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松本復興相の発言とそのテンマツについて。
2011.07.07|iwamura
まあ、表題の件、どうでもいいと申しますか、メディアで沸くほどチマタでは騒がれておらず、「なんだか可哀想だよな」という感想につきます。
例えば厳しい意見だとこちら。
「どうして、この発言で、大臣が辞任しなければならないのか、よくわからない」という印象を抱いたであろう。
問題は発言のコンテンツにはないのである。
発言のマナーにある。怒鳴りつけられたり、恫喝を加えられたりされると、知性の活動が好調になるという人間は存在しない。
人間が目の前の相手の社会的能力を低下させることによって獲得できるものは一つしかない。
それは「相対的な優位」である。
動物の世界における「マウンティング」である。それ自体はいいも悪いもない。
ひとつの政治技術である。
それが有効であり、かつ合理的である局面もあり、そうでない場合もある。
今回彼が辞職することになったのは、政府と自治体の相互的な信頼関係を構築するための場で、彼が「マウンティング」にその有限な資源を優先的に割いたという政治判断の誤りによる。※内田樹の研究室~暴言と知性より抜粋
大事な局面での彼の非効率な振る舞いがマイナスだったと。
まあ、肝に銘じないといけないご意見だが、彼が辞める方が効率が悪い説もあるよな。
もちろん、ネタとして笑い飛ばしている御仁もいらっしゃるわけで、それぐらいでちょうどいいのかも知れぬ。いちいち怒るようなことではないような気もするのだ。
燃えよドラゴソ ミスター復興相・松本龍氏、見事に燃え尽き電撃辞任
菅政権も大事な御仁を失ってしまったようです。松本龍復興相があっさり陥落してしまいました。こういう貴重なネタ要員はいきなり処分せず、各方面からさまざまつつき回して面白発言をどんどん引き出し座布団を与えて富士山を超える高度まで持ち上げて珍重するべきで、個人的には際立って無粋な結末であり残念と思うところであります。
なんか辞任の言葉も振るってます。「チームドラゴンは無能な私を除いて最高のチーム」とか。なんだ、チームドラゴンって。
「チームドラゴンは無能な私を除いて最高のチーム」辞任会見要旨
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110705/plc11070510480016-n1.htm松本氏の件で、なぜかアカが突撃してきて延焼しているのも香ばしいわけですが。
koike_akira 小池晃
http://twitter.com/koike_akira/status/87711419822379008
[引用]松本龍大臣の発言は内容も口調も人間として最低。大臣はもちろん国会議員の資格なし。「書いたら終わりだぞ」というマスコミ恫喝は、部落解放同盟の地金が出たものでしょう。もちろん批判はされて然るべきと思いますけれども、部落とか今回は一応無関係だと思うんですよね。共産党は怖いものなしなので言いたい放題でかっちょいいです。私ももう少し見習いたいと思います。
とにかく今回の件はダイナミックすぎるところなんですけど、一連の流れで言うと<7月3日>宮城県知事に対して無礼な振る舞いをし、マスコミに対してオフレコ強要。7月4日にドラゴン開き直り。 「(態度も発言も)問題ない、辞めません」その翌7月5日に松本龍氏が辞任の意向。速い。速すぎる。本当に松本龍氏の一件は仏恥義理であります。
一連の話の中で、とびきり笑えたのは「私B型でちょっと短絡的」と釈明したフレーズですね。しかも、普段はめったに群れないB型人間がいっせいに反応して地鳴りのようになったという。茂木健一郎せんせもお怒りです。さすが、日ごろからデタラメ(ry な茂木せんせ、仰ることが違いますね。
九州人とB型を敵に回した松本大臣「私B型でちょっと短絡的」発言
