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雨ニモマケズ
2012.03.13|iwamura
1週間ほどお仕事でインドネシアに出ており、11日に記事をアップすることができませんでしたが、3.11から1年が経ちました。
インドネシアも10年前のスマトラ津波で22万人(!)が亡くなっており、未だ海岸の瓦礫等はそのまま放置されている地域も多いと聞きました。
我々はあのとき「対岸の火事」ではなかったか。
救いの手を差し伸べたろうか、と、10年前の自分を想いました。
旅立ちの空港で、AERAの3月12日発売号(1週間前なので3月5日発売かな)をジャケ買いしました。
※AERAのジャケ(表紙の人の顔)買いは年に1~2回程度/前回は澤さんがカッコよくて。
いや、一度見たら忘れられない「闘う男の顔」を南相馬市長の桜井勝延氏がされておりまして。
恨みつらみ、憎しみの顔じゃないんですよね。前向いて闘う人間の顔。
彼はSOS from Mayor of Minami Soma Cityで有名ですね。TIME誌にて「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれました。
「人は支えあって人」
「お願いします。助けてください。お願いします。」
地震から2週間での映像。疲れも相当見える。しかしそれでも彼は、世界の中心で、愛を叫んでいた。
産まれたところや住んでいるところが都(ミヤコ)であり、世界の中心であることは、住んでいる人間にとってみれば自明の理。
しかし、津波で壊滅的なダメージを喰らい、放射能20キロ、30キロ圏内で分断された同市は、「残る人」「退避する人」でも分断される運命をたどることとなった。
それでも、市長として、市にとどまり、市民のために闘う同市長。
東京マラソンにも出場し、AERA表紙にだって出ちゃうけども、それらは全て市民の為である桜井氏。
もちろん「退避すべきだ」「現実問題としての除染をどう考えるのか」物申す市民も多い。
しかし、世界の中心を、市を愛し、そこに住む人のために闘うその覚悟は、彼の写真から読み取ることができるでしょう。
本日嬉しいニュースも発見。
当たり前と言えば当たり前なのだが、首相が台湾に対して詫びを入れましたね。
友人が台湾で結婚して、式にも参列してきたので、ちょっと台湾びいきでもあるのだ(でも相思相愛だとも思うのだ)。
※下記動画も、3日で35万DLはスゴい。涙が出てしまうよなあ。
世界の中心で愛を叫び、それに応えてくれた世界が在った。
助けてくれた、手を差し伸べてくれた国が、人々がいた。
我々日本人は、それを実感したはずだ。
傷つき倒れ、向こう100年、1000年、消えることのない放射能汚染を負ったとしても、我々は平和な地域や国では感じられなかった、世界からの愛を感じることができた。
痛みを知る人間として、第二、第三の戦後世代として、やはり我々は、世界の人々の痛みのわかる、やさしく強い日本人であり続けたい、そう思った、弥生11日でございます。
東に病気の子どもがいれば、助けたい。
西に疲れた母がいれば、荷物を持ってあげたい。
南に死にそうな人がいれば、怖がらなくていいよと言い、
北にケンカや揉め事があれば、つまらないから止めろと言ってあげたい。
サウイフモノニ、ワタシハナリタイ。
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
南無無辺行菩薩
南無上行菩薩
南無多宝如来
南無妙法蓮華経
南無釈迦牟尼仏
南無浄行菩薩
南無安立行菩薩
Where is this on earth?/オーバーシーズハイウェイ@西長門
2012.03.06|iwamura
ということで、英語サイトで3日前にアップされた写真「Where is this on earth?」にコメントが付きまくっております。
この美しい場所はどこなんだと。
正解は、
われらが美しい国、日本の長州は下関、西長門海岸でございますね。橋は「角島大橋」と言います。
それこそ、レクサスをはじめ、国産高級車の撮影によくつかわれるところだそうで。。。
それでは、海外サイトのコメント拾ってみましょう。
・すばらしい景色だ…。
・行きたい。
・標識などから判断すると日本だ。
・英語で紹介してるブログもあった。
