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ips細胞を使って難病の新薬発明になるか
2012.08.03|shiozawa
今日は生物学の新しい発見のお話です。
世の中には様々な難病がありますが、
“全身の筋肉がどんどん委縮してしまって、動けなくなってしまう病気”
そんな難病治療のための新薬発明につながる大きな発見について発表がありました。
■iPS使いALS抑制 新薬候補物質発見…京大
全身の筋肉が徐々に萎縮していく難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者の皮膚からiPS細胞(新型万能細胞)を作製し、ALSの症状を抑える治療薬の候補となる化合物を見つけ出すことに、京都大iPS細胞研究所などの研究グループが、初めて成功した。
すぐに治療に使えるわけではないが、iPS細胞の技術が、難病の解明や新薬開発につながることを確認した成果で、2日の米医学誌電子版に発表する。
同グループによると、ALS患者の約9割は、脳からの指令を筋肉に伝える運動神経の細胞内で、遺伝子の働きの強弱を調節する「TDP―43」というたんぱく質が変性し、蓄積することがわかっていた。
グループの井上治久・准教授らは、50歳代のALS患者3人の皮膚から様々な種類の細胞に変化できるiPS細胞を作製した。
さらに運動神経の細胞に変化させたところ、変性した大量のTDP―43を確認。
その影響で、運動神経の突起部分が、健康な人より短くなっていたことを突き止めた。
このALS患者の細胞に、TDP―43の正常な働きを補うことで知られる4種類の化合物を加えたところ、そのうちの一つ「アナカルジン酸」という化合物でTDP―43が減少、突起の長さも2倍になり、健康な人の細胞と同じ長さになった。
引用:読売オンライン
ちょっと難しい話なのですが、
超ざっくり言うとips細胞という万能細胞を作って、問題を発見したということです。
そして発見された問題がわかったという事で、改善効果の見込まれる物質を投与。
その結果、効果がある事を確認したとのこと。
この問題発見に出てきたのがips細胞という細胞。
万能細胞と呼ばれ、この細胞が名前の通りとにかくすごい。
“万能”の名の通り、この細胞は何にでも変身できる。
京都大学の山中伸弥教授らのグループによって2006年に初めて作られ、大きく取り上げられていたのをよく覚えています。
こちらがそのips細胞の説明。
つまり、ありとあらゆる全身の皮膚や臓器の病気に対して扱える。
さらに、今回の難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」で使った手法で、いまだ未解決の多くの病気の原因が発見できるのではないでしょうか?
美しい希望の光が見えます。
しかし、何であっても結果が肝心。
今やっております「ロンドンオリンピック」でもそうですが、
選手は“オリンピックという最大の舞台で結果を出す”からこそ、応援する人々に最大の感動を与えることができる。
同様に“患者を助ける薬を製品にする”事で初めて成功であるように感じます。
日本は比較的“基礎研究”は先行しているのですが、“製品化”するのが下手です。
結局、商品は後釜になってしまうことが特に近年、産業系ではよく見受けられます。
ぜひ、このALS抑制新薬を“より早く”そして“日本製”で発売されることを私は応援しています。
ありがとうございます。
日立が大型受注獲得 「英高速鉄道」
2012.07.27|shiozawa
円高にもだえ苦しむ日本の電機メーカー達。
そんな電機メーカーを尻目に、このところ調子のいい超有名企業があります。
日立製作所。
そんな日立が最近、新たな大型受注をを獲得したようです。
■総額5500億円 日立、英高速鉄道を受注 <2012/7/25>
日立製作所は25日、老朽化した英高速鉄道の更新計画で、車両製造や保守事業を一括受注することで同国運輸省と正式契約したと発表した。
事業総額は45億ポンド(約5500億円)で、大半の事業を日立が担う。
日本政府も受注を全面支援し、海外の大型インフラ事業の獲得につながった。
日立は現地に工場を建設する方針で、グループ会社が計596両の車両を製造し、関連会社を通じ、英国の鉄道会社にリースする。
国際協力銀行(JBIC)や日欧の民間銀行が協調融資を実施するなど官民一体で支援する態勢を整えた。
車両は、ロンドンとスコットランドのエディンバラなどを結ぶ都市間高速鉄道で使用。2017年から日立製の車両が走行する予定で、その後の27年半の間、保守事業を担当する。
車両の最高時速は約200キロ。
一部の車両は電化と非電化区間のいずれも運行できるよう、モーターとエンジンの両方を備えている。
引用:産経ニュース
やはりインフラは手堅いです。
しかも今回は超大型受注。
また、肝心の車両も一部はモーターとエンジンの両方を備えているハイブリッドということで技術的にも時代を先行する製品となってるようです。
他にも最近の日立の海外受注を見てみると
■リトアニアの「事情」生かせるか 日立、原発事業が受注目前 <2012/5/7>
国内で原子力発電所の再稼働問題が注目されるなか、海外ではリトアニアで今夏にも新設計画にゴーサインが出る。
同国政府は2021年稼働予定の新規原発について、日立製作所と正式契約に向けて最終調整している。
東京電力福島第1原発事故後、世界の主要国で新設計画が一時中断したが、リトアニアが原発を推進するのは特殊な「お家の事情」がある。
<日立製作所の海外における主な原発受注活動>
国・地域 主な受注活動
リトアニア 2011年7月に優先交渉権を獲得。12年夏メドに正式受注見通し
東南アジア ベトナムなどで受注活動強化。11年からベトナムの大学で技術者育成開始
フィンランド オルキルオト原発の新設案件で受注活動
ポーランド 米ゼネラル・エレクトリック(GE)と組み受注活動
カナダ 米GEなどと組み小型原子炉の共同開発を計画引用:日経新聞
目前ということで獲得というところにまでは至っておりませんがかなり有望です。
こちらの受注も数千億円規模になるのではないでしょうか。
ここでちょっと気になる点。
皮肉にも、原発メーカー3社の日立と東芝と三菱重工はこれだけ日本メーカーが総崩れの中、2011年度は黒字です。
特に日立と東芝は業績がかなりいい。
さらに他の海外受注。日立系列の会社ですが、
■日立建機、トルコ金鉱山向けに超大型油圧ショベルを一括受注 <2012年7月20日>
日立建機は、トルコの金鉱山向けに、トルコ国内初となる電動式の超大型油圧ショベルとトロリー式ダンプトラックの組み合わせを合計8台一括受注した。
今回の受注は、日立建機の中東地域の販売・サービス会社である日立建機中東(FZE)が、カナダの金生産会社であるエルドラド・ゴールドの子会社で、トルコ国内最大規模の金生産量を持つキスラダグ金鉱山を開発するトゥプラグから注文を受けたもの。
電動式の「EX5600超大型油圧ショベル」が1台、日立製作所製の最新式IGBTインバータを使用したAC駆動方式の「EH4000ACリジッドダンプトラック」が7台の合計8台で、メンテナンス部品を含めた受注額は40億円以上を見込んでいる。
引用:Response
以上に上げさせていただいたものはどれもインフラ関連またはインフラ開発と間接的につながるようなもの。
■日立、社会インフラを収益源に <2012/5/11>
「東日本大震災やタイ洪水の逆風はあったが、4000億円超の営業利益を確保できた」。
10日の会見で、日立製作所の中西宏明社長はこう語った。
連結営業利益(米国会計基準)は4122億円(前の期比7%減)と電機大手で首位を確保。
純利益はハードディスク駆動装置(HDD)事業などの売却益も加わり、過去最高を更新した。
けん引役はプラント関連機器や情報・通信システムなど社会インフラ関連の部門だ。
かつて業績の足を引っ張った薄型テレビなどの部門は小幅の赤字にとどまり、収益変動の大きい事業を切り離した効果が収益増となって表れた。
引用:産経新聞
片や-7800億円に-4566億円。
その一方で日立は+3471億円。
この差は明らかにインフラビジネスに力を注いだ結果です。
今回の総崩れしてしまった会社の“黒字にV字復活”への一つのヒントになればいいなと感じます。
ありがとうございます。
8月5日。 新しい探査機が火星に到着予定☆
2012.07.20|shiozawa
本日はリアルタイムな宇宙ネタです。
約2週間後の8月5日に「新しい探査機が火星に到着」するようです。
その探査機の名前は“キュリオシティ”。
“キュリオシティ”のイメージ写真
米航空宇宙局(NASA)の火星探査用宇宙船「マーズ・サイエンス・ラボラトリー(MSL)」に搭載された探査機「キュリオシティ」は8月5日夜(米国時間)、火星に着陸する予定だ。
キュリオシティは自動車サイズの原子力車両で、その目的は火星で過去および現在の生命の痕跡を探すことだ。
現在、技術者が火星の表面に送り込めるロボットとしては最大であり、宇宙空間からの降下を成功させるためには複雑に入り組んだ項目を完璧にこなす必要がある。
「これは、これまでにNASAが行ってきた遠隔ミッションでも最高に難しいものだ」と、NASAの科学ミッションを担当する副責任者であるジョン・グランズフェルドは、7月16日に行われた記者会見で語った。
引用:WIRED JP
火星に到着して調査するのもドラマティックな冒険ですが、
「火星に到着する」瞬間にも大きな感動が生まれそうです。
その到着というミッションの壁が実に複雑で難しい。
《Challenges of Getting to Mars: Curiosity’s Seven Minutes of Terror》
作業が何段階もあって、見るからに成功率が低そうです。
余談ですが、
キュリオシティが火星に着陸する際の「恐怖の7分間」を、誰もが体験できる無料ゲームが「Xbox」に登場しています。
この着陸シーンで思い出したのが(かなり昔なのですが)、
1997年に“マーズパスファインダー”という名前の火星探査機が火星に無事到着した時の事。
http://www.youtube.com/watch?v=LnFg1hXdVSk&feature=player_detailpage
“エアバッグ”でポンポンと跳ねながら火星に着陸するのがとっても特徴的で画期的に感じました。
エアバッグのほうが低予算で簡単に着陸できそうですし、なぜ今回はこんな複雑で難しい方法で着陸するんだーと思ったのですが、
こちらの画像を見てすぐに納得です。
《Curiosity》
今回の探査機「キュリオシティ」はとにかくでかい。
左の開発者と比較しても、普通の車よりデカいんではないでしょうか。
約1トンもの重さがあるらしく、ここまででかいとエアバッグは無理かもしれません。
それに比べてエアーバッグで着陸した“マーズパスファインダー”は
《Mars Pathfinder》
重量10kg、サイズは長65cm、幅32cm、高さ48cm
重量差は100倍。
これではしょうがありません。
エアバッグでは抑えられない衝撃になってしまいます。
それにしても、
約15年間でこれだけ大きなものを運んで調査できるようになったと考えると、つくづく技術の進歩に感心してしまいます。
近年、新興国の発展により今まで以上に宇宙の開拓が進んでいます。
宇宙が持つ無限の可能性。
それは万国の人たちが共通に持つ好奇心。
“自身の将来への夢や希望”と重ねて、ついつい想像してしまう。
だから宇宙は人を魅了し続けるのではないでしょうか。
8月5日の探査機「キュリオシティ」の火星着陸。
大成功を期待しています。
詳しく見たいようでしたらこちらのサイトをどうぞ。
ありがとうございます。
事故っても倒れない?! まるで車のようなバイク「C-1」
2012.07.13|shiozawa
まるで横から見ると小さな車。
しかしよく見てみるとタイヤが2つしかついていない。
そんな面白いバイクが近い将来販売されるかもしれません。
そのバイクがこちら。
Lit Motorsが開発を進めているのが「C-1」。
一見、ピザの配達用のような屋根付きのスクーターだが、ジャイロを搭載していて2輪なのに倒れないというのがポイントだ。
ジャイロを内蔵することで衝突したり、極めて低速での運転でも倒れないという。
定員は運転者を含めて2名。
縦に運転者と同乗者が並ぶいわゆるタンデムタイプだ。
もちろん動力源は電気でモーター駆動。
出力20kwのモーターをリアホイール内に収めてギアなどを介さずに駆動するいわゆるインホイールタイプ。
引用:GQ JAPAN
これはアメリカのLit Mortorsというベンチャー起業が現在開発している「C-1」というバイク。
《Lit Mortors》のロゴ
動画を見てわかるとおり、人間がちょっと蹴とばした程度ではびくともしません。
思いっきり衝撃をサイドから与えてもタイヤは滑れど転倒はしていません。
私がバイクを運転してた時にたまにしてしまった、停止まじかの“立ちごけ”。
これも100%なさそうですし、バイクなんだけど安全性は車に近いように見えます。
この絶対的なバランス性を実現させているのが“ジャイロ”というもの。
以下の動画「地球駒」でジャイロ効果がよくわかります。
かなり傾いても倒れないのは内側の円盤が回転している遠心力で倒れない「ジャイロ効果」。
先ほどの倒れないバイク「C-1」もタイヤのホイール部にジャイロが内蔵されているため倒れないようです。
ジャイロセンサ(加速度センサ)を使った、
“転倒しないで走る”と言ったら村田製作所の「ムラタセイサク君」が有名ですね。
しかしセイサク君は“ジャイロセンサを部品として使っている”いうことで直接ジャイロ効果を使っているわけではなさそう 。
むしろこちらのラジコンのほうが今回の「c-1」には近いかもしれません。
ジャイロ効果のおかげで飛んだり、勢いよく方向を変えても倒れません。
「C-1」はこのラジコンが人間サイズになったといったイメージでしょうか。
バイクで事故るとふつう100%転倒します。
でも転倒する確率も大きく軽減されるし、サイドに扉のカバーがあるため衝撃も吸収されます。
さらに、車ほど車体が重くないため衝撃が分散されるでしょうし安全面では特に画期的だなと感じました。
販売価格は $19,900の予定で、現在予約を受けつけているそうです。
たぶん日本の発売は少し先になると思いますが、一度だけ運転してみたいものです。
ありがとうございます。
世紀の大発見「ヒッグス粒子」! ヒッグス粒子って
2012.07.06|shiozawa
今日はちょっと難しめですが、すごく大きな発見があったのでご紹介。
つい先日の7月4日にジュネーブで
“世紀の大発見”と言っても過言ではない“神の粒子”の発見の発表がありました。
その粒子とは“ヒッグス粒子”。
http://www.youtube.com/watch?v=e6RiiHa_RRk
■ヒッグス粒子発見、その意味と今後
「見つけたと思うが、どうだろうか?」。
現地時間7月4日午前、スイス、ジュネーブの会場を埋めた聴衆を前に、欧州原子核研究機構(CERN)の所長ロルフ・ホイヤー(Rolf Heuer)氏はこう問いかけた。
CERNが運営する大型ハドロン衝突型加速器(LHC)で実験を行っている2つの研究チームが、
“神の粒子”とも呼ばれるヒッグス粒子を、あるいは、ヒッグス粒子であることが有力な未知の粒子を、それぞれ99%以上の確実さで発見したという発表の場だ。
とのこと。
神の粒子ということで、実に神々しい言われ方をする粒子なのですが、
その粒子の何がどうすごいのか
ということで、その説明については以下の通り。
長らく見つかっていなかったヒッグス粒子は、
この宇宙の物質が質量を持つ理由を、ひいては銀河が、惑星が、そして人間が存在し得る理由を説明し、それによって物理学の「標準理論」の最後のピースを埋めることになるかもしれない。
「われわれは発見した。ヒッグス粒子とみられる新たな粒子を観測した」と、ホイヤー氏はセミナーの席上で述べた。
このセミナーには、1960年代にヒッグス粒子の理論を発展させた4人の人物が出席していた。
その中に、理論の提唱者であるピーター・ヒッグス(Peter Higgs)氏が発表を聞きながら涙をぬぐう姿が見られた。
すべての物質が誕生したのはこのヒッグス粒子があったからだ
そうです(理論ですが)。
その理論を簡単に説明したのが以下の通り。
具体的には、
宇宙が誕生したビッグバンの直後はすべての粒子は光のスピードで動いていましたが、数億分の1秒後には動きが遅いヒッグス粒子が他の粒子を動きづらくして、その動きづらさが質量となり、物質を誕生させたという理論。
なんとこの理論、
48年前も昔に英国の理論物理学者ピーター・ヒッグス氏(83)が提唱したとのこと。
こちらが、ヒッグス氏。
提唱したヒッグス氏自身も今回の発見に驚いているあたりがちょっと面白いです。
そんな、宇宙誕生直後に生まれたとされるヒッグス粒子は
いかにしてをつくりだすことができたのでしょう?
ビックバンのような環境を作り出せるのは案の定、とんでもなく巨大な施設で作り出されていました。
CERNが運営する大型ハドロン衝突型加速器(LHC)という巨大施設。
想像を超えた巨大施設で円周は27km。
今回の発表では「新しい粒子の発見した」とまでで、本粒子の細かい“現象”等の調査はほんの始まりのようです。
この研究が進めば、
どのようにして今の宇宙が誕生したのかといった壮大な疑問の手がかりが見つかるかもしれません。
宇宙の謎の解明、期待しております。
ありがとうございます。