http://blogs.itmedia.co.jp/sakamoto/2011/07/blood-type-b-ddcd.html
http://twitter.com/kenichiromogi/status/88004912696401920
[引用]「B型で短絡的」だとさ。大臣が、根拠のない疑似科学である「血液型人間占い」を信じている時点で、失格。A型はこうだとか、B型はこうだとか、よくそんなデタラメを信じて思考停止できるよな。あきれるぜ、全く。※やまもといちろうBlogより抜粋(切込隊長Blogじゃなくなりました)
批判をネタにするぐらいでちょうど良い。
※つーか、共産党も茂木さんもなんとかならんもんかね。
いや、頑張ってたと思うんですよ。松本先生も。
暴論かもしれないけれども、じゃあお前今から復興相やれって言われても、重すぎておれじゃできないもんな。
サッカーボール蹴ったり、時にオカシナことも言っちゃったり。でもさ、普通の精神じゃできませんよ。「復興相」だぜ。
怖いけれど、怖がる自分を説き伏せ、奮い立たせて、無我夢中で頑張ってた結果だと思うんだよな。
いろんな意味で、彼は能力が足りなかったのかもしれないが、しかし、馬鹿でもいいと俺は思うんだよな。頑張る人間を、数回のミスや発言だけで切ることのほうが、問題のような気がする。
「揚げ足取りと総スカン」
おれはこっちの方が、冒頭の「マウンティング」なんかより、よっぽど日本人の問題的側面だと思うぜ。
「許す」ことはひょっとしたら神様の仕事なのかもしれないけれども、「許す努力」は人間の愛の仕事だと思うのだが、どうだろうか。
なでしこジャパン強いな
2011.06.28|iwamura
自分は認識が甘かったのだが、なでしこジャパン(日本女子サッカー代表)って強いんだな。
※左側がFIFAランキングで、右がアジアランキングだな。
※wikipediaより
おお!
昨今の日本は「草食系」とか「男子がせくーすを嫌いになった」とか、いろいろ言われているのだが、女子が強かったつーだけの話ではないのか?
さて、それでは昨日の試合結果です。
[女子W杯] 日本 vs ニュージーランド ハイライト動画(ショートVer.)
[女子W杯] 日本 vs ニュージーランド ハイライト動画(ロングVer.)
2011年06月27日にレヴィアパワーシュタディオン(ボーフム)で行なわれた2011FIFA女子ワールドカップ/W杯ドイツ大会・グループリーグ、日本女子代表対ニュージーランド女子代表のYouTube速報動画です。
試合は、日本代表がFW永里優季(#17)とMF宮間あや(#8)のゴールにより、ニュージーランド代表に2-1で勝利しました。
日本代表のMF大野忍(#8)が先制ゴールをアシストしています。
<2011 FIFA女子ワールドカップ グループリーグ 試合結果>
日本女子代表 2 – 1 ニュージーランド女子代表
06’ [1 – 0] 永里 優季
12’ [1 – 1] アンバー・ハーン
68’ [2 – 1] 宮間 あや (FK)※Soccer douga sokuhoさんより
いや、これロングの動画だとよくわかるけどぜんぜん日本がうめいしつえーな。
もう一発いってみよう。
27日に行われる女子ワールドカップのグループB初戦でなでしこジャパンと対戦するニュージーランド女子代表のジョン・ハードマン監督は、「日本は女子サッカー界のバルセロナだ」と警戒した。『nzherald.co.nz』が報じている。
※サッカーキングさんより抜粋
バルセロナとな(笑)!
でも強いからなあ。「タレントぞろい」という意味なのかもしれぬ。
「安心して見られた試合だったね(ハート)」というメールを飛ばしてきた、サッカーキチ○イな先輩によると、なでしこジャパンがFCバルセロナであれば、メッシは18歳の岩渕真奈ちゃんだという。。。
※センパイ曰く「ひとりだけ次元を超えてうますぎ。」
う~ん、いろいろと気になる女子サッカー日本代表。
ワールドカップは下記日程でチェックだ!