・急にアクセスが増えるだろうなぁ。
・日本はみんなの行くリストに載せるべきだ。
・崖の上のポニョのシーンだ。
・高校時代に戻って、ここでレースしたい。
・こんな絶景は見たことない、この画像を見てうれしくなった。
※reddit PICさんより
ワリとみなさん絶賛されておりまして。
地震と放射能のあと、海外のネット上で「日本の観光地」がフィーチャーされた非常に珍しくも嬉しかったケース。
なんだか、春を感じました。
個人的には、やっぱり「キモチ良かった橋」としては、フロリダのセブンマイルブリッヂがそれであります。
アメリカ横断のちに、マイアミから1泊2日で出かけたのかな。
それこそ、アメリカではクルマのCMばかりではなく、映画でシュワちゃんがロケットぶっ放されて破壊されたりとか、よく登場する橋です。
実際の橋は、フロリダのマイアミの先っちょからさらに南に位置しています。転々とした島々を結ぶいくつもの橋があって、セブンマイルブリッヂはその中でも最長の橋。
橋の果てにはキーウェスト。ここは完全に観光地であり、その先は猫だらけのヘミングウェイの博物館と海軍基地しかないという、アメリカ本土の最南端でもあるので、ワリと車も空いてて、アクセルも踏めた道路でした。
「海を、波の上をすべるような、感覚」
そのまま空が飛べそうな気が致しました。まさにオーバーシーズハイウェイでございます。
さて、冒頭の西長門ですが、角島大橋はハイウェイではなく国道です。
そして、来週丁度契約後のご挨拶でお邪魔するのが下記ホテルだったり。
鴨川グランドホテルグループさんなんですけれども、「先代が日本中周って、一番美しい海岸にホテルを建てたんです。」と、同社取締役からも説明がございました。
「夏に行くと、これが本当に日本の海なのか、と思いますよ。」
とも。
※鴨川の海も大分青いですけれども。
お値段も、都内の高級ホテルのそれとは違いますから、時期を見て、家族でクルマなんか乗ってゆっくりいかれるのも、ひとついいかも知れません。
家族でリゾートという意味では、「ホテルニューアワジ(関西の人はみなさんご存知ですよね)」さんも秘境であり、かつ絶好のロケーションで「いい」と思います。
ということで、啓蟄を前に、今日は夏のリゾートの話題で走ってみました。
それでもまだまだ三寒四温。
油断せず健やかに、春の入り口を楽しみたいものです。
自殺対策にAKB48
2012.02.23|iwamura
これは久々に
「おお!清水さんヤってるなー!」
という嬉しいニュースでございます。
政府が3月に行う自殺対策強化月間のイメージキャラクターに、人気アイドルグループ「AKB48」が起用されることが22日、分かった。AKB48は幅広い層に影響力があるのでお願いした」と説明。今後AKB48はテレビCMや新聞広告などに登場する。
今年1月の内閣府の自殺対策推進会議で「GKB」のキャッチフレーズを発表したときには、AKB48の起用は明かされなかったが、自殺対策推進室は「最終的な調整が済んでいなかったため」と説明している。
日本は自殺者数が14年連続3万人を超えたほか、平成22年は、15~19歳と20代、30代の死因の1位が自殺だった。
※産経ニュースさんより
いや、ネットにおける反応が結構ウケたんだけれども。
※下記に一部紹介。
10:名無しさん@12周年:2012/02/22(水) 21:50:01.00 ID:f+a61NCk0
やはり出来レースだったか
15:名無しさん@12周年:2012/02/22(水) 21:50:37.90 ID:NI+7wVnr0税金ドブに捨てるようなマネやめろや
何の意味もねーだろこういうのは
21:名無しさん@12周年:2012/02/22(水) 21:51:38.02 ID:qKvC/SSK0また電通ごり押しAKBかよいい加減うざい
35:名無しさん@12周年:2012/02/22(水) 21:53:31.03 ID:0vjzAELh0電通とマスコミの癒着で人気者ということにされてるC級、D級のタレントの笑顔って
うつ病で苦しんでる人や借金で追い詰められてる人の目に果たしてどんな風に映るんだろう。
48:名無しさん@12周年:2012/02/22(水) 21:55:00.79 ID:scsJcEhT0そんなことより
強化月間ってのは何がどう強化されるわけよ?
