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人間の脳を持ったロボット開発プロジェクト
2012.03.09|shiozawa
近年はロボット開発も今まで以上に進んでいます。
ですが、そんな私の想定をはるかにしのぐ、未来のロボット開発プロジェクトがロシアでは進んでいるようです。
■「意識をマシンに移植する」プロジェクト:ロシア
米軍は兵士の代理(アバター)として行動できる2足歩行ロボットを開発しようとしているが、ロシアではロボットに「人間の脳」を移植するプロジェクトが進んでいる。
最終目標は「永遠に人間の意識を保つホログラム・マシン」の開発だ。ロシアでいくつかのメディア企業を運営するドミトリー・イツコフ氏(31歳)はSFを彷彿とさせる独自の冒険的な一大プロジェクトに乗り出しており、それは米軍のプロジェクトを凌ぐものになると期待している。
人間の脳を持ち、永遠に人間の意識を保つロボットを開発する、というのが同氏の計画だ。
「このプロジェクトは永遠の命につながる。完璧なアバターを持った人は、社会の一部として存在し続けることができるのだ」と、イツコフ氏はWired.comに語った。
同氏は露New Media Stars社の創設者であり、最近モスクワで開催されたカンファレンス『Global Future 2045』を組織した人物でもある。
このカンファレンスは、未来学者レイ・カーツワイル(日本語版記事)らを招いて、2月17日から20日まで開催された。
引用:WIRED.jp
なんか話がぶっ飛んでいますよね。
“人間の脳をもつ”
つまりは、人間のもつ思考回路に限りなく近いアルゴリズムをもつロボットなのでしょうか
それとも人間の脳をロボットに移植して、永遠の命を手に入れる
ということなのでしょうか。
まるで手塚治虫の漫画“火の鳥”の世界のようです。
あくまでプロジェクトの最終目標なので、いつ実現するかわらない課も知れませんし、
実際の現在の最新技術はこのようなもので
<人間のように歩くロボット>
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=xlOwk6_xpWo
引用:YouTube
確かにどんどんロボットの動きが人間に近くなってきていますが、ロシアのプロジェクト目標と比較するとまだまだ。
ジャンルは少し違えど、技術の差をすごく感じます。
また、アメリカもロシアに負けじと大きな目標を掲げておりまして、
■「人間代用ロボ」を米軍が開発へ
米国防高等研究計画局(DARPA)は、2足歩行ロボットを兵士の代理(アバター)として行動させる『Avatar』プロジェクトを開始する。
米国防高等研究計画局(DARPA)は、2月13日(米国時間)に発表した28億ドルに及ぶ2013年度予算の中で、『Avatar』と題されたプロジェクトに700万ドルを割り当てている。
このプロジェクトの目標は、同名の映画を思い出させるものだ。DARPAによるとAvatarプログラムとは「兵士が半自律型の2足歩行ロボットとパートナーになり、そのロボットを兵士の代理として行動させるための、インターフェースおよびアルゴリズムを開発する」ものだ。
これらのロボットは、誰もやりたがらない戦争関連の作業をこなせるくらい賢く、機動性に富んでいなくてはならない、とDARPAは説明する。つまり「部屋の掃除、歩哨の管理、(そして)戦闘による損害の回復」といった作業を、パートナーである人間の命令に従って行うという。
引用:WIRED.jp
ロシアほどではありませんが“半自律型ロボット”という事で、ある程度はみずから状況を把握し、自発的に行動をとるということでしょう。
そして、こう行った研究には日本も絡んでおりまして、
■「思考で制御される外骨格」:脳活動で歩行ロボットを遠隔制御する日米共同研究
デューク大学と日本の国際電気通信基礎技術研究所の研究者らは、サルの脳活動だけを使って、京都にあるランニングマシンの上で人型ロボットを歩かせることに成功した。
身体麻痺障害者に役立つシステムのほか、兵器開発にもつながる、「思考で制御される外骨格」をめざす研究だ。
同じ研究者チームが2007年3月、脳によるコントロール兵器に関して特許を取得したことは、すでにワイアードで紹介した(英文記事)通りだ。
