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動物のデザインが斜め上な件
2009.05.23|umiushi
少し古いニュースですが、こちら。
新種の化石、大きな腕はハサミの起源か
イラスト(上)のような飛び出た目と“大きな腕”を持つ古代生物が発見された。最新の研究によると、節足動物によく見られるハサミやツメがどのように発達したのか、その進化上のミッシングリンクを埋めるものになるかもしれないという。
約5億年前の海には奇天烈な生物が多く「カンブリア大爆発」などと言われますが、
ところで英語で”Cambrian Explosion(カンブリアン・エクスプロージョン)”って言うと黄金聖闘士みたいでかっこいいでありますが、
脱線しそうなので話戻して。他にも、
・・・こんなイキモノ、東宝でも大映でも想像つきません。
事実は小説より奇なり、を地で行くような動物たちですが、今のイキモノでもそういうのがいる気がします。
たとえば、化石で
こんなのが出てきたとして、
こんな鼻が復元できるでしょうか。ホネ無いのに。
他にも、
これが化石で出てきた場合(なんだそのシャベルみたいな頭は)、
これ
にたどり着くのはかなり難しく、復元をめぐって先生方は知恵熱で寝込み、学会の飲み会は喧々諤々の酔い倒れとなるのであります。
我々が知っている動物も、実はけっこうアレ(褒め言葉)な進化をしてるのかも知れません。
毒で獲物を仕留めるコモドオオトカゲ
2009.05.22|umiushi
強いイキモノ、というのは男の子のハートをわしづかみにするものです。
恐竜なんてのはその白眉ですよね。問答無用、かかってこい、みたいな。
こういうのは腕力が強いわけですが、一方で
みたいに、毒があるから強いイキモノもいます。
体が少々貧弱でも、毒があれば身を守ることができるってことですよね。
さて、そこでこちらのニュース。
毒で獲物を仕留めるコモドオオトカゲ
フライ氏の研究チームは、動物園から譲り受けた2匹のコモドオオトカゲの頭部を切断し、その毒を生化学的手法で調査した。2匹はともに、末期疾患のため安楽死させなければならない状態にあった個体である。
調査の結果、コモドオオトカゲの毒に感染した動物は急速に血圧が低下し、失血が進んでショック状態になり、戦うことができないほど衰弱してしまうことが判明した。毒の成分のうち、血圧を低下させる作用のある一部の化合物は、西オーストラリアに生息し世界で最も強力な毒を持つといわれているヘビ、“ナイリクタイパン”の毒にも劣らないほどの効力があった。
研究チームのメンバーは今回の発見に衝撃を受けたが、フライ氏はそれほど驚かなかったという。同氏は以前にイグアナ、アシナシトカゲ、オオトカゲなどを調べたことがあり、その際にこれらのトカゲも毒を持っていることが確認されていたからだ。
コモドオオトカゲ、英語でコモドドラゴンといえば、最大の爬虫類のひとつ。
全長200-300cm、体重約70kg[1]で、最大全長313cm。最大体重166kg。メスよりもオスの方が大型になる。最大全長はトカゲ亜目最長種ハナブトオオトカゲに 及ばないが、同じ全長の場合本種の方が体重が重いためトカゲ亜目の現生種では世界最大種とされる。本種の分布域には数万年前まで肩高150cmのゾウが分布していたため、それらを捕食するために大型化したとする説もある。体形は頑丈で、体色は暗褐色や暗灰色一色で、頸部や背面では褐色を帯びる個体もいる。
(ウィキペディアより)
基本的に動物の場合「でかい奴が強い」という誠にもって単純なオキテがあります。が、シカすら飲みこむというまさに「ドラゴン」、
そいつが毒まで持ってるのは反則でねえべか?
はっきり言って、こんなのが日本にいなくて良かった。危なくてキャンプもできんではないか。
セアカゴケグモを食べるハチ
2009.05.08|umiushi
昨年ですが、外来種問題を取り上げたことがありました。
(こう書くと社会派ブログみたいでかっこいいですな)
そのときもご紹介しましたが、1990年代に材木にまぎれて日本にやってきた毒グモがセアカゴケグモ。
漢字で書くと「背赤後家蜘蛛」・・・にっかつロマンかよ。
その後生息範囲も拡大し、もはや完全に日本に定着した感がありましたが、栄枯盛衰は世の理、こんなニュースが。
セアカゴケグモの“天敵”ハチ発見 針で一刺し、麻痺させて捕食
強い毒性を持つセアカゴケグモに、国内では存在しないとされてきた捕食者がいることが7日、大阪市立自然史博物館の調査で分かった。一方で、大阪府内で 昨年度、セアカゴケグモによる被害例が過去最多を記録したことが判明。繁殖を繰り返す毒グモの“天敵”が発見されたことで、関係者は被害拡大が防げるので はと期待している。
同館学芸員の松本吏樹郎さんと同館友の会会員の北口繁和さんの調査によると、クモバチ(ベッコウバチ)の一種の「マエアカクモバチ」が、セアカゴケグモを 捕食していることが確認された。平成19年9月に長居公園(大阪市東住吉区)で初めて確認されてからは、この数年間に、堺市堺区内や大阪府豊中市内の石垣 のすき間や公園の地面などでも、このハチが針で刺して麻痺させたセアカゴケクモをアゴでくわえ引きずっている姿が観察されたという。
(産経新聞)
いわゆる「狩りバチ」の仲間のようですが、
■首都大学東京の清水晃助教(生物多様性)の話
「マエアカクモバチは国内でも比較的まれなハチで、生態があまりよく知られていない。毒グモの駆除に使えるほど増殖させることができるか疑問の余地があるが、いい意味での影響が期待できるだろう」
というのはちょっと心もとないですかね。
———————————
しかし、もしこのハチを増やせるようになっても、野に放つのは考え物かもしれません。
というのもたとえば、アメリカに「キラービー(殺し屋ミツバチ)」という危険なハチがいまして、けっこう刺される被害が多いわけですよ。
そこでアメリカ人、
「アジアにはミツバチを皆殺しにする、オオスズメバチってのがいるらしい」と聞きつけ、
「そいつを移入してキラービーを駆除できないか?」ってノリで日本に視察に来たらしいんですが、
「・・・」
「・・・キラービーより危ない・・・」
めでたくこの企画はお蔵入りになりました。
季節外れの雪が降ってる
2009.05.01|umiushi
以前もちらっと「むかし青森に住んでた」「っていうか弘前にいた」という、誰も得しない個人情報をさらしたことがあるのですが、その弘前の方からお便りをいただきました。
何でも今、弘前公園の桜が満開だというのに、雪が積もったとか。
そして最近は三日月、と。
これは・・・
乱れ雪月花!
というサガファンの妄想は置いときまして、かなり古いですがこのニュース。
「カマキリに積雪の予知能力があり、高い所に産卵すると大雪」という一般に知られた説に対し、弘前市の安藤喜一(よしかず)弘前大学名誉教授(68)=昆虫学=は検証の結果、「誤りである」との結論を出した。この説は「カマキリの卵は雪に埋もれると死ぬ」ことを前提にしているが、雪の下に約 四カ月間あった卵を採集したところ、97.9%が孵化(ふか)し、卵には耐雪性があることが判明。産み付けられた高さも百八十センチ-十八センチとまちま ちで、大半が雪に埋もれて越冬することが分かった。
僕も信州出身ゆえ、「カマキリの卵を産む高さは、その冬の積雪量より上」という話は小さい頃から聞いていました。
結論から言うと、ハズレ。彼女らは雪に埋もれる高さにも産むうえ、かえって雪に埋もれたほうが孵化率は高い、ということのようですな。
某掲示板風にいうと
アマチュア気象学「カマキリの卵って雪にうもれなくね?」
アマ気象学「だって埋もれたら死ぬじゃん!」
・・・40年データ集めて解析・・・
アマ気象学「やっぱり埋もれない高さに産んでるじゃん!」
某大学「お前の研究すごい。もう博士号あげちゃう」
・・・一方そのころ・・・
昆虫学「・・・っていうか、ほんとに雪に埋もれたら死ぬのかよ?」
昆虫学「実験したら、雪に埋もれたほうが生き残るじゃん!」
昆虫学「それも問題だけど、そもそもこれデータいじりすぎだろ!」
昆虫学「だいたい解析の仕方で別の結果でるだろ!」←今ココ
というわけで、「カマキリの卵は雪に埋もれると死ぬ」という前提条件から実は間違いだった、という話でした。
科学的議論のあるべき姿ではあるので、これ以上は申しません。
アマ発見の小惑星に「Kaguya」、月探査衛星にちなむ
2009.04.21|umiushi
「かぐや」の名が付いた小惑星(矢印)(国立天文台提供)宇宙航空研究開発機構は17日、アマチュア天文家の佐藤直人さん(55)が発見した小惑星に、日本の月周回衛星にちなんだ「kaguya(かぐや)」という名前がついたと発表した。
佐藤さんがこの小惑星を発見したのは1996年11月で、名前を付けようとはしていなかった。昨年1月に勤務先の埼玉県入間市児童センターで宇宙機構かぐ やチームの研究者が講演したのがきっかけで、宇宙機構から命名を提案され、佐藤さんが国際天文学連合に申請した。今月、正式承認の発表があったという。
佐藤さんは、衛星の名前が公募で決まったことを踏まえ「多くの人が関心を持ち、願いを持って付けられた『かぐや』という名前になり、うれしい」と話している。
(47news)
だ、そうです。
昆虫とか化石に並んで、天文もアマチュアの貢献度が高い分野ですね。
しかし「かぐや」とはまた、雅な名前です。
原典たる「竹取物語」の原文は、僕にはほとんどギリシャ語みたいな外国語にしか見えないんですが、星新一さんの現代語訳版は読みやすかったです。
写真ではただの点ですので、他の小惑星の写真をば。
小惑星エロス
しかし小惑星ってのは、遠目にはジャガイモにしか見えないので画像が地味になりますね。
(天文学・惑星科学者のみなさん、すいません)
————
さて、先ほど触れました昆虫など、生物の命名には規約があるので、あまりご無体な命名はされづらい、はずです。
(以前、ゴジラだガメラだと馬鹿炸裂な例もご紹介しましたが)
しかし天文学はそのへん融通が利くというのかアレというのか。たとえば
仮面ライダー
やなせたかし
アンパンマン
などなど・・・これ全部小惑星の名前。(Wikipediaより)
海外でもミスタースポックとか阿呆な名前つけてますね。
いいぞ、どんどんやれ。