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「狼と安心料」…原発関連の安全神話とメディアコントロール

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2011.05.10|iwamura

ということで、WSJ(ウォールストリートジャーナル)でも報道されたようです。

中部電力、浜岡原発の全面停止を決定。

海江田万里経済産業相は9日、政府による浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の運転停止要請を中部電力が受け入れたことについて会見し、浜岡原発に大規模津波が襲来するおそれがあるとの切迫性という特別な状況を踏まえたとし、他の原発は切迫した状況にないと説明した。文部科学省などの調査で、30年以内に大規模地震が発生する確率が8割以上と高いことを重視したとしている。

ロイターより抜粋

「他が大丈夫」かどうかはわからないけれども。

そもそも、今回はいわゆる

「狼が来るぞー!」(原発反対論者)

「来ないじゃねえかよ」(一般市民)

という図式が

「狼が来るぞー!」

「ホントに来た!」

というものになってしまっていたのであるが、しかし、狼がもっとも来そうな村の、しかも狼が飛び越えられそうな柵しかない牧場が一時閉鎖されるのは、これは大きな前進ではないだろうか。

以下、切込隊長ブログで表題の件、アカデミックに書かれていたので以下抜粋。

「嘘をつく子供」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%98%98%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%8F%E5%AD%90%E4%BE%9B

嘘をつく子供(反原発知識人)が「狼が来るぞ」(原発は危険だ)という。それなりの騒ぎ(安保、反核運動)になったのだが、狼は来ない(原発には何事も起きない)。何度も騒ぎを起こしているうちに、村人は嘘をつく子供の言葉をあまり信じなくなった。

ある日、嘘をつく子供の言うとおり、狼が本当にやってきた(原発が爆発して、放射性廃棄物が巻き散らかされた)。村人の大事な羊は喰われてしまう(大地が放射性物質に汚染される)。

物語はここで終わるが、現実はここから始まる。

なぜ、嘘をつく子供は嘘になったのか。

警鐘を鳴らしても、現実化しなければそれへの対策は徒労に終わる。我が国の反原発運動はいろいろと意義もあったが反政府運動と結びつくなどして国民からの運動への信頼を得ることはついにできなかった。

一方で、狼は来ない派の村人は、狼は来ない前提で羊を飼った。柵を立てたり歩哨を置いたりして狼が来る対策をするコストよりも、村人に狼は来ないと信じさせるコストのほうが安く上がり、多数派を作りやすかったのだろう。

しかし、現実には狼は来た。

結果的に、反原発知識人の物言いが当たったわけだが、なぜ反原発運動は東京電力や経済産業省の体質を変えるに至らず、最悪の結果になってようやく振り向かれるような事態になったのか。

本来の外部的なチェック機能はマスメディアの役割でもある。充分機能しただろうか。

「川端幹人氏(riversidecry)による電力会社の広告についての発言」
http://togetter.com/li/124748

個人的には、東京電力が大口スポンサーなのは事実として、テレビ各局の報道に東電の報道を押し留めるような圧力をかけ放題だとは思わない。

それ以上に、東京電力の抱えていた他の問題、例えばもんじゅの件なんか最適だと思うが、政府関係者やマスコミの人にとってはほとんど暗黙の諒解になっているほどヤバい話である。

でも報じられない。

何故か。

報道を行って、仮に東京電力から異議をぶつけられて、あるいは巨額の訴訟を起こされたとき、耐えられるだけの証拠集めができるのかというハードルだ。調査報道の限界の部分があるのだろうと思う。

ネット時代になって、大きな事件を扱う体力がなくなって、むしろ社会の自浄作用は失われ、脊髄反射のような論説で一喜一憂する傾向が顕著になった。

で、本来の嘘をつく子供は昔ながらの手法でまた左翼同士が団結して、反核を御旗に反政府運動と連結してしまって収拾がつかなくなり始めている。

切り込み隊長Blogより抜粋(部分)

