように、日本の冒険家が、すべからく神のように崇める植村さん。
この本にはその秘密の全てが書かれている。
と、思ってページをめくるのだが、冒頭から「神」はこうおっしゃる。
もう一度言わせてもらうが、本当にこれは自慢できるような話ではないのだ。
もしこの話に、みなさんが、崇高なアルピニズムの真髄といったようなものを求めているとしたら、先に謝ってしまうが、私は失格に決まっている。
くうぅ。。。
カッコイイのだ。
兎に角カッコイイのだ。
だが、アルピニズムの真髄はないかもしれないが(ありますが)、「夢を達成するための真髄」については、「神」の言葉がちりばめられています。
植村さんの、感謝の言葉が、散りばめられている本です。
夢を持つことやそれに向かって努力することは、ベースとして当たり前に重要だと思います。
ただ、本当に大きな夢をかなえる為には、仲間に愛され、多くの人の応援を得ることが必要不可欠なんだと思います。
ひとりはみんなの為に。
みんなはひとりの為に。
それらを、今日ご紹介した本は教えてくれます。
この4冊で10年寿命が延びると思う。
会社を休んででも、読むべき「愛」の本たちだと思います。