ただイメージキャラだのなんだのと広告刷っておしまいとかふざけた真似しないよな?
56:名無しさん@12周年:2012/02/22(水) 21:56:03.41 ID:LXrdbTmO0こんな糞餓鬼の言葉が響くかよ
109:名無しさん@12周年:2012/02/22(水) 22:00:56.44 ID:yEKLPYI30面接100連敗という経験もないくせに何が自殺阻止だよクソが
117:名無しさん@12周年:2012/02/22(水) 22:01:30.34 ID:YC5tSh7G0これがやりたいがためのGKBだったのかw
ほんと自殺者が置き去りだな※ふぇー速さんより
まあ、盛り上がっているようなので、これはこれで大事なことかと。
昨今自殺関係では暗いニュースが続いておりました。
上記にもあるGKB問題とか(どーでもいいんだけど)。
あとは、やっぱり一昨日はこれですね。
居酒屋チェーン「和民」の新入社員の女性が2008年6月に入社2か月で自殺した件が労災認定された。
問題のツィートには労災認定の件、大変残念です。四年前のこと 昨日のことのように覚えています。彼女の精神的、肉体的負担を仲間皆で減らそうとしていました。労務管理 できていなかったとの認識は、ありません。ただ、彼女の死に対しては、限りなく残念に思っています。会社の存在目的の第一は、社員の幸せだからです。と書いてあるのだが。
※テレネックさんより
(労災認定が残念というよりは、自殺や今回の件そのもの全体が残念だというふうには、自然と取れるツイートだけどな。)
いずれにせよ、企業が自殺の問題で糾弾されたり、あるいは、AKB48の起用について、2chで論争が巻き起こったりするだけでも、一般の人たちにとって、「自殺問題について考える時間」が増えることを考えてみるに、それらは全て「良いほう」へ繋がっていると、小生は信じます。
ライフリンク代表の清水さんは自殺防止対策基本法の成立にも尽力されたかっこいい兄ちゃんです。
「10万人署名してもらえたら、立法化できる、でもできるのかって、その時が一番キツかった。今も「(自殺者を減らすことが)できるのか」って思うときがないわけじゃない。でも、命削って一緒に闘ってくれた山本先生がいたから、それを思い出して、頑張ってる。」
と、涙ながらに話してくれたことがあって。
※山本先生のご活躍に関しては、国会での尾辻秀久参議院議員会長(当時)の追悼演説youtubeが熱いので、お時間ある方はこちらどうぞ。
「今、(自殺防止対策には)何もかもが足りない、お金も、考え方も、データも、政府の協力も、民間の意識も、法制化も、協力者も、すべてが足りていない。みんなに助けてほしい。みんなに知ってほしい。」
と語っていた清水さん的には、これはメジャー化のスタートラインと申しますか、また新たなる第一歩であるはずで。
弊社も遠くから静かに応援したい、ニュースでございましたので、本日はエントリでございます。
少し、この問題に「日が当たる」気が致します。
内閣府参与、清水兄が代表を務めるNPOライフリンクの「いのちと暮らしの相談ナビ」は、とてもシッカリとしたつくりです。
苦しいとき、必要なとき、いつでも覗いてみてください。
「自首するやついないのか」
2012.02.14|iwamura
ということで、バレンタインデーに恐縮ですが、牛めしの松屋さん、豪州産「肉」ではなく、豪州産「コメ」を使用とのニュースこちら。
うわ~、どうなんだろう。すでにコメが美味いから、小生は吉野家さんファンなのだが。。。
牛丼大手の松屋フーズは13日、新年度からオーストラリア産のコメを使用する方針を明らかにした。不作で輸入米を緊急的に使った1993年を除けば、牛丼大手で輸入米の使用は初めて。「震災などで自社の牛丼に向いた国産米の確保が難しくなった」ためで、試験的に導入する。激化する低価格競争も背景にある。
日本はコメに高関税を課す代わりに外国産米を年約77万トン、無税で輸入しており、これを使う。現在、国産の低価格米は1キロあたり230円ほど。豪州産米の国の売り渡し価格は210円(政府の利ざや含む)。