グループリーグ第2戦 | 2011/07/01 15:00 | レバークーゼン | ![]() |
– |
メキシコ![]() |
|
---|---|---|---|---|---|---|
テレビ放送 【NHK-BS1】 <生中継>7月1日(金) 21:50~0:00(日本時間) 【フジテレビONE】 <録画放送>7月1日(金)25:00~27:20 (日本時間) |
||||||
グループリーグ第3戦 | 2011/07/05 18:15 | アウグスブルク | ![]() |
– |
日本![]() |
|
テレビ放送 【NHK-BS1】 <生中継>7月6日(水) 1:00~3:15(日本時間) 【フジテレビNEXT】 <録画放送>7月5日(火) 27:30~29:50(日本時間) |
世界一周に象徴される、夢の達成に必要不可欠なこと。
2011.06.16|iwamura
先日、古川聡さんの記事を書いたのだが。
彼のTwitterを見ていて、思うところがあった。
Astro_Satoshi 古川聡(JAXA宇宙飛行士)
みなさま温かい応援のお言葉、ありがとうございます。力をいただけています。打ち上げまで14時間余り。約5ヶ月半宇宙で仕事をしてきます。みなさまの熱い気持ちと一緒にいきたいと思っています。それでは、いってきます!
「みなさまの温かい応援」なんだよな。
そして、話題は急転直下。
この女のコもいい顔してるよな。
【5月15日 AFP】ヨットによる世界最年少の単独無寄港、無支援の世界一周を目指して前年10月にオーストラリアのシドニーから出航した16歳のオーストラリア人少女、ジェシカ・ワトソンさんが15日、シドニー港のフィニッシュラインを越え、世界一周を達成した。
ワトソンさんは15日午後2時(日本時間午後1時)の少し前、明るいピンク色のヨットに乗って、シドニー港のフィニッシュラインを横断した。
「数時間しか眠れなかったけど、今は興奮していると思う」と最終地点に到着目前のワトソンさんは語った。
認定機関の「世界帆走スピード記録評議会」は最年少記録カテゴリーを廃止したため、ワトソンさんの記録は公認されない。しかし、事実上の単独無寄港、無支援による世界一周の最年少記録達成だ。
※AFPBBニュース(15/5/2010)より抜粋(部分)
16歳か。年齢も関係ないわけではないが、「ひとり」で、大したものだと思う。
昨今、「ひとり」の冒険モノの本にハマっていて、よく読んでいる。
本を読まない人でもワリと気軽に入れるのが、以下2冊であろう。
表紙開いての中表紙から熱い。
「植村直己さんにささげる。」
高校生時代、喧嘩して停学中だった野口さんは植村直己さんの本を読んで、人生の目標を山に据える。
そして、エベレストをはじめとした7大陸世界最高峰への史上最年少登頂記録達成(当時25歳)。
でも、エベレストも2年連続失敗して、3年目の成功だったんだよな。
この本は少年院で真っ先にボロボロになる本(みんなが読み過ぎて)として有名です。
さて、山の次は海に話を戻します。
野口さんにおける植村さんのように、白石さんにおける師匠も偉大。
「多田雄幸」さん。彼も世界一周ヨットレースで優勝経験者。
そんな多田さんに白石さんは高校生時代に弟子入り。彼のサポートを務めながら、ヨットを学ぶ。
しかし、自身が過去優勝経験もした世界一周ヨットレースの最中、師匠多田さんは自ら命を絶ってしまう。
最も尊敬する師匠の突然の死。
白石さんはそれを克服し、師匠が乗っていた船で、史上最年少ヨット単独無寄港世界一周を達成する。
やっぱり当時25歳。そしてやっぱり2回失敗で3回目の挑戦。
熱すぎるんです。
さてそして、これらを読んで気がつく事は、やっぱり夢の達成や冒険そのものも凄いんだけれども(彼ら自身の努力ややってることは当然凄いんだけれども)、当時25歳で金も全く持たなかった彼らを、支えてくれた人たちがいたのだという事実。
彼らが「みんな」に応援された事実。「みんな」に愛された事実。
そこに尽きる。
上記2冊にも、冒険の記録とともに、彼らの感謝の言葉がいたるところに散りばめられていて、読んでいて何度も泣きそうになるのだ。
冒頭のワトソンさんも、宇宙飛行士の古川さんも、カッコイイし偉大だ。