「狼が来たらまずいから、この牧場は閉めよう」と叫ぶことは重要。

来る可能性は、高いムラなのだから。

ただし。

「狼が来るかもしれない牧場の閉鎖問題」は、反政府運動と結託しての、消費税反対や国旗掲揚反対、総理大臣交代と一緒に叫ばれるものであってはならないのだ。

本当に危険な狼出没可能性の話は、皆の耳に届かなくてはならない。

届かない叫びが「嘘」と処理されてきたのが我が国の歴史だった。

それでもしかし。

今回まずひとつ、危険度の高い牧場が閉められた。

大きな、前進であろう。

小出裕章氏のプルサーマル発電批判がわかりやすすぎる件。~憲法記念日の今日に~

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2011.05.03|iwamura

ということで、先日のエントリーでも取り上げました京大小出助教が、ガチでプルサーマル批判(というか冷静な考察)している動画を発見しました。

もちろん、推論は多いにしろ、7分26秒からの彼の意見展開はとても解り易いので、飲み会ネタに、みなさんも一緒にお勉強。

1/7【原発問題】推進派vs反対派 小出裕章氏(1)

小出「プルトニウムというのをつくりだして、

小出「それを高速増殖炉という特別な原子炉を動かすことによって

小出「またそれを再処理という特別なことをしなければいけないのですけれども、ぐるぐるぐるぐるこのサイクルをまわすことで、核分裂性のウランに比べて60倍ぐらいまで原子力の資源が増えるだろう、というそういう夢を描いたわけです。」

小出「しかし高速増殖炉というのは実は実現出来ていないのです。」

小出「世界的にも実現できていないし、日本でも、もんじゅという実験のがまあ潰れてしまったという、そういう状態。ところがこのサイクルを動かすというのが、原子力をやってきた人たちの夢だったわけですから、プルトニウムをとにかく産み出して、渡したいと思ってた。」

小出「どのくらいそのプルトニウムをつくったかというと、今現在の日本という国がもってしまったプルトニウムというのは、長崎原爆をもし作ることに使うならば2000発もできてしまうというくらいの量になっている、わけです。」

小 出「こうなると国際的な関係から見て大変な疑惑を受けるということになります。日本というのは高速増殖炉やるといってたけど実際にはできていな い、それなのにプルトニウムだけはふところにいれちゃった、いったいどうするのだ。」

小出「それで、今現在こういう状態にあるわけですけれども、しょうがないので、プルサーマルで燃やしてしまおうということを考えた。」

小出「これはもともと、これは必要だったのではなくて、原子力をやろうとしていた人たちの夢が破れてしまったから、どうしようもなくて今追い込まれてしまってる道なのです。」

【プルサーマル公開討論会(佐賀県):平成17年12月25日】より抜粋(部分)

原子力発電でできる残りカス=プルトニウム。

残りカス(プルトニウム)をさらに核融合させて発電するのが=高速増殖炉

⇒無限に原子力を利用できるぞー!

でも、「高速増殖炉はまだできてない」ので、

(しかし、プルトニウム=核ミサイル材料、を持ち過ぎていると世間体もマズいので。)

通常原子力発電所でのウランとプルトニウムのハイブリッド発電=プルサーマル、でプルトニウムを消費、と。

⇒握りつぶされた安全余裕。

⇒プルサーマル原子炉爆発(福島原発3号機)

⇒いまここ。

なんだか普通のご飯と自分のうんこを一緒に食べてるイメージなんだよな。プルサーマルって。

そりゃお腹も壊すだろ!と。

これを、「普通の灯油ストーブ(通常原子炉)に、ガソリンを突っ込むようなものだ」と評した方もいらしたわけで。

危険やリスクを理解したうえで、その実施を考えたい。

どうしても原発反対であれば、我々は反対を訴える政治家を国会に送り込めばいい。

我々の意思を「A」と、

政治家や国の利権や思惑、というものを「B」とします。

なんとなく「B」がいつも強大で偉ぶっているから、我々「A」としては、「最近の日本のBはダメだ。」など諦めてしまいそうになるが、実はそうではない。

主権は我々「A」のほうにあるわけで、「A」は「B」を気に入らなければ、いつでも選挙で全て入れ替えちゃうことだってできるのです。

そして、「A」は「B」を使って、「憲法」「法律」改正の力も持ちえるのです。

簡単だ。

今がダメなら改めるしかない。

我々の未来は、我々が決め無くてはならないのだ。

今日も未来を信じて、前に進みたいと思います。

※だからやっぱり選挙は大切ですね!

YouTube動画再生回数400万回以上、docomoのCMを外国人が大絶賛。

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2011.04.30|iwamura

昨今重い話題が続いた感もあるので、ちょっと素敵な広告動画なぞ一本。

週末ですしね。

これは、久方ぶりに気持ちがいいハイレベル動画。

ボリュウム上げていってみましょう。心に清流。

☆森の木琴

ドコモのCM動画が海外で話題となっており、外国人たちが大絶賛している。
このCMはドコモが制作した『森の木琴』(PLAY WOOD)で、と清水が流れる
音だけが響き渡る、美しい日本の森で撮影
れたもの。

このCMはドコモの公式サイトや動画共有サイトYouTubeで公開されており、
世界中の人たちが見ることができる。実際に見てみたが、非常に心が癒やされる
素晴らしいCMだった。日本人だけでなく外国人も絶賛しており、おおおおぉぉ!
アメージング!」
「自然、調和、美しい」などの声が寄せられている。

・外国人インターネットユーザーの声
「素晴らしい! よくできたな」
「自然を壊さずすべて木で作られたCM」
「本当に素晴らしいCMプロジェクトだ」
「私はこのCMに拍手を贈ります!」
「このCMを見られて本当に良かった」
「アジア人の想像力は無限だな……」
「すげええええええええええ!」
「今まで見てきたCMなかでいちばん素晴らしいと感じた」
「この感動を作るため、スタッフは血がにじむ努力をしただろう」
「エヴァンゲリオン思い出した」
「うわわぁぁあ! すげぇえええええ!」
「見ていると素敵だし幸せになる」

とにかくほとんどの外国人が大絶賛。少なくとも、日本という国に対して好印象を
持ったのは確かなようだ。日本人としては、この美しい音を奏でる国土をいつまでも
守り続けたいものである。そして、こんな素晴らしいCMを作った制作スタッフに
敬意を表したい。

tvウォッチblogさんより抜粋(部分)

TOUCH WOOD SH-08C(docomoさんプロダクトサイト)

3月11日以降、こんなに「自然っていいな」って思えたのは、正直なところ、久しぶりだったかも。

厳しい、おっかないのも自然だが、やっぱり日本人は森と水とともに生きてきたんだよな。

連休も入りましたし、今日はちょっと、風の谷のナウシカでも見ちゃおうかなと思っています。

みなさまにおかれましても、どうか良い連休をお過ごしください。

20キロ圏内、立ち入り禁止~ゴーストタウンと化した警戒区域で見たもの~

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2011.04.23|iwamura

22日午前0時。ついに福島原発20キロ圏内が立ち入り禁止(警戒区域)に指定されてしまいました。

菅直人首相が21日、災害対策基本法に基づき、福島県知事ら関係首長に「警戒区域」の設定を指示した。被災した福島第一原発から、海域を含む半径20キロ圏内が立ち入り禁止となった。

警戒区域内に許可なく立ち入った者や、退去命令に従わず立ち退かない者は、10万円以下の罰金または拘留が科される場合がある。

インターナショナルビジネスタイムスより抜粋(部分)

Q.「なんでいまさら」

A.「状況が好転していない(悪くなっている)からです」

以上Q&Aが、今回の政府対応行動の「証明」ではないだろうか。

下記、2週間前の映像だが、ビデオジャーナリストの神保哲生さんが第一原発の1.5キロまで取材をしている。

☆[VIDEONEWS 神保哲生報告] ゴーストタウンと化した避難区域で見たもの

立ち入り禁止(警戒区域)が法的に設定された今、もはや、こうした映像を見ることはないんだろうな、という思いがあります。

「目に見えない怖さを実感した。」

「じゃあ、戻って住めるのかって話じゃないですか。」

実際に現場に足を踏み入れたひとのコメントには重さがある。

※ちょっと長い映像なんですけれども、他にも神保さんの熱い取材を見たい方はvideonews.comよりどうぞ(無料配信中がいっぱいあります)。

さて、神保さんの番組で解説をされている小出裕章京大助教に、しかし今日は着目したいのだ。

小出裕章(こいで ひろあき)
(京都大学原子炉実験所助教)
1949年東京都生まれ。72年東北大学工学部原子核工学科卒業。74年東北大学大学院工学研究科原子核工学修了。74年から現職。伊方原発訴訟住民側証人。著書に『放射能汚染の現実を超えて』、『隠される原子力 核の真実』、共著に『原子力と共存できるか』など。

上にも「状況は一切好転していない」などと書いてしまったのだが、これは、彼のコメントによる影響が大きい。

福島原発問題。

テレビでの報道の回数も減り、「なんとなく大丈夫かな」というふうに、我々は思考停止していないだろうか。

以下、原発の現在進行形の危険性を淡々とアカデミックに、しかしかつ、大いなる優しさを持って語る小出先生出演のラジオ音声MP3(4月21日毎日放送)。

以下に書きおこしも表記するので、お時間のある方は、現在の原発状況を客観視する意味でも、是非ご清聴をお願いしたい。

【福島原発】4/21/木★1.東電「クロル38検出は間違いでした」2.海洋汚染 1/2

【福島原発】4/21/木★1.東電「クロル38検出は間違いでした」2.海洋汚染 2/2

メインキャスター(以下「MC」):千葉猛
コメンテーター:近藤伸二 毎日新聞論説委員

※完全な文字起こしではありません。
また、誤字脱字等、ご了承下さい。

MC:小出さん、どうぞよろしくお願い申し上げます。

小出氏:こちらこそ、よろしくお願いします。

MC:今日は毎日新聞論説委員の近藤伸二さんと一緒に
お伺いして参ります。

近藤氏:よろしくお願いします。

小出氏:はい、近藤さん、よろしくお願いします。

MC:では、小出さん、まず今日はこれをお伺いしたいのですが、
以前1号機の中で再臨界が起きているのではないか、と。
その理由がクロル38という物質が検出されているからで、
その検出が間違いであって欲しいとおっしゃられていましたけれども、
今日の毎日新聞の朝刊によりますと、
東京電力は1号機タービン建屋の地下の水からクロル38、塩素38が
検出されたなどとする分析が、再評価の結果、誤りだったと判明した
という記事がありました。
という事は、再臨界が起きている可能性は低くなったという事なのでしょうか。

小出氏:と、思います。

MC:再臨界が起きていないという事は、ひとまず少し安心出来るポイントが
増えたという事ですね。

小出氏:おっしゃる通りです。
ちょっとほっとしました。

MC:となると、外に出てくる放射性物質が少し少なくなる可能性があるのでしょうか。

小出氏:それは、ないと思います。
要するに、今まで通りの状態が、これからも続くという事になると思います。

MC:事態が大きく好転しているという訳ではない訳ですか。

小出氏:もちろん、全く好転していないですね。
むしろ困難が益々山積みになって来ているという事だと思います。

MC:それは、どうしてですか。

小出氏:要するに、もう手詰まりの状態になっている訳ですよね。
原子炉を冷やすという方法は、
相変わらず水を外から入れるという事しかない訳ですし、
入れれば水は溢れて来る、という事になる。
そうすると、汚染水が益々溜まるという事になる訳ですね。
それで、トレンチという部分はもともと水を漏らさないという構造には
なっていませんので、どんどん今現在も海へ漏れて行っている訳ですが、
それを早く何とか集中廃棄物処理建屋のタンクの方へ移さなければいけません。
でも、そのためにも20何日もかかってしまうという、
大変な作業を、これから続けなければいけないという事になっている訳です。

MC:私達どうしても再臨界が起きていないという事で、
ちょっとほっとしてしまう感じがあったのですけれども・・・

小出氏:それは私もほっとしました。

MC:それが必ずしも事態が好転しているという状況に繋がっているものではない、
という事ですね。

小出氏:そうです。

MC:もうひとつ、クロル38の事について、
東京電力は、半減期が短い物質を過大に評価していたから、
検出したと勘違いした、というふうに話しているそうなのですけれども、
これはどういう事なのでしょう。

小出氏:バカげた説明だと思います。
今東京電力がやっている測定方法というのは、
ゲルマニウム半導体検出器という検出器を使って、
ガンマー線を計っているはずなのですが、
その検出器で計る限り、どの放射性核種がどれだけあるかという事は、
厳密に解ります。
クロル38という、その放射性核種も、他の核種と間違うはずがないというような、
放射性核種です。
私もゲルマニウム半導体検出器を使っている人間ですけれども、
そういう人間から見れば、生のデータを見ればすぐにそれがあるのかないのかが
解るという、そういう放射性核種です。
ですから、何で、こんな今になって間違いだったと言い出すのかな、と
それが私にとってはむしろ不思議です。

MC:それ位、専門家にとっては簡単に検出が確認できる物質という訳ですか。

小出氏:そうです。
私達はスペクトルと呼んでいますけれども、
そのスペクトルさえ見せて頂ければ、ただちに解ってしまうという、
そういうものなのですけれども、
今の今まで、20日以上ですかね、そのスペクトルすら出てこなかった、
未だに出ていない
訳ですけれども、
本当なのか嘘なのか解らないままずっと来てしまって、
今になって間違えました、と東京電力が言っているのですね。

近藤氏:小出先生、ちょっとよろしいですか。
今のその先生のお話を伺っていますと、
今回の分析再評価というのも、本当のデータが出て、専門家が検討しないと、
本当に信用していいのか、という疑問が湧いて来るのですけれども、
この辺りはいかがなのでしょうか。

小出氏:そう思います。
ですから、生のデータというのは、一番私達のような人間にとっては重要な訳で、
東京電力が勝手にその生のデータを解釈して間違った結果を発表する
というような今までのやり方は、何とか改めて頂けないものかな、と思います。

MC:もう少し、皆が解るように正確にデータを開示する事が必要だという事ですね。

小出氏:はい、そう思います。
この件で、世界中が踊らされた訳ですね。
私自身も誤りであって欲しいと願いながら、今日まで20何日も
ひょっとしたら再臨界かもしれないと、思い込まされて来た訳ですし、
もっともっと正確なデータをじっかりと公表する必要があると思います。

MC:もうひとつ、今日大きなニュースで伝えられているものとして、
東京電力が、2号機に取水口付近から一時期海に流れ出した
高濃度の放射能汚染水の放射能の量が、
およそ4700テラBqと発表をしております。
この量を聞いて、小出さんはどう思われますか。

小出氏:物凄い量ですけれども、実はそんな量では済まないと私は思います。

MC:もっと出ている、と。

小出氏:もう遥かに出ている。

MC:それは何故ですか。

小出氏:この4700テラBqというのは、ピットという部分から滝のように流れ落ちていた
その量だけを計算したものです。
ピットというのはコンクリートの構造物ですので、割れがあった訳ですね。
その割れ目から、たまたま目に見える形で滝のように落ちていた、
だから大変だという事で、それだけが問題にされた訳ですが、
コンクリートの構造物というなら、ピットだけではありません。
トレンチも皆コンクリートの構造物ですし、縦坑もそうです。
もともと水を漏れないようにするという構造になっていませんし、
水が漏れるのが当たり前です。

おまけに地震でそこら中がもう損傷しているはずだと思います。
たまたまピットの所だけが見えたので、
そこだけを今東京電力が問題にしている訳ですが、
現実の問題として言うなら、もうトレンチ・縦坑・ピットの目に見えない所で、
どんどん地下に漏れて行っている
のだと思います。
それが、地下を通って見えない形で海に流れ込んで、
海の汚染を引き起こしているという事になっているはずだと、
私は推測します。

MC:この4700テラBqという数字も物凄いのですけれども、
これはピットという所から漏れていた分だけで、
全体で漏れている水が汚染された放射能量ではないという事ですね。

小出氏:そうです。

MC:それを計算するともっともっと多くの・・・

小出氏:幾つだというふうに、私は数字を示せませんけれでも、
必ず今の東京電力の数字よりは多いと思います。

MC:今まで、海にこれだけの量の放射性物質が流れ出た事故の例というのは
あったのでしょうか。

小出氏:事故ではなかったと思います。
イギリスのウィンズケール、セラフィールドという所に核燃料の再処理工場が
あるのですが、そこで、核燃料の再処理をするという名目のもと、
計画的に流して来た放射能の量というのは、膨大です。

今東京電力が言ったのよりはもっと多いのではという位、流して来ていまして、
そこのウィンズケールというのは、アイリッシュ海という対岸にアイルランドがある、
言ってみれば日本海のような内海に面しているのですが、
そこで大量の放射能を流して、アイリッシュ海が世界一汚染した海になっています。
アイルランドの国会も政府も度々イギリス政府に対して、
ウィンズケールの再処理工場を停止してくれ、という決議を上げていますけれども、
ウィンズケールの再処理工場は日本からの使用済みの核燃料を処理して、
お金儲けをしたいという事でずっと今日まで動いて来て、
海を汚染して来ました。
それと、かなり近いような汚染を既に福島から出しているという事になっています。

MC:そのウィンズケールでは、それだけの汚染物質を流して海にどんな影響が
出ているのですかね。

小出氏:ウィンズケールの全面の海域では、もちろん魚がいる訳ですけれども、
そういう魚の中には、1970年代80年代位には、
現在の日本の基準では到底許されないような汚染がずっと続いていました。

MC:とすると、漁業だとかにも大変な影響が出ている事態な訳ですね。

小出氏:そうです。
だからアイルランドの政府が停止を求める、とそういう事になってきた訳です。

MC:今回は、その汚染と同じ位の量だと思われるものが、
もう既に出てしまっているという事ですね。

小出氏:そうです。

MC:本当に基本的な事をお伺いしますけれども、
一度こうにやって環境に出てしまった放射性物質は、
回収というのはどうしても出来ないのですか。

小出氏:海というような所に流してしまった限りは、
出来ないと思います。

MC:とすると、汚染を防ぐためには、とにかく出すのを防ぐしかない訳ですよね。

小出氏:そうです。
いわゆる高濃度のものをそのまま閉じ込めるというのが、
一番良い方法です。

MC:そのまま閉じ込める、というのが?

小出氏:薄めてしまったらダメですので、高濃度のものを閉じ込める、
あるいは高濃度のものから廃液の処理で放射能を取り除く、
という事が、ベストとは言い難いけれども、少しでもマシなやり方です。
薄めるという事が最悪です。

MC:今は原子炉を冷やすために水を入れ続けているので、
汚染水でいわば薄めている状況になっている訳ですよね。

小出氏:もう、それしかないのですね、今は。
本当はやってはいけない事なのですけれども、
やらなければ原子炉が溶けてしまうという事で、

仕方なくやっている訳です。

MC:それが続く限りは、汚染水は海に流れ続ける危険性は止まらない訳で。

小出氏:危険性が止まらないというか、必ずそうなります。

MC:それを抑えるために、高濃度のままで抑えておくためには、
小出さんがおっしゃっている循環機能のある、
冷却水をリサイクルして冷やすというシステムを早く作らないといけない
という事な訳ですね。

小出氏:そうです。
でも、そのためには今の汚染水を何とかしなければ、
作業すらが出来ませんね。
まずは移さなければいけないのですが、
それすらが物凄い大変だという状況に今追い込まれているのです。

MC:それから、明日の午前0時に、あと数時間ですけれども、
福島第一原発から半径20kmの範囲内を
強制力をもって立ち入りを禁止する警戒区域に指定されるという事なのですが、
これはやはり、小出先生としては、遅すぎたという感じでしょうか。

小出氏:この問題は、私はとても答え難いのです。
要するに、その地域に住んでいた人達にすれば、
自分が住んでいた場所に入れないという事になるのです。
でも放射能汚染が凄い訳ですから、
私としてはやはりそういう所に入って欲しくないとは思います。
でも自分が住んでいた所に入れない人達の、その重さというのを、
私はどうやって計ったらいいのか解らないのです。
ですから、私から見ると、自分でもどうしていいか解らない
という事になってしまいます。

その事は、実は私は、チェルノブイリの原子力発電所の事故の後に
同じように思いました。
故郷を追われた人達が40万人もいた訳ですけれども、
そういう人達を強制避難させるという事の重さ
とてつもないものだというふうに思いまして、
どうしていいのだろうか、とそれ以降ずっと悩み続けています。
むしろ、その事を思ったが故に、やはり原子力発電所というものを
建ててしまえば、いつかはこんな事になるので、
何とか早めに止めさせたいと思って来たのです。
でも、こうなってしまったのですね、また。

MC:解りました。
あと、もうひとつ気になる事が、毎日新聞の今日の朝刊に載っていまして、
原発で作業をしていらっしゃる方々の被曝の線量なのですが、
今250mSvまで引き上げられた特例措置が運用されているのですが、
これが作業員の方の放射線管理手帳に書かれていないケースがある、と。
で、250mSvを浴びた労働者に通常規則を当て嵌めてしまうと、
相当年数仕事の機会を奪う事になるので、全く別扱いで管理する、
というふうに放射線影響協会の放射線従事者中央登録センターの方が、
記事によりますと語っていたりするのですが、
この事については、小出さんはどう思いますか。

小出氏:過酷な事ですね。
もともと日本人という人々は一年間に1mSvしか被曝をしてはいけないというのが、
法律なのですね。
私のように放射線と取り扱って給料を貰っている人間というのは、
少し我慢しろと言われて、私は1年間20mSvです。
でも今回のような事故を起こしてしまったら、
もうそんな事は到底言っていられない、と。
だからたった1回今回の事故に向き合うために100mSvまで我慢しなさい、
というのが法律だった訳ですけれども、
それすらがもう守る事が出来ないという事で250mSvまで
一辺に引き上げられた
のですね。

でも、それをちゃんと適用しようとすると、
今度はもう作業が出来なくなってしまうから、手帳にも書かないし、
今後何年間仕事をしたいという事を考えたら、
もうそれを闇に葬るという事を今言っているという事なのですね。
本当にその放射線を取り扱う場所の仕事、
今回のような事故が起きた時の作業というのは、
過酷だな、と私は思います。

近藤氏:先生、放射線管理手帳で、規則で(放射線量を)管理するという事に
なってますけれども、やはり現場ではなかなかキチンと管理出来ていない
という実態があるのでしょうか。

小出氏:それは昔から言われていました。

近藤氏:それは今回だけではなく、昔からそういう実態があるという事ですね。

小出氏:下請け労働者と呼ばれるような人達がキチンと放射線の管理を
されていない
という事は、昔から何度も何度も言われて来た事です。

近藤氏:しかし、改竄されずにずっと・・・そしてこういう大きな事故を迎えた
という事ですよね。

小出氏:そうです。

MC:はい、解りました。
小出さん、どうもありがとうございました。

小出氏:いいえ、ありがとうございました。

小出裕章(京大助教)非公式まとめより抜粋

無意味に怖がらせるつもりも無いんだけれども、昨今テレビがバラエティばっかりに戻っちゃったから、大事な情報は押さえておこうと思いました。

雨の土曜日。

晴耕雨読です。

地震から時間は経っているけれども、忘れてはいけない「現在進行中の問題」に目を戻してみるのも、休日の時間の使い方のひとつ、ではないでしょうか。

HDD市場の大変革。

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2011.04.22|shiozawa

先週クラウドビジネスについてお話しました。
そのクラウドサービスでデータを保存するためのストレージデバイスとして
大量に使われてるのがハードディスクドライブ(HDD)です。

2011年に入ってからこのハードディスクの市場で大きな変革が連続で起こっております。

<参考にHDDの中身です>

まずは3月

■日立製作所、HDD事業のHGSTを米Western Digitalに売却

日立製作所は3月7日、米Western Digitalにハードディスクドライブ事業を売却譲渡することで合意に達し、正式契約を締結したと発表した。

売却金額は現金と株式あわせた総額で約43億ドル相当
米Western Digitalは、日立製作所の100%子会社で、ハードディスクドライブ事業を担っている日立グローバルストレージテクノロジーズ(HGST)を、現金35億ドルと自社株2,500万株(7億5,000万ドル相当)で買収。HGSTは米Western Digitalの100%子会社となる。

引用:マイコミジャーナル

そして今月

■HDDは2強時代へ、Seagate Technologyサムスン電子のHDD事業を買収 (4/20)

HDD(ハードディスク)の製造を手掛けるSeagate Technologyは2011年4月19日、Samsung ElectronicsのHDD事業を13億7500万米ドルで買収することを発表した
買収の条件の下、Samsung Electronicsは、同社製のNAND型フラッシュメモリをSeagate TechnologyのSSD(Solid State Drive)向けに供給する予定だ。

Seagate Technologyは、HDDをSamsung ElectronicsのデスクトップPCやノートPC、家電向けに供給する。
 両社は今回の買収合意と同時に、両社間で既に締結しているクロスライセンス契約を延長・強化することでも合意した
 今回、Seagate TechnologyがSamsung Electronicsとの戦略的な提携を結ぶことは、Seagate TechnologyがTDKの傘下にあるSAE Magneticsとの関係強化を期待していることを意味する。

さらに今回の買収により、Seagate Technologyは、中国や東南アジアの顧客を獲得するとみられる。

引用:EE Times Japan
 

この2つの買収劇が何を表すのかが次の“ハードディスクメーカの販売シェア”のグラフでよくわかります。


引用:WSJ
 

WenstanDigitalがHitachiを買収して合計 48.6%

SeagateがSamusungを買収して合計 39.3%

        
つい最近まであった5社が世界でわずか3社だけになり、日本のハードディスクメーカーが東芝のみになります。

驚きなのは20年前の1990年代には41社もメーカーがあったようです。
しかし今ではわずか1/10以下の3社


引用:DiamondOnline

そして東芝のシェアは高々10%程度で残りの90%程度
アメリカのウェスタンデジタル社シーゲート社の2強が分け合う形となります。

     

この変革の面白いところは、ハードディクスにとって変わるのではないかと
一時期騒がれていたSSD(フラッシュメモリドライブ)が一気に市場に広がる可能性が
が高まるのではないかと感じる点です。
こちらが話に上がったHDDに取って代わる可能性があるSSD(フラッシュメモリドライブ)
と言うものです。

引用:パソ兄さん

今回のシーゲートのサムスンHDD事業買収で、

SSDに必要不可欠な部品(NANDフラッシュメモリ)を製造しているサムスンを手にした事

・もともと自社でもっている圧倒的販売力

の二つを手に入れたので
SSDの性能的な信頼性大容量化でハードディスクにどんどん近づけば

“SSDシェアを一気に増やして他社を畳み掛けにいくのでは”と私は感じました。

シーゲートとシェアでほぼ互角にあるウエスタンデジタル。
はたしてどちらが勝つのでしょうか。
経済も生物と同じ様に弱肉強食であることをつくづく感じます。

シェアの少ない東芝は果たしてどうするのでしょうか。。。

(加えて東芝は福島原発の問題もありますし。。。)
ありがとうございます。

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