吉野家ホールディングスや、「すき家」などを展開するゼンショーホールディングスは「現時点で輸入米を使う予定はない」としている。
※朝日新聞デジタル(あれ名前変わりましたね)さんより
いやー、井上ひさし先生が最後の最後まで守ろうとした「コメ」の砦まで、ついに破られつつある、昨今です。
「低価格競争が背景に」って。。。
価格の高い低いの問題とともに、これはまさしく「うちは放射能のついていないコメです」という、松屋フーズさんにおける方向転換にほかならないわけで。
先だって、NHKスペシャルを見ていて、驚愕してしまったのだが。
東京電力・福島第一原発の事故によって、大気中に、そして海に放出された大量の放射性物質。事故から10か月、放射能汚染はどこまで広がり、その影響はいつまで続くのか。その実態を明らかにするひとつの鍵が「水」という存在だ。今回、NHKでは、専門家チームとともに初めて、原発から20㎞圏内の海の本格的な汚染調査を実施。同時に、陸においては、山間部の湖から河川もふくめた広範囲の調査も行った。そこからは、次々と新たな放射能汚染の実態が浮かび上がってきた。予想もしない場所で発見されたホットスポット。山奥の湖で、人知れず進行していたワカサギやイワナなど淡水魚の汚染。いずれも放出された放射性セシウムが、「水」を媒介にして意外な影響をもたらしている現実だ。こうした結果は、これまで事故以来、様々な調査にもとづいて作られてきた日本列島の「放射能汚染地図」を改めて書き換える必要があることを意味している。放射性物質はいかなるメカニズムによって運ばれ、魚介類に濃縮され、私たちの暮らしを脅かしていくのか、その知られざる実態に迫る。
※NHKウェブサイトより
まあ、そういうことです。
雨が降って、木々や地面にあった放射性物質が、水によって流され、川になって海にそそぐ。
「NHKがその結論をどうもっていったか」
というのは、NHKスペシャルを見るトキ、最も重要な観点となるのだが、その日の(上記の)NHKスペシャル結論は、「結局最後は東京湾が一番汚染されるだろう」。というものであった。
川から流れて河口が汚れて、いずれは湾全体に及ぶと。
築地の寿司は、大丈夫なのか。
江戸前のブランドは、どうなるのか。
これは深刻に受け止めるべき問題です。
そうした中、現場は頑張ってくれていると信じるのだが、またもやこんな大本営発表をどこまで信ずればよいのか。
東京電力福島第1原発2号機の原子炉圧力容器底部の温度計が上昇している問題で、東電は13日、「温度計の故障とほぼ断定した」と発表した。東電は「格納容器の中は多湿なため、時間がたつことで温度計につながる回線の切断や絶縁不良などを起こしたのではないか」と分析している。
問題の温度計は1月末から徐々に上昇傾向を示し、12日午後には保安規定で定めた規制値の80度を超えたため、東電は経済産業省原子力安全・保安院に報告するとともに、地元自治体に状況を説明した。温度計はその後も上がり、13日午後2時に91.3度を表示。温度計が正しく機能しているか確かめるための検査直後の同3時過ぎには計測限度の400度を超す値に急上昇。その後、夕方に275度前後となるなど、大きく変動した。
※毎日jpさんより抜粋
いやこれ壊れてないっしょ。動いてるし。
壊れたの持ってきて見せてくださいよ(勇気ある関係者さん内部告発ぷりーず)。
と、いうことで、内部告発ではなくて、「つーか自首しろ!」とおっしゃるご仁がとっても頼もしかったので最後にご紹介。
埼玉県の上田清司知事は13日の記者会見で、4月から企業向け電気料金を値上げする東京電力について「これだけ満天下に迷惑をかけて誰ひとり警察のご厄介にもなっていない。自首するやつはいないのかと言いたい」と、激しく批判した。
上田知事は例として「ガスタンクが爆発すれば御用になるし、デパートが火災になっても御用になる」と述べ、福島第1原発事故の刑事責任を取らないまま値上げを検討する東電への不満を爆発させた形だ。
また「詳細を明らかにしないまま値上げの金額だけ決めるという乱暴な手続き。散々節電の協力を強いられてきた人に極めてむごい仕打ちだ」として、値上げを延期すべきだとの考えを示した。
※47ニュースさんより