New York Times紙の記事から引用する。
この実験を準備段階で、Idoya(サルの名)はランニングマシンの上を直立歩行するよう訓練された。Idoyaは、手すりをしっかりと握り――ほうびに干しぶどうやシリアルなどを与えられ――、異なる速度で前後に歩行する訓練を、1日15分間、週3回、2ヵ月にわたって続けた。
一方で、Idoyaの脳内で脚の運動をつかさどる部分に埋め込まれた電極が、歩行中に活性化した250〜300のニューロンの活動を記録した。いくつかのニューロンは、足首やひざ、股関節が動いているときに活発に反応した。
他のニューロンは足が地面に触れたときに反応した。また、動作を予測して活性化するニューロンもあった。
引用:WIRED.jp
2007年の時点でこれだけの事を実現できていたのですから、2012年の現在は人間で実現できていてもおかしくないように感じます。
私の主観ですが、こういった自立型ロボットの開発は“戦争の道具”になるイメージが非常に強いです。
きっと、こういったロボットが登場する映画は決まって殺し合いをするからでしょう。
先ほどもはなしました手塚治虫の『火の鳥2・未来編』では
「未来の都市では、『高速道路』というものが建設され、
人工衛星、月ロケット、立体テレビ、テレビ電話、ロボット、等々、
科学はどんどん進歩していくが、物質欲に溺れ過ぎ、人類の精神性が退化していく」
今のところ手塚治虫の言った未来に限りなく近い道を私たちは歩んできています。
考えすぎかもしれませんが、
とても45年も昔に描かれた漫画とは思えません。
果たして、ロシアのプロジェクトが実現された時の私たちの未来は。。。
ありがとうございました。
3月1日 “Peachの運航スタート”
2012.03.02|shiozawa
今日はかなりリアルタイムなお話です。
昨日の3月1日に日本の航空会社としては始めての格安航空機が就航したそうです。
名前は“Peach (ピーチ)”。
■LCC「ピーチ」、関空-新千歳、福岡便が就航
全日本空輸(ANA)などが出資する格安航空会社のピーチ・アビエーション(大阪府泉佐野市)の初便が2012年3月1日早朝、関西国際空港から新千歳空港に向けて出発した。
ピーチは当面、関西-新千歳線を1日3往復、関西-福岡線を4往復する。
ピーチは関西国際空港を拠点に、今後は長崎、鹿児島、那覇、ソウル(仁川)、香港、台北に乗り入れることが決まっている。
引用:J CASTニュース
LCCとは格安航空会社のことのようです。
格安と言う事で短距離だけだと思いましたが香港まではいけるようですね。
飛行機のデザインはこんなかんじです。
ロゴと一緒で桃色です。
そして格安航空は座席が狭いイメージですが、
この画像だけですと普通の気がします。
JALのエコノミーもこれと大差なかった気がしますが、実際は座ってみないとわかりません。
ただ、私が想像していたのはこんなかんじ。
<“エアクラフトショー”でお披露目された“スタンディング・シート”>
これに比べりゃ全然広いですね。
そして、やっぱり男が気になるのはCAの制服です。
従来のイメージよりかなり今風の感じがします。
清潔感もあって、思っていた以上に素敵な征服です。
想像では上下桃色で“林家パー子”見たいになっちゃうかなと想像しましたが安心しました。
肝心なお値段は
大阪-札幌 間を4280円~14780円。
大阪-長崎 間を3780円~11780円。
確かに安いですね。
最安値の時を選択すれば新幹線より安いかもしれません。
ただ、関西国際空港だけなので関西在住の方限定でお得。
羽田にもマレーシアの格安航空会社(LCC)大手のエア・アジアが就航していますが、国際線なので、Peachレベルに安い国内線も関東に来る事、増える事を楽しみにしています。
ありがとうございます。
「自首するやついないのか」
2012.02.14|iwamura
ということで、バレンタインデーに恐縮ですが、牛めしの松屋さん、豪州産「肉」ではなく、豪州産「コメ」を使用とのニュースこちら。
うわ~、どうなんだろう。すでにコメが美味いから、小生は吉野家さんファンなのだが。。。
牛丼大手の松屋フーズは13日、新年度からオーストラリア産のコメを使用する方針を明らかにした。不作で輸入米を緊急的に使った1993年を除けば、牛丼大手で輸入米の使用は初めて。「震災などで自社の牛丼に向いた国産米の確保が難しくなった」ためで、試験的に導入する。激化する低価格競争も背景にある。