だが、舟やロケットをつくり、彼女に彼に、操縦の手ほどきをし、地上からサポートをし、スポンサーになり、応援してくれた人は、1人や2人ではなかったと思うのだ。
さて、お話を本に戻そう。
白石さんのお師匠さんの多田雄幸さんの本も熱い。
超ハイテンション。ヨットが楽しくて楽しくてしょうがないっていう本。
彼の周りもきっと元気が出ただろうし、彼もやっぱり「愛された人」「応援された人」なんだなってわかる本。
あとがきから彼の感謝の言葉を抜粋。
そんなこんなで危険はあったけれど、私が風の力を利用して10万キロに及ぶ楽しい旅ができたきっかけは、偉大な冒険家植村直己さんに出会ったからで、知らず知らずのうちに触発され、また励まされたおかげです。
そして故郷長岡の八幡神社の奉納相撲で一回も勝ったことの無い、か弱い私が、多くの人の支持と力の盛り上がりのお陰で、なんとか完走できたうえに、優勝までするとは、奇跡的としか言いようがありません。
ここに数え上げたら気が遠くなるほど多くの方にお世話になりました。感謝いたします。
植村さんは冬のマッキンリーに登ったまま帰ってきませんでした。私の心にポッカリ穴があきました。私はこの塞がることの無い穴から洋々と拡がる海を見つめ、凝縮する世界ではなしに、自由に拡がる世界を絵に描けたらなあ、と夢見ている現在です。
多田さんが資金繰りに苦しんで、世界1周を諦めそうになった時に、真夜中タクシーを飛ばして、金を貸しに来てくれて、「最後までがんばれ」って励ましてくれたらしいんだよな。
植村さん、やっぱり熱いよな。
さあ、野口さん、白石さん、多田さんが敬愛する、日本が生んだ大冒険家、植村直己さんの本がこれだ!
※タイトルが既に熱いです。
野口さんが不良少年から一夜で登山家を目指したように、日本の冒険家が、すべからく神のように崇める植村さん。
この本にはその秘密の全てが書かれている。
と、思ってページをめくるのだが、冒頭から「神」はこうおっしゃる。
もう一度言わせてもらうが、本当にこれは自慢できるような話ではないのだ。
もしこの話に、みなさんが、崇高なアルピニズムの真髄といったようなものを求めているとしたら、先に謝ってしまうが、私は失格に決まっている。
くうぅ。。。
カッコイイのだ。
兎に角カッコイイのだ。
だが、アルピニズムの真髄はないかもしれないが(ありますが)、「夢を達成するための真髄」については、「神」の言葉がちりばめられています。
植村さんの、感謝の言葉が、散りばめられている本です。
夢を持つことやそれに向かって努力することは、ベースとして当たり前に重要だと思います。
ただ、本当に大きな夢をかなえる為には、仲間に愛され、多くの人の応援を得ることが必要不可欠なんだと思います。
ひとりはみんなの為に。
みんなはひとりの為に。
それらを、今日ご紹介した本は教えてくれます。
この4冊で10年寿命が延びると思う。
会社を休んででも、読むべき「愛」の本たちだと思います。
村上春樹さん:カタルーニャ国際賞スピーチ原稿
2011.06.14|iwamura
ということで、6月11日の反原発デモがすごかったようです。
「どーなのよ?」
という部分もあるが、やっぱりこういうのは民衆の声、力が重要な変革のファクターにはなるだろうから、どんどんやっちゃってください。
そして選挙もいこうね。
ただ、原発は賛成反対の二元論では落とし込めないほど、複雑怪奇なエネルギー利権マミレの世界ではあるのだ。
やっぱり遠い国でやれビンラディンがやられたけどあれはコラでまだ生きているとか、
でもあの人はそもそもCIAの職員みたいな人でしょとか、
あるいは撤退したと見せかけた米軍が今度はリビアで増えていないかとか、
チュニジアで起こった革命はエジプトは計算外だったけど、本当の狙いは元々リビアだったとか、
上記は全部ネタの域を出ないものではあるものの、結局「エネルギーと血」というものは、切っても切り離せない関係なわけで(上記は石油利権がらみではあるけれども)。
エネルギーは、その是非や正義かそうでないかだけで、始めたり、止められるような問題ではない。
と、理解したうえで。
村上春樹先生のカタルーニャでの授賞式の文章が美しかったので以下抜粋です(1/3くらいに抜粋しています)。
「非現実的な夢想家として」