知事、、やりますな。。
「ごもっとも」でございます。
全ての東電社員さんを悪く言うつもりもないし、我々も使わせてもらっておりましたし、電気。
ただ、自首や責任問題は置いといてもらって構いませんので。
取り急ぎ、真実を我々国民全体に公表し、いち早く対応に動く体制作りだけは、今さらながらだけど、
「ちゃんとやってください。」
としか言いようがない。
温度計が壊れたとか、もう言わないように、よろしく頼みます。
M7クラスの地震が4年以内に70%の確率で発生する可能性につきまして/科学者の提言~「逆転の発想」糸川英夫~
2012.01.24|iwamura
日本列島、地盤がゆるんでいるようでございます。
首都直下地震など、マグニチュード(M)7クラスが懸念されている南関東での地震について、今後4年以内に発生する確率が約70%に達する可能性があるとの試算を、東京大地震研究所のチームが23日までにまとめた。
政府の地震調査研究推進本部はM7クラスの南関東での地震について、今後30年以内の発生確率は70%程度としている。研究チームの平田直・東大地震研教授は「発生確率はそもそも非常に高かったが、東日本大震災でより高まった可能性がある」としている。
※MSNニュースより抜粋
恐ろしい。
ですが、「備えあれば憂いなし」でございますので、転ばぬ先の杖。まずは冬の震災に備えまして、シュラフなんかが命を守るために重要であるかと存じます。
さて。
ここでお話は急転直下。
糸川英夫先生の「逆転の発想」へと進むのでございます。
はやぶさの生みの親と申しますか、はやぶさが向かった先が惑星「イトカワ」であって、まさに糸川先生は日本ロケット、および人工衛星の父でございます。
※ちなみにこっちの隼(敵に撃ち落されることなく、敵をすれ違いざまにできるだけ多く撃ち落す「旋回半径の小さい」戦闘機)も糸川先生の発明・開発であるのだ!
1974年の本なんですよね。38年前。
しかし古くないんですねー。古くない。むしろ新しい。
ロケット開発、いわゆる地球の科学の最先端を走った博士が、ビジネス観点から日本を斬る、という内容になっておりまして、経済成長著しい当時の日本において、大ベストセラーになった理由もうなずけます。
目次だけでも、ご紹介いたしましょうか。
・アイデア社長時代は終わった
・反企業時代の経営戦略
・人間性とは何か
・情緒過剰時代の生きがい
・ポストエコノミー社会の経済学
・80年代の新商品開発
・エネルギー/1985年
・日本を救う5000万人の民族大移動
ご確認いただきましてご理解いただけますように、地震や放射能、土地の下落、円高の今だからこそ、逆転の発想というか、正規の発想として、好む好まざるに関わらず、先生が予見された通り、日本人は最終章「民族大移動」よろしく、海外に職、仕事の場を求めざるを得ない状況に向かいつつあるように感じます。
※ちきりんさんだったりは、「移民受け入れ」ということを声高に叫ばれておりますが、このへんは糸川先生の理論と併せ、車の両輪と考えればすっと受け入れることができます。
日本人は優秀であり、マネジメント能力も高い。それを最大限に活用し、海外に働きに出、日本に金を送る。そうやって、世界に貢献する。この惑星の未来に貢献する。そして、アイデアやオリジナリティが高い国の補佐役として、徹底的にマネジメント能力を伸ばしたその後は。。。
とする、極めてテンションあがる前向きな書。
科学者、博士諸氏の提言は現実的で、しかし、彼らの希望的観測よりも、やはり我々凡人の運営する「社会」というものは、遅々として進んでおりません。
先生の10年後の展望が、今ようやく、40年たち「実現されようとしている」現実。
科学者、博士諸氏の冒頭提言「M7クラス4年以内」も我々は真摯に受け止め、準備しないといけないんだと思います。
そして今まさに、逆転の発想ではなく、正規の発想にて、我々は世界を舞台にしてゆかないといけない。
そうした心地いいパンチを、この本は貴兄に、きっと打ってくれるでしょう。
日本のペンシルロケットなめんなよ。
小さいロケットを、巨大化させる。それが糸川先生の信じ歩んだ道であります!