日本はコメに高関税を課す代わりに外国産米を年約77万トン、無税で輸入しており、これを使う。現在、国産の低価格米は1キロあたり230円ほど。豪州産米の国の売り渡し価格は210円(政府の利ざや含む)。
吉野家ホールディングスや、「すき家」などを展開するゼンショーホールディングスは「現時点で輸入米を使う予定はない」としている。
※朝日新聞デジタル(あれ名前変わりましたね)さんより
いやー、井上ひさし先生が最後の最後まで守ろうとした「コメ」の砦まで、ついに破られつつある、昨今です。
「低価格競争が背景に」って。。。
価格の高い低いの問題とともに、これはまさしく「うちは放射能のついていないコメです」という、松屋フーズさんにおける方向転換にほかならないわけで。
先だって、NHKスペシャルを見ていて、驚愕してしまったのだが。
東京電力・福島第一原発の事故によって、大気中に、そして海に放出された大量の放射性物質。事故から10か月、放射能汚染はどこまで広がり、その影響はいつまで続くのか。その実態を明らかにするひとつの鍵が「水」という存在だ。今回、NHKでは、専門家チームとともに初めて、原発から20㎞圏内の海の本格的な汚染調査を実施。同時に、陸においては、山間部の湖から河川もふくめた広範囲の調査も行った。そこからは、次々と新たな放射能汚染の実態が浮かび上がってきた。予想もしない場所で発見されたホットスポット。山奥の湖で、人知れず進行していたワカサギやイワナなど淡水魚の汚染。いずれも放出された放射性セシウムが、「水」を媒介にして意外な影響をもたらしている現実だ。こうした結果は、これまで事故以来、様々な調査にもとづいて作られてきた日本列島の「放射能汚染地図」を改めて書き換える必要があることを意味している。放射性物質はいかなるメカニズムによって運ばれ、魚介類に濃縮され、私たちの暮らしを脅かしていくのか、その知られざる実態に迫る。
※NHKウェブサイトより
まあ、そういうことです。
雨が降って、木々や地面にあった放射性物質が、水によって流され、川になって海にそそぐ。
「NHKがその結論をどうもっていったか」
というのは、NHKスペシャルを見るトキ、最も重要な観点となるのだが、その日の(上記の)NHKスペシャル結論は、「結局最後は東京湾が一番汚染されるだろう」。というものであった。
川から流れて河口が汚れて、いずれは湾全体に及ぶと。
築地の寿司は、大丈夫なのか。
江戸前のブランドは、どうなるのか。
これは深刻に受け止めるべき問題です。
そうした中、現場は頑張ってくれていると信じるのだが、またもやこんな大本営発表をどこまで信ずればよいのか。
東京電力福島第1原発2号機の原子炉圧力容器底部の温度計が上昇している問題で、東電は13日、「温度計の故障とほぼ断定した」と発表した。東電は「格納容器の中は多湿なため、時間がたつことで温度計につながる回線の切断や絶縁不良などを起こしたのではないか」と分析している。
問題の温度計は1月末から徐々に上昇傾向を示し、12日午後には保安規定で定めた規制値の80度を超えたため、東電は経済産業省原子力安全・保安院に報告するとともに、地元自治体に状況を説明した。温度計はその後も上がり、13日午後2時に91.3度を表示。温度計が正しく機能しているか確かめるための検査直後の同3時過ぎには計測限度の400度を超す値に急上昇。その後、夕方に275度前後となるなど、大きく変動した。
※毎日jpさんより抜粋
いやこれ壊れてないっしょ。動いてるし。
壊れたの持ってきて見せてくださいよ(勇気ある関係者さん内部告発ぷりーず)。
と、いうことで、内部告発ではなくて、「つーか自首しろ!」とおっしゃるご仁がとっても頼もしかったので最後にご紹介。
埼玉県の上田清司知事は13日の記者会見で、4月から企業向け電気料金を値上げする東京電力について「これだけ満天下に迷惑をかけて誰ひとり警察のご厄介にもなっていない。自首するやつはいないのかと言いたい」と、激しく批判した。
上田知事は例として「ガスタンクが爆発すれば御用になるし、デパートが火災になっても御用になる」と述べ、福島第1原発事故の刑事責任を取らないまま値上げを検討する東電への不満を爆発させた形だ。
また「詳細を明らかにしないまま値上げの金額だけ決めるという乱暴な手続き。散々節電の協力を強いられてきた人に極めてむごい仕打ちだ」として、値上げを延期すべきだとの考えを示した。
※47ニュースさんより
知事、、やりますな。。
「ごもっとも」でございます。
全ての東電社員さんを悪く言うつもりもないし、我々も使わせてもらっておりましたし、電気。
ただ、自首や責任問題は置いといてもらって構いませんので。
取り急ぎ、真実を我々国民全体に公表し、いち早く対応に動く体制作りだけは、今さらながらだけど、
「ちゃんとやってください。」
としか言いようがない。
温度計が壊れたとか、もう言わないように、よろしく頼みます。
NHKスペシャル エベレスト~世界最高峰を撮る
2012.02.09|iwamura
「おれは、それが一番美しく見える場所を、知っているから。」
「おい、ガイドが必要ないか。」
カトマンドゥはタメル地区。
体臭と喧噪、わずかに漂う山の匂い。
街を歩いているときに、自分を観光客と見定め、売り込みに近づいて来た男がいた。
彼の売り文句が冒頭の言葉である。
「そうか、お前はエベレストを見ることが人生の夢の一つだったのか。
よし、わかった。俺を連れて行け。
なぜなら、俺はそれが一番美しく見える場所を、知っているからだ。」
交渉成立。
1日に10ドル。客の荷物は持たない(ポーターではなくガイドであるよという彼の尊厳)。
宿代、飯代、彼の分は当方持ち(現地人間は旅行者と違う料金設定がある~もちろん、食事や宿泊施設の内容が客と同じことはまれであるが~)。
あとは、エベレスト街道玄関口、ルクラまでの往復チケット2名分を当方が持つ。
彼は、このガイドで100ドルをママに渡せると気合を入れていた。
※ルクラ(2800メートルぐらい)空港は空母みたいで激ヤバ。滑走路は400メートル程度。風や霧もすごい。「世界で最も危険な空港のひとつ」としても有名。
エベレスト街道はルクラから始まる。
既に空気は山のものになった。心地いいぴりっとした硬さが、空気の中にある。
その日はルクラ泊。翌日から街道を歩きだす。
そして歩きだすとすぐに、始まってしまうのですヒマラヤの風景が。
見えてくる見えてくる。
神々の山嶺(いただき)たちが。
サガルマータ国立公園を入ると、もはや「ヒマラヤのふところに飛び込んだ」感がありました。
これが世界のジャイアンツたちか。
長野育ちですから、「3000メートルの2倍とか3倍ぐらいかな」という大方の予想はしていたものの、いや、とにかく未経験なデカさなわけです。
写真では伝わらないなあ。本当はもっと大きかったんだけどなあ。
そして、ガイドの彼は3日目、約束通り連れて行ってくれたのでありました。
ホテル・エベレスト・ビューから望むエベレストがこれだ。
息をのむような、と、よく形容されるが。
息ができなくなる、圧倒的な質量をともなった、美しさであった。
胸が苦しい、そんな風景だった。
標高8848メートル。
この地上で唯一無二の場所。トップ・オブ・ザ・ワールド。
そんな山嶺に、われらがNHK先生が、ついにハイビジョンカメラを持ち込み、撮影に成功いたしました。
正月の番組だったっぽいけど、これはすごいわ。
逆にこんなに簡単に見せてもらっちゃっていいのかなという感じ。
小生の後輩も世界100か国以上を回ったハードコアバックパッカーだったが、チベットヒマラヤの国境越えを境に、真面目に就職してしまった。
曰く
「地球上にこんなにも美しい景色があることが分かったので、もう旅はいいかなと思った。」
さて。
冒頭に話を戻しますが、ネパールの最大の収入源は観光です。
この国は貧しい。
1988年の水害では、国土の60%以上が水没。
1億人の国民のうち、3000万人が家を捨てたといわれる。
また、昨今はブータンとの民族問題もある。
洪水、貧困からの民主化運動の成功。一時的とは言え、共和制がしかれた。
ネパールと同じく王政をしいていた隣国ブータンは革命の飛び火に恐れをなして、ネパール系住民の国外退去を命じた。
ただでさえ苦しい情勢に、難民の受け入れ。
90年代初頭から、この国のリアルな環境問題と経済危機はすでに始まっていた。
増える人口、切り倒される木々、温暖化、発生する洪水、観光客数の減少。
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我々には今日も明日もやることがある。
毎日仕事をしなければならない。
その「仕事」が、地球の生命を縮めている可能性だってある。
もちろん、旅行やレジャーだって、同罪ではある。
ただ、そうしたカルマにまみれた我々の人生に、一瞬の考える暇(いとま)を、ヒマラヤは与えてくれた。
そこには強く美しい、神々がいた。
飛行機代分、その後の人生で地球に貢献できることが約束できそうなら、
ぜひ一度、体感してもらいたい、地球の屋根たちです。
おすすめでございます。
“アフリカ デザーテック構想”の波にのれるか。
2012.01.06|shiozawa
明けましておめでとうございます。
昨年に引き続き金曜日は、2012年も世界の産業系のネタを中心に色々と書かせていただきたいと思います。
アフリカのモロッコあたりの国を中心に将来、
“ヨーロッパ中に電力を輸出する国になる”
と言う壮大な構想を持っているそうだ。
その名は“デザーテック構想”。
■欧州、中東、アフリカ… 脱CO2巨大プロジェクトのインパクト
国境を超えた巨大プロジェクトを、欧州企業が打ち出した。「デザーテック」だ。
アフリカ北部のサハラ砂漠に巨大な太陽熱発電所を設置し、地中海の海底ケーブルを通じて欧州に送電する。
2050年までに欧州大陸の電力需要の15%を賄う計画だ。
総事業費4000億ユーロ(約50兆円)という壮大な構想だ。
スイスの重電大手ABB、独シーメンス、独電力大手RWE、独ミュンヘン再保険、ドイツ銀行など 10社以上が参画する。
「デザーテック」構想による再生可能エネルギー電力主体の送電網のイメージ。発電方法は左列上の赤い画像から太陽熱発電、太陽光、風力、右列上から水力、バイオマス、地熱。2012年までに技術、財政、法制面でのFS調査を実施。既にモロッコ政府・エネルギー省と初期段階の立ち上げに関し、協議している。この構想はABBが90年代に発案し、北アフリカの再生可能エネルギーを欧州都市に送る詳細な設計を示していた。こうした長距離送電には同社の高圧直流(HVDC)送電技術が生かせる。
ようやく時代が同社の戦略に追い付いてきた。「気候変動問題は、当社のビジネスにかつてない追い風になっている。
長期的な事業なのですぐに利益に貢献しないが、環境分野での当社の評価を高める」と、ABBのジョセフ・ホーガンCEO(最高経営責任者)は言う。
引用:ECO JAPAN
アフリカにある巨大なサハラ砂漠に発電地帯を作ってしまおうという計画のようです。
総予算50兆円。魅力的な数字です。
実際のところ、何100兆円もかかりそうな話に感じられます。
このヨーロッパと北アフリカを跨いだ巨大プロジェクト。第一弾はすでに進み始めているようです。
■モロッコが再生可能エネルギーを輸出へ
モロッコが、太陽エネルギーなどの再生可能エネルギー事業に大きく舵(かじ)を切り始めた。
同国政府は2009年1月、太陽熱発電や太陽光発電などの太陽エネルギー発電設備を2020年までに少なくとも2000MW(メガワット)規模で導入する長期計画を発表。
その第1段階として、モロッコの中央部に位置するOuarzazateに複数の発電設備をつくり、2014年までに500MW規模の発電を開始するのが当面の目標だ。
<モロッコ太陽エネルギー庁長官のムスタファ・バクリ氏>
―北アフリカで太陽エネルギー発電を行い、欧州に電力を供給する「デザーテック構想」などの広域プロジェクトにもモロッコは積極的に参加している。
国内の計画と欧州・北アフリカ地域の計画はどのような関係になるのか。
モロッコ国内の状況に合わせてエネルギー計画を進めているが、一方でデザーテックや地中海ソーラープラン(MSP:Mediterranean Solar Plan)といった広域のアプローチにも積極的に参加している。
国内と広域の二つのアプローチは、不整合なものではなく、補完しあうものと考えている。
もともとモロッコは、エネルギー面で見ると欧州に統合されている。
スペインとの間には1400MW(700MW×2)の連系線があり、さらに700MWの連系線を増設中だ。
これは2012年にも完成する予定である。つまり、日常的に欧州とは大規模な電力融通が行われている。
デザーテックや地中海ソーラープランのコンセプト(注:モロッコなど北アフリカ地域から欧州に電力を輸出するスキーム)も、そうした従来の枠組みの延長と位置づけることができる。
引用:Tech-on
すでに北アフリカとヨーロッパは電力網でつながれているようで、これをいっそう強化し、あとはひたすらアフリカに発電所を作ろうと言う話。
この話はただ“ヨーロッパと北アフリカ諸国だけの話”ではないようで、
モロッコ自体、日本の発電技術にも期待しているようです。
<モロッコ太陽エネルギー庁長官の話の続き>
我々から見ると、日本は世界の中でも独自のポジションを持っている。
それは、エネルギー分野などにおける豊富な経験とノウハウ、イノベーションを起こす能力などだ。さらに日本は包括的なコンセプトの下、エネルギーや気候変動の問題に対して長期的に取り組んでいる。
先進国の企業の多くは、金融市場の言いなりになって短期的な戦略しか描けないが、日本の企業は10年後といった長期的な戦略で事業に取り組んでいると感じている。
日本側と2010年12月に結んだMOCでは、テーマとしてさまざまな技術を挙げている。
PVパネルの比較テストの方法、PVに関わる電力貯蔵技術、PVを電力系統網につなぐ際の系統安定化技術などである。
そのための基礎調査が2011年9月15日に終了し、次の段階に進む予定だ。
引用:Tech-on
かなり、形式的なお言葉のように感じますが、日本企業が参加できない内容でもないはずです。
このデザーテック構想での主な発電方法として考えられる太陽光発電ですが、
現在、欧米諸国や日本などの先進国企業にとって太陽光発電は製造コストと言う点で苦戦中です。
2008年の経済不況およびスペイン政府が補助を突然停止したことにより、太陽光発電産業の成長はバブル現象的な様相を示した。
好況から一転して各国・地域政府が急きょ補助を減らすなどしたため、太陽電池の価格は急速に低下した。
その時点まで技術をリードしていた欧州や日本のメーカーは、価格競争力不足のため中国と台湾に追われ、「市場は欧州と日本、生産はアジア」という局面になった。
欧州と日本のメーカーは,景気が良い時は利益を出せるが、不況になると設備稼働率が低下し、価格低下と相ま
って赤字に転落してしまった。一方、アジアの大手メーカーは、比較的安定な注文があり、10~20%の利益を保つことができた。
この結果、アジア・メーカーの生産能力がどんどん大きくなり、欧州と日本のメーカーは閉鎖や海外移転を余儀なくされた。
引用:Tech-on
現にアメリカのSolyndra社(太陽電池メーカー)は2011年8月末に破産しています。
2011年8月31日、太陽電池メーカーの米Solyndra社が連邦倒産法第11章(Chapter 11)の適用を申請した。
同社の太陽電池は、円筒形の一風変わった外見が特徴である。
そのユニークな形状以上に“Solyndra”の名を世に知らしめたのは、2010年5月のオバマ大統領の視察だろう。大統領は円筒形の太陽電池を前に「グリーン・ニューディール」政策が切り開く未来について力強く講演した。
Solyndra社の他にも、注目を集めた太陽電池メーカーが次々に力尽きている。
リボンSiと呼ぶ短冊状の基板を利用する米Evergreen Solar社や、米Intel社から独立した米SpectraWatt社も、2011年8月に破産に追い込まれた。
もちろん日本の太陽電池メーカーもアジアの新興国にかなり押されている状況かと思います。
このような状況に対して勝機を見出すには、信頼性と高効率性です。
現在、太陽電池には車の車検のような品質に対する世界基準の規格がないようで、品質も当然バラバラ。
2011年1月に、京セラが信頼性をアピールする戦略を説明している。
京セラは「現在の市場は低価格重視と信頼性重視に二極化しているが、将来は信頼性で選ぶ時代になる」と宣言した。
8月には、太陽光発電協会(JPEA)代表理事で、シャープ代表取締役社長の片山幹雄氏が、「太陽光発電システムの長期間の発電を担保する、自動車の車検制度のような品質保証制度が必要。
そのための基準作りを始めている」と述べた。
引用:Tech-on
早く、世界規格を作らなければ、今回のデザーテック構想でも、今勢いのある中国や台湾メーカーに受注を取られてしまうのではと思ってしまいます。
2012年が早く“経済復活の年”になるといいですね。
ありがとうございます。