残念なことではありますが、今日は少し深刻な話をしなくてはなりません。
ご存じのように、去る3月11日午後2時46分に日本の東北地方を巨大な地震が襲いました。
地震そのものの被害も甚大でしたが、その後襲ってきた津波はすさまじい爪痕を残しました。
今回の大地震で、ほぼすべての日本人は激しいショックを受けましたし、普段から地震に馴れている我々でさえ、その被害の規模の大きさに、今なおたじろいでいます。無力感を抱き、国家の将来に不安さえ感じています。
でも結局のところ、我々は精神を再編成し、復興に向けて立ち上がっていくでしょう。それについて、僕はあまり心配してはいません。我々はそうやって長い歴史を生き抜いてきた民族なのです。いつまでもショックにへたりこんでいるわけにはいかない。壊れた家屋は建て直せますし、崩れた道路は修復できます。
ここで僕が語りたいのは、建物や道路とは違って、簡単には修復できないものごとについてです。それはたとえば倫理であり、たとえば規範です。それらはかたちを持つ物体ではありません。いったん損なわれてしまえば、簡単に元通りにはできません。機械が用意され、人手が集まり、資材さえ揃えばすぐに拵えられる、というものではないからです。
僕が語っているのは、具体的に言えば、福島の原子力発電所のことです。
みなさんもおそらくご存じのように、福島で地震と津波の被害にあった六基の原子炉のうち、少なくとも三基は、修復されないまま、いまだに周辺に放射能を撒き散らしています。
十万に及ぶ数の人々が、原子力発電所の周辺地域から立ち退きを余儀なくされました。畑や牧場や工場や商店街や港湾は、無人のまま放棄されています。そこに住んでいた人々はもう二度と、その地に戻れないかもしれません。
なぜこのような悲惨な事態がもたらされたのか、その原因はほぼ明らかです。原子力発電所を建設した人々が、これほど大きな津波の到来を想定していなかったためです。何人かの専門家は、かつて同じ規模の大津波がこの地方を襲ったことを指摘し、安全基準の見直しを求めていたのですが、電力会社はそれを真剣には取り上げなかった。なぜなら、何百年かに一度あるかないかという大津波のために、大金を投資するのは、営利企業の歓迎するところではなかったからです。
また原子力発電所の安全対策を厳しく管理するべき政府も、原子力政策を推し進めるために、その安全基準のレベルを下げていた節が見受けられます。
我々はそのような事情を調査し、もし過ちがあったなら、明らかにしなくてはなりません。その過ちのために、少なくとも十万を超える数の人々が、土地を捨て、生活を変えることを余儀なくされたのです。我々は腹を立てなくてはならない。当然のことです。
しかしそれと同時に我々は、そのような歪んだ構造の存在をこれまで許してきた、あるいは黙認してきた我々自身をも、糾弾しなくてはならないでしょう。今回の事態は、我々の倫理や規範に深くかかわる問題であるからです。
ご存じのように、我々日本人は歴史上唯一、核爆弾を投下された経験を持つ国民です。1945年8月、広島と長崎という二つの都市に、米軍の爆撃機によって原子爆弾が投下され、合わせて20万を超す人命が失われました。
僕がここで言いたいのは、爆撃直後の20万の死者だけではなく、生き残った人の多くがその後、放射能被曝の症状に苦しみながら、時間をかけて亡くなっていったということです。
広島にある原爆死没者慰霊碑にはこのような言葉が刻まれています。
「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませんから」
素晴らしい言葉です。我々は被害者であると同時に、加害者でもある。そこにはそういう意味がこめられています。
そして原爆投下から66年が経過した今、福島第一発電所は、三カ月にわたって放射能をまき散らし、周辺の土壌や海や空気を汚染し続けています。それをいつどのようにして止められるのか、まだ誰にもわかっていません。これは我々日本人が歴史上体験する、二度目の大きな核の被害ですが、今回は誰かに爆弾を落とされたわけではありません。我々日本人自身がそのお膳立てをし、自らの手で過ちを犯し、我々自身の国土を損ない、我々自身の生活を破壊しているのです。
何故そんなことになったのか?
理由は簡単です。「効率」です。
原子炉は効率が良い発電システムであると、電力会社は主張します。つまり利益が上がるシステムであるわけです。
そして気がついたときには、国民がよく知らないうちに、地震の多い狭い島国の日本が、世界で三番目に原発の多い国になっていたのです。
そうなるともうあと戻りはできません。既成事実がつくられてしまったわけです。原子力発電に危惧を抱く人々に対しては「じゃああなたは電気が足りなくてもいいんですね」という脅しのような質問が向けられます。原発に疑問を呈する人々には、「非現実的な夢想家」というレッテルが貼られていきます。
そのようにして我々はここにいます。効率的であったはずの原子炉は、今や地獄の蓋を開けてしまったかのような、無惨な状態に陥っています。それが現実です。
原子力発電を推進する人々の主張した「現実を見なさい」という現実とは、実は現実でもなんでもなく、ただの表面的な「便宜」に過ぎなかった。それを彼らは「現実」という言葉に置き換え、論理をすり替えていたのです。
それは日本が長年にわたって誇ってきた「技術力」神話の崩壊であると同時に、そのような「すり替え」を許してきた、我々日本人の倫理と規範の敗北でもありました。我々は電力会社を非難し、政府を非難します。それは当然のことであり、必要なことです。しかし同時に、我々は自らをも告発しなくてはなりません。我々は被害者であると同時に、加害者でもあるのです。そのことを厳しく見つめなおさなくてはなりません。そうしないことには、またどこかで同じ失敗が繰り返されるでしょう。
「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませんから」
我々はもう一度その言葉を心に刻まなくてはなりません。
我々日本人は核に対する「ノー」を叫び続けるべきだった。それが僕の意見です。
我々は技術力を結集し、持てる叡智を結集し、社会資本を注ぎ込み、原子力発電に代わる有効なエネルギー開発を、国家レベルで追求すべきだったのです。核に対するアレルギーを、妥協することなく持ち続けるべきだった。核を使わないエネルギーの開発を、日本の戦後の歩みの、中心命題に据えるべきだったのです。
しかし急速な経済発展の途上で、「効率」という安易な基準に流され、その大事な道筋を我々は見失ってしまったのです。
我々は夢を見ることを恐れてはなりません。そして我々の足取りを、「効率」や「便宜」という名前を持つ災厄の犬たちに追いつかせてはなりません。我々は力強い足取りで前に進んでいく「非現実的な夢想家」でなくてはならないのです。(バルセロナ共同)
※毎日jpより抜粋(部分)
「地獄の蓋は開かれてしまって、その蓋はまだ閉じられていない。」
電力が足りる足りない以前に、これが圧倒的な現実なんだよな。みんな深夜にお笑いバラエティ見てる場合じゃないんだぜ。
【放射能漏れ】「東電の不作為は犯罪的」IAEA元事務次長一問一答+(1/2ページ) – MSN産経ニュース
【もんじゅ】 落下装置の引き上げは「工学的に不可能」であることが判明 : 【2ch】コピペ情報局
この辺をチェックしつつ、下記ニュースには拍手を送りたい気分ではある。
関電株主、原発からの撤退を 総会に提案 – 47NEWS(よんななニュース)
簡単じゃない。単純な二元論じゃない。
それでもしかし、正しいと思うことをちゃんと実行していくことは、未来への責務だよな。
「ヤクザと外国人に人権はないと教えられた」について。
2011.05.28|saito
「ヤクザと外国人に人権はないと教えられた」 元検事が暴露した驚くべき「新人教育」の実態。
齋藤です。
本日は、検事の驚くべき実態についてです。
冤罪事件として知られる佐賀市農協事件に関与した元主任検事が2011年5月23日、東京都内で開かれたシンポジウムに出演し、検察内部の驚くべき新人教育の実態を生々しく語った。「ヤクザと外国人に人権はないと教えられた」「検事が勝手に自白をしゃべって、それを被疑者に署名させるよう指導された」と過去の経験を暴露したうえで、「このような教育を受ける間にそれが当たり前だとなかば思うようになる」と、ゆがんだ教育の恐ろしさを語った。
古巣を告発する発言をしたのは、元検事の市川寛氏。2000年に発生した佐賀市農協事件に主任検事として関わった際、事情聴取した元組合長に対して「ぶち殺すぞ!この野郎!」と暴言を吐いて自白を強要。元組合長は背任容疑で起訴されたが、自白調書の任意性が否定されて無罪となった。その結果、市川氏は厳重注意処分を受け、検事を辞職することになった。
※市川寛氏
2005年に検事をやめ、現在は弁護士として活動している。
最近になり冤罪が証明されるニュースも増えてきました。
まだまだこういった現状があるという事を認識しておかなければいけませんね。
さて、具体的にはどのような指導を受けていたのか?
市川氏は1993年に横浜地検に任官したが、1年目のとき、先輩検事から「ヤクザと外国人に人権はない」と教えられたという。「その先輩が言うには『外国人は日本語が分からないから、日本語であればどんなに罵倒してもいい』ということだった」。さらにその先輩検事は「ある外国人の被疑者を取り調べたときに、千枚通しを被疑者の目の前に突き付け、日本語で罵倒した。こうやって自白させるんだ」と、市川氏に自らの経験を語ったという。
また3年目には、ある上司が自白調書の取り方を伝授してくれたが、それは検事が勝手にしゃべって調書にしたものを被疑者に突き付けて、署名させるという方法だったという。もし被疑者が署名を拒否したら、どうするのか。「被疑者が抵抗したら『これはお前の調書じゃない。俺の調書だ』と言え、と上司に教えられた」と、市川氏は当時を振り返った。
「このような教育を受ける間にだんだん、それが当たり前だとなかば思いそうになる。そして8年目のとき、自ら絶対にあってはならない暴言をはき、事件が無罪になり、辞職することになった」
このような指導が長年続いている事に正直、ショックを受けます。
ただ、本当にこういった実態だったのかは、内部の人間にしか真実がわかりません。
全ての方が同じではないと信じたいです。
※上記にも出てきました「佐賀市農協事件」の詳細です。
佐賀市農協事件
過大な担保評価で組合員の業者に融資し農協に損害を与えたとして、
背任罪に問われた佐賀市農協元組合長S被告(74)の判決公判が29日、
佐賀地裁であり、坂主勉裁判長は「違法な融資に当るとの認識も、自分や業
者の利益を図る目的があったとは認められない」として、懲役2年の求刑に
対し無罪を言い渡した。事件は内部告発を基に佐賀地検が独自捜査。担当検事がS被告に「ぶっ
殺すぞ、お前」など暴言で脅して自白調書を取ったことが公判で明らかにな
り、地裁は自白調書4通を証拠採用しなかった。S被告は公判当初から「不
正融資の認識はない」と無罪を主張していた。
検事は異動先の横浜地検で厳重注意処分を受け、同日退職した。※新聞等記事紹介より(平成16年1月30日佐賀新聞掲載記事)
無罪にならなかったら冤罪。。本当に怖い事です。
いつ自分に降りかかってくるか、わかりません。
こういった事に限らず、真実をねじ曲げられる事は、
いろいろな場面でありますが、負けないように強くありたいものです。
検事といえばこれですね!
HEROの久利生検事いい役だったよな~
児玉清さんのご冥福をお祈り申し上げます。
今後とも宜しくお